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ポップンの2Pカラーが好きという話~その魅力と楽しみ方について~/赤石ひかり

みなさん2Pカラーは好きですか。
私は大好きです。

はじめまして。赤石ひかりと申します。
この度矢澤豆太郎さんよりお誘いいただき、「月刊オトモ」にゲスト寄稿させていただくことになりました。
「月刊オトモ」は初回から毎月楽しく読ませていただいております。一読者としてとても光栄です! 貴重な機会をありがとうございます!

普段は個人のnoteで日記や推しの話(いわゆる怪文書と呼ばれる類いのものかもしれません)を書き散らかしている、一般音ゲーオタクです。
メイン機種はポップンですが、最近は最推し曲の移植をきっかけに弐寺も練習しています。また、かつてサウンドボルテックスをそれなりにプレイしていました。今では老人会です。
最推しはポップンミュージックのイオ・ロアです。
私のことはふんわりぼんやりで構いませんので、今日はイオ・ロアのことを覚えて帰ってくださると嬉しいです。

さて、今回寄稿させていただくにあたり、矢澤さんより執筆テーマをご提案いただきました。「ポップンミュージックの2Pカラーキャラクターの魅力について」です。ほぉ~~~~(さまざまな感情)となりました。何故なら私はポップンミュージックの2Pカラーが大好きなため。

私は2Pカラー好きが高じて、色彩検定やパーソナルカラーなど色についての勉強をしました。そのきっかけをくれたのが、「ラピストリア」のイオ・ロアの2Pカラーです。彼らをはじめて見たときの衝撃は、8年近く経った今でも忘れられません。
ポップンは「20 fantasia」からプレイしており、これまでにも「2Pの色が好きだな」と思うキャラクターはいました。また、イオ・ロアのこともいろいろとあってお気に入りのキャラクターでした。
それでも、ラピス2Pイオ・ロアの「色」は私の心を強く動かした特別だと言えます。
イオのミルキーホワイトの髪はふわふわと柔らかそうで、ロアのセルリアンブルーの髪は海や空を連想させる美しさで、1Pよりも健康的な肌色や赤×黒×黄のかっこいい配色の服が印象的で。そして何よりイオの蜂蜜色の瞳がとても綺麗。これは等身が高いほうの絵(いわゆる「ラピス絵」)でしか成し得ない美しさだと思います。みなさんもぜひ一度筐体で見てみてください。
2Pカラーは、元も子もない言い方をすればキャラクターの色が違うだけ。それなのにどうしてこんなにも心を動かされるのだろう。
彼らが持つ美しい「色」のことをもっと知りたい。それが、私が色に興味を持ったきっかけのひとつでした。

前置きが長くなりましたが、今回は2Pカラーのキャラクターを愛してやまないオタクが思う「ポップンミュージックの2Pカラーの魅力とその楽しみ方について」ゆるっと書き散らかしていこうと思います。よろしくお願いいたします。

◆そもそも2Pカラーとは

1プレイヤーと2プレイヤーを分けるために、画面上でのキャラクターの表示(主に色)が変えられていることがある。この、2プレイヤー用に用意されたキャラクターを「2Pキャラクター(2Pキャラ)」「2Pカラー」などと呼ぶ。

