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東カレデートで仮氏が出来た話(後編)

✳︎本記事はいつもよりアダルトな内容が多めとなっています。

「今から会えない?」

21時過ぎ、フライト後仮氏からLINEが来た。
仮のお付き合い条約を結んだ日から1週間以上経ち、カップルっぽい事を何もしていないので会う事にした。
待ち合わせ場所は品川プリンス。
素敵な夜にしたいと思い、成城石井でモエシャンのミニボトルとドライフルーツを買って行く。

品プリのロビーで待ち合わせをしていたら、15分程遅れて精神科医がやって来た。
酔っていた。
手にはコンビニのビニール袋をぶら下げ、中にはきのこの山とベビースターラーメンが入っていた。
「おとちゃんも食べて良いよ〜」
と言われて、私はたけのこの里派だし、シャンパンを買った私の気遣いが馬鹿らしくなり少し腹が立った。
話を聞くと男友達と飲んでいたが急に会いたくなったとの事だった。

私はここで踵を返して帰る位の権利はあったかもしれないが、白金台からわざわざ品川に来てくれた精神科医を無下に出来ないと言う優しさが優ってしまった。

仕方なく部屋に向かう。
急遽部屋を取ったので、ツインルームだったが東京タワーが見える素敵な部屋だった。
シャワーを浴びて、モエシャンで乾杯をする。
ついに精神科医とのセックスをする時が来た。
前戯をしていると興奮した彼は私にこう言った。
精「おとちゃんはアナル舐めるの好き?」
お「えっ…(舐める好きな人いないだろ)」
精「舐めて欲しいんだ…」

ぱっかーーん ✳︎ ←

お「……(絶句)」

初めて見た訳でも初めて舐める訳でもないが、男性が自らM字開脚をする姿は衝撃的だった。
その上Oラインの陰毛が密林過ぎてアナルが全く見えない。

意を決して事に及ぶも、密林がカミソリの様に鋭く舌から血が出るかと思った。
正直その先の行為は記憶にない。
✳︎のダメージが強過ぎた。

更に1週間後、私は精神科医と銀座のおでん屋にいた。
金曜日の19時、予約をしていなかったのでこのおでん屋に入るまでに30分程歩き回っていた。
三度目のこのデートで私は絶対に別れようと強い決意を持って精神科医とおでんを食べていた。
相変わらず彼の良い所が見付からず、一挙手一投足が気になる様になっていた。
会話も少なくつまらなそうな私に気付いていないのか、暢気に彼が尋ねた。
精「おとちゃんはどう?仮だったけど僕とこれからも付き合ってくれる?」
お「うーんと…聞かれたから答えるけど…無いかな。」
精「えっ…」
お「言いにくいけど、身体の相性もデートの計画性が無い所も合わないよ。ごめん。」

その後は無言でおでんを平げ、急に降って来た雨を避ける為に足早に地下鉄の駅へと走った。
途中まで送ると言う精神科医の申し出を断り、無感情のまま電車に乗った。

彼氏が欲しいからと言って、無理に付き合う物ではないと痛感した。
けれどこれに懲りず、再びマッチングアプリを開いている自分にうんざりしながら帰宅した。

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