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【結果】全国高校総体陸上競技/女子3000m決勝

令和3年8月1日(日曜日)の16時05分出走の『女子3000m』決勝は、31℃を越える気温も影響したのでしょうが、日本人選手の消極的なレースが残念な結果となりました。

1周目から、ワングイ・エスター選手(興譲館3年/岡山県)とカリバ・カロライン選手(神村学園1年/鹿児島県)が飛び出しますが、72秒と決して速いペースではありません。
先頭の2人の1000m通過が3分03秒と、日本人選手が決してついていけないペースではありませんが、3位集団は3分10秒のスローペースで誰も追いかけようとはしません。

先頭の2人は、1000m~2000mが3分10秒とペースダウンしますが、3位集団との差は変わりません。
酷なことを言うようですが、ここで前を追いかける選手が出ないようだと、世界では戦っていけません。

先頭争いに変化があったのが2400m地点で、ワングイ選手がカリバ選手の前に出てペースを一気に上げていきます。
2400m~2800mの400mをワングイ選手は64秒まで一気に引き上げて、カリバ選手の戦意を喪失させる強さ。
2000mの通過が6分13秒だったので、8分台の記録は望めないと思われましたが、最後の1000mを2分46秒で駆け抜けたワングイ選手が8分59秒41で優勝となりました。

2位のカリバ選手も、最後の1000mは2分50秒までペースを上げて、9分03秒21で初めてのインターハイを終えました。
まだ1年生なので、今後の成長が楽しみな選手です。

3位以下の集団はラスト1周のスパート合戦で、入賞争いは混戦。
今大会1500mで日本人選手トップの米澤奈々香選手(仙台育英3年/宮城県)が3位争いを制して9分17秒16でゴール。

4位に水本佳菜選手(薫英女学院2年/大阪府)、5位に並木美乃選手(常盤3年/群馬県)、6位に野田真理耶選手(北九州市立2年/福岡県)、7位に西澤茉鈴選手(薫英女学院2年/大阪府)、8位に村松結選手(立命館宇治3年/京都府)と入賞しました。

薫英女学園2年生トリオは、3人揃っての入賞は逃しましたが、2人入賞しており、来年メンバーが変わっているかもしれませんが、トリプル入賞の可能性を見せました。

8位と0秒05差の9位と入賞を逃した久保心優選手(神村学園3年/鹿児島県)は、予選(9分21秒89)・決勝(9分20秒33)と2本きっちり走れたことが収穫だったとは思いますが、悔しい結果となりました。


年末の高校駅伝に向けては、薫英女学園の調子が良く、仙台育英の米澤選手の勝負強さは抜群だと感じた大会となりました。
選手層の厚い仙台育英の牙城をどの高校が崩すのかが注目されている今年の高校駅伝が楽しみですが、秋以降のレースでは留学生に臆することなく立ち向かう日本人選手の姿を見られることを期待しています。