wikipedia「2プレイヤー」より引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC

つまり「主に対戦型格闘ゲームで双方が同じキャラクターを使用する場合に、1プレイヤーと2プレイヤーを見分けるためにキャラクターの色が変更されているもの」が2Pカラーです。さらにわかりやすくさらに雑に言えば、「基本となるキャラクター(1P)の色違い」ですね。
ポップンは音楽ゲームですが、初期からプレイヤーキャラクターと楽曲の担当キャラクターによるダンスバトルをイメージしており、ポップンのキャラクター要素はある種対戦型格闘ゲームに近しいものと言えます。
22作目「ラピストリア」のストーリーでは「(キャラクター同士が)ポップンをする」という旨の台詞もあり、近年ではダンスバトルというよりも「ポップンバトル」というなんだかふわっとした概念になっています。23作目「éclale」の楽曲解禁イベント「ポップンスターメーカー」では、「高レベル帯の譜面を担当しているキャラは強い(戦闘力が高い?)」という描写もありました。
こういった対戦・バトルをイメージした要素から、ポップンではほぼすべてのキャラクターに2Pカラーが設定されています。キャラによっては3Pカラーやそれ以上のカラーが設定されていることもあり、「2Pカラー」と一括りにするには少々微妙なところもあるため、私は「1Pと色が違うキャラ」をまるっとひっくるめて「別カラー」と呼んでいたりもします。

対戦・バトルをイメージした要素があるとは言いましたが、ポップンミュージックではどのキャラクター・カラーを選んでも格闘ゲームのような性能差などはありません。スコアや判定などに影響するスキルがキャラクターごとに割り振られている……ということもありません。バトルモードなど一部のモードではキャラによって使用できるオジャマの種類が変わってきますが、普通にプレイする分にはほとんど気にしなくて良いかと思います。
ポップンミュージックにおいて信じられるものは己の力(パワー)のみ。
なので、誰でも気軽に好きなキャラクターを選んで楽しむことができます。初心者の方も安心、みんななかよしのゲームですね。ラブアンドピース。

◆2Pカラーの魅力について

色によりもたらされる印象というのは非常に強いもので、形は同じでも色を変えるだけでまったく違った印象を与えることができます。色だけで元のキャラクターの印象をまるっとひっくり返したり、別のイメージを与えることもできてしまう訳です。
たとえば「Sunny Park」のうさぬこ。うさぬこには1P・2Pだけでなく、3Pカラーもあります。個人的にこの3Pの配色がすごいな! と思っています。
うさぬこは「Sunny Park」稼働当時「PONPONPON」で注目を集めていたきゃりーぱみゅぱみゅと原宿系ファッションを彷彿とさせるデザインのキャラクター。1Pカラー・2Pカラーはどちらも原宿系らしいポップなビビッドカラーです。彼女の強烈で個性的なキャラクター性にもぴったりですね。
対して、うさぬこの3Pカラーはほぼ黒です。差し色もくすんだ緑や紫と全体的に暗めの色合いで、1P・2Pのポップでかわいい毒々しさとは対照的な闇の毒々しさを感じます。原宿系の中でも1P・2Pは「デコラファッション」、3Pは「病みかわいい」に近いかもしれません。
ファッションはその人の個性や内面を表現するものでもあり、原宿系ファッションは特にそういった傾向が強いのではないかと思います。こうなると3Pうさぬこは1P・2Pとは違った趣味嗜好、考え方、性格があるのでは……? と考えてしまいます。このカラーのうさぬこが「恋は渾沌の隷也」を担当していたのもいろいろと考えさせられますね。
そんな感じで、二次創作界隈では2Pの色から着想を得た各々の解釈・設定を用いた創作も行われています。
つまり、1体のキャラクターにカラーリングが複数あるというのは、1箱でいろんな味が楽しめるポイフルみたいに良いものです。1キャラでいろんな味が楽しめてお得! 楽しい! うれしい! たまにハート型も入っているぞ。

そんな2Pカラー、私が思う魅力は「私たちに違った世界を見せてくれるところ」です。
それは上記のうさぬこのようにキャラクターの新たな一面であったり、もしくは楽曲の新たな一面であったり。また、色に触れることで知識を深めてくれたりと、さまざまです。ポップンミュージックの2Pカラーおよび別カラーは、その「色」で私たちの世界を広げてくれるところが魅力のひとつだと私は勝手に思っています。

