モンゴルに馬頭琴学びの旅に行くなど、個性と探求心が人一倍のベース奏者、落合康介さん。

その落合さんの世界観が詰まったリーダーライブにいつかは行きたいと思っていた。それがようやく実現したのは、ゲストボーカルに阿部智子さんが加わった一夜となった。

そのライブはなんと、5管にギターの9人編成の豪華なノネット+

初めて聴く、落合康介ノネット。

セカンドしか聴けない予定が早めに移動でき、開始時刻が押していたファーストに間に合うことに。超満員のお客さまだったので、ギリギリ入れて良かった！

一言で表そうとすると、優しくて荘厳で、整然としたカオス。

褒め言葉に聴こえないかもしれないが、やっぱり「カオス」という言葉が合い、カオスがこんなにも心地の良いものとは、と発見した。

それは、9人一人ひとりが、音の根をしっかりと地の奥深くまで張っている上だから、心地よいのだろう。何よりも、お互いのソロ演奏を聴き合っている時の尊敬と楽しさがじわじわと伝わってきて、このノネットの良さを表していた。

自然を呼び起こす、落合康介ノネットという新しい生き物に出会ってしまったようだった。

ジャズ・レジェンドの曲もまるで落合さんのオリジナルかのように、この編成ならではの和音の響き合い、ぶつかり合いに。そのハーモニーと音圧に、ニヤケ、そして熱くなってしまった。

そして、こんな珍しい生き物に自然に溶け込み、同時に存在感を発揮する智子さんの音選びと歌声、さすがだった。

絶対に生で聴くべきこの編成。

この贅沢なメンバーが再び集う日はいつになるのだろう。
その集いを待ちながら、一人一人存在力のあるメンバーの音旅を探求するのも悪くないだろう。

落合康介 nonet + @ 新宿ピットイン

落合康介 b
石川広行 tp
寺井雄一 ts
治田七海 tb
東金城友洋 as
東方洸介 tuba
朝田拓馬 gt
石田衛 pf
中村海斗 ds
ゲスト阿部智子 vo

（2022.12 記念）