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【結果】東京オリンピック陸上競技/女子5000m決勝

『女子5000m』決勝には、廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ/長崎県出身)が出場。

序盤スローな展開になりかけましたが、廣中選手が予選同様に前に出て、1000mを3分00秒67で通過し、1200mでは2位集団と10m弱の差が開きました。

このまま、しばらく廣中選手が独走するのかと思われましたが、シファン・ハッサン選手(オランダ)のスパートを警戒するケニアとエチオピアの選手が中心に追いかけ始め、1500m過ぎには集団に吸収されてしまいます。

ここで、いつもならば、一気にアフリカ勢がペースアップするのですが、今日は違い、先頭の通過タイムは、2000mを6分00秒22、3000mが8分59秒81と、1000m毎では、3分を少し切るくらいのイーブンペースで進みます。

廣中選手も2600m手前で一度集団の後方に下がりますが、トレードマークの帽子を投げ捨て粘ってついていく展開。

3800mを過ぎて、余裕のある選手はスパートに備えて周囲を警戒しながら、4000mを11分57秒09で通過する頃には、7人先頭グループのギアが上がり始め、廣中選手を含む第2グループ4人が、僅かな差で離されまいと粘りますが、残り2周の地点では明らかに差が広がっていきます。

先頭は、残り1周を13分39秒くらいで通過し、廣中選手も9番手争いをしながら、6~7秒遅れで続きます。

残り300mからのシファン・ハッサン選手のスパートが凄かった。
午前中の『女子1500m』予選で、ラスト1周で転倒しながら1着通過する格の違いを見せていましたが、粘るアフリカ勢をジワジワ引き離してきます。

優勝タイムが14分36秒79ですから、シファン・ハッサン選手のラスト1周は57秒前後と異次元の走りでした。

廣中選手もラスト1周粘って9位争いに競り勝ち、14分52秒84の日本新記録をマークしました。
展開に恵まれたとは言え、予選でマークした自己記録を更新しての日本新は立派で、4000mからの残り1000mを2分54秒台に上げることが出来たことも収穫だったと思います。

それでも、世界でメダル争いをするには、2分40秒を切る力がないと難しいことも実感したことでしょう。
まずは、世界との差をしっかりと分析して、もう一段階上のステージを目指してもらいたいと思います。