◆2Pカラーの楽しみ方

1.プレイヤーキャラクターとして選択する

まずはこれです。とりあえず一緒に遊んでみましょう。キャラ選択画面で好きなキャラクターにカーソルを合わせて、黄色ボタンを押すだけでカラーリングや衣装が変更できます。かんたん!
2Pカラーの中には、1Pと2Pでまったく別のキャラクターになったり、デザインやアニメーションが一部変わったりするキャラクターもいます。こうなるともうな、なんぼうま味があるんじゃ!? と困惑の域です。ポップンミュージックすごいぜ。
また、衣装ごとに2Pカラーのカラーリングが違ったり、7Pカラーまで用意されているキャラもいます。どすえ。
いつも一緒に遊んでいるあの子やちょっと気になるあの子に、思わぬ発見があるかもしれません。

2.2Pカラーのキャラクターが担当している曲を遊ぶ

2Pカラーおよび別カラーのキャラクターが担当している曲は、ここでは挙げきれないぐらいたくさんあります。版権曲や他機種からの移植曲を担当していることが多いですが、ときどき2Pカラーの新規描きおろしイラスト+新曲が追加されることもあります。また、詳しい説明は割愛しますが、「ウラ譜面」と呼ばれる譜面や「ee'MALL」曲などは基本2Pや3Pなど別カラーのキャラクターが担当しています。
2Pが担当している曲は1Pが担当している曲と全く違うジャンルの曲であったり、元機種でのジャケット等の色合いがイメージされていたりと、意識して見てみるとなかなかおもしろい。なるほど公式側はこのキャラの2Pにこういう解釈をしているのか……この曲にこういうイメージを持っているのか……と勝手に感じてみるのもいいですね。
なお、どれが2Pなのかわからんな……という場合は有識者やGoogleに聞くのがいちばん手っ取り早いのですが、キャラ選択画面に「最近遊んだ曲の担当キャラから選ぶ」カテゴリーがあるのでそちらを活用してみるのもいいかもしれません。

3.配色について考えてみる

「この色合い、もしかして元ネタがあるのでは!?」「どうしてこの子の2Pカラーはこのカラーリングなんだろう?」など、好きなカラーとじっくり向き合いいろいろ考えてみるのもおすすめです。どうしても答えのない考察もとい幻覚ではありますが、好きなキャラクターを取り巻く世界が広がるかもしれません。

元ネタがありそうな別カラーのキャラクターはたとえば、「20」のポエット3Pカラー。初音ミクのパロディカラーだと思われます。BEMANIにミクさんはじめボーカロイド曲が本格的に進出する少し前にこのカラーが登場していました。
「19」のつらら3Pカラーはクリスマスカラーがとってもキュートで、キャラクターの設定にもぴったり。さらに「beatmaniaIIDX」シリーズの菱宮津軽によく似たカラーリングです。知っている人はおお~となれるファンサービス的なカラーなのかもしれません。
「éclale」のメテオ2Pカラーは白とピンクを基調としたゆめかわカラーです。大変にかわいい。このカラーリングは化粧品メーカー「ゲラン」のフェイスパウダー「メテオリット」に似ています。もしかしたらこれが元ネタなのかも……?

また、色彩の知識をもとにカラーリングについて考えてみるのも楽しいです。配色には必ず何かしらの意図があり、さまざまな技法やルールがあります。色彩の知識はその意図を読み解くヒントになります。なるかも。

どういうことかと言うと例えばこちら、か~なりざっくりしたものですがラピス2Pイオ・ロアのカラーリングです。

ラピス絵の髪とだいたい腰から上ぐらいまでの色をざっくりスポイトで取ってきたものですが、以下の情報が読み取れます。

・二人の髪の色は「対照色相配色」という、変化が大きく対照性があるが相性の良い配色である。
・「対照色相配色」はどちらもビビッドな色だと印象が強くなりすぎてしまうが、二人の髪の色は彩度(色の鮮やかさ)が対照的でメリハリがある。
・黒×赤に黄色がアクセントになった「ダイナミック」な配色イメージの服が、彼らのもともとのキャラクターデザインの「かっこいい」印象をより引き立てている。また、黒×赤の重厚な色に対して、軽やかな印象のある鮮やかな黄色をアクセントにすることで重々しくなりすぎないようバランスを取っている。

