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吸音するとどう変わる?-保育室での試み-

 音声コミュニケーションを必要とする空間や大勢の人々が活動する空間では、吸音を施すことで、音声の明瞭性・静けさ・落ち着きを得られることが知られています。特に乳幼児が日常を過ごす保育施設では、言語や聴覚の発達のため良好な音環境を保全することが重要です。しかし、既に建築されている施設では、どのように音環境を改善すればよいのでしょうか。
 建築側から音環境づくりを支える方法の一つとして、吸音材の使用があります。今回は、保育施設にて実施された音環境改善に向けた取り組みとして、後から吸音材を設置した事例を紹介します。

◆保育室の音環境(吸音材の効果)

明治大学 建築環境計画研究室 提供

 天井に吸音材を設置することで、保育室内の喧騒感が緩和されるとともに音声の聞き取りやすさが向上する様子が分かります。


◆保育室の良好な音環境づくり(吸音材の効果の体験動画)

熊本大学 建築音響研究室 提供

 一つ目の保育室は普段の状態、二つ目の保育室は天井に吸音材を仮設してあります。手を叩きながら歩きながら、吸音材の有無による響きの違いを確認することができます。

 これらは、音環境の保全に向けた取り組みの一部ではありますが、吸音材による効果を実感いただけたのではないでしょうか。

 最近では、保育施設をはじめとして小学校や学童保育施設等においても、このような観点の取り組みが多くなされています。このような取り組みへの理解がますます広がると良いですね。


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