だいたいこんな感じ。二人並んだときのバランスも考えられた配色です。最高。

また、こちらはラピス1Pイオ・ロアのざっくりした配色です。

1Pの髪の色も「対照色相配色」になっています。もしかしたら「補色色相配色」かも。詳しいことはググってください。(雑)
服の色については、ロアの服に紫が大きく使われている分、イオの服を無彩色(白・黒・灰色)中心にしてバランスを取っているように思います。差し色の水色はおそろいですね。
イオ・ロアは見た目だけでなく、戦い方や趣味、好きな物など性格面の設定も正反対になるようデザインされている二人組のキャラクターです。彼らのカラーリングも意図的に正反対になっているものと思われます。
正反対でありながら相性の良い色の組み合わせ、二人のキャラクター性にもぴったりです。

並べてみました。1Pは2Pに比べると色数が……多い……! 2Pの服のおそろいっぷりがより引き立ちます。また、2Pロアの髪の鮮やかさも印象的です。かわいい~。

おまけ。「解明リドルズ」にて新衣装・新アニメーションで再登場したイオ・ロアの2Pカラーです。

服の色がおそろいっぽいのはラピス2Pと同じですが、髪の色は青と青緑で正反対の色ではなくなっています。ただ、明るさは対照的です。
「解明リドルズ」のイオ・ロアはどうやら「ラピストリア」のイオ・ロアから成長した二人のようで、別々だった二人の翼の色は同じ色になっています。(なんか唐突に翼とか言い出しましたが、イオ・ロアは二人で1対の翼を持つ比翼の天使です。)また、アニメーションから二人の信頼関係がより強いものになっていることがうかがえます。
「解明リドルズ」の2Pのカラーリングは、「相変わらず正反対でありながらも心の距離が近付いた」ということを示しているのかもしれません。ラピス1P・2Pでは別々だった瞳の色が同じになっているのも、「同じ方向を見ている」ということなのかも。めっちゃいいな……イオ・ロア、良すぎ……。

思わず推しの「良さ」を噛み締めてしまいました。このような形でキャラクターの魅力を再確認できたり、新たな気付きがあったりするかもしれません。

◆まとめ

今回長々と語らせていただきましたが、言うても2Pカラーの楽しみ方は人それぞれです。プレイヤーキャラクターとして選ぶもよし、見て楽しむもよし、愛でるもよし、創作してみるもよし、なにもしないもよし。2Pカラー好き好き人の数だけ2Pカラーの楽しみ方があります。
1P派の方はもちろん、機種連動イベントなどで最近ポップンを触り始めたよ! まだあんまりわからないよ! という方もぜひ、2Pカラーのキャラクターを使ってみてください。そして、自分なりに楽しんでみてください。
キャラ選択画面で黄色ボタンを押すだけ。そこに、彩りにあふれた新しい世界が待っています。

最後に。執筆前は「いつもの自分のnoteになってしまうからイオ・ロアの話はなるべく封印しよう!!」と思っていたのですが、気が付いたら全然普通にめちゃくちゃイオ・ロアの話をしまくっていました。
私にとっていちばん馴染み深いキャラがイオ・ロアなので、ゆるしてください。そして今日はイオ・ロアのことを覚えて帰ってください。



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書いた人:赤石ひかり
ポップンミュージック20生まれサウンドボルテックスⅡ育ち。ポップンのイオ・ロアとげっ歯類全般が好きです。狂ったようにイオ・ロアの話をします。

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次回の更新は4月1日(土)「一次創作同人作家がプロに楽曲制作依頼をした話/矢澤 豆太郎」の予定です。お楽しみに!