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Guitar Pop Restaurant vol.50ライブレポート!

皆さんこんにちは! 月刊オトモ編集長の矢澤です。
今月は2023年10月14日、15日の二日間に渡って開催されたライブイベント「Guitar Pop Restaurant vol.50」の現地レポートをオトモライターの市村さん、かりんとうさんと共にお届けします!


・「Guitar Pop Restaurant」とは

都内を中心に開催されているギターポップ、渋谷系中心のライブイベントです。
長年コンスタントに開催されているイベントで、今回レポートをお届けする回はなんと記念すべき50回目の開催でした!
オトモで取り上げているからにはお察しの方もいるかもしれませんが、過去の公演も含めて音ゲーにゆかりのあるアーティストが多数出演しています。

・ギターポップ、渋谷系と音ゲー

そもそもギターポップ、渋谷系という音楽ジャンルと音ゲー(特にポップンミュージック)には文化的にも深い繋がりがあることはご存知でしょうか?
詳細な歴史をここに記載するのはあまりにも果てしないので割愛しますが、双方の関係性は長い時間をかけて絡み合い、互いに影響を与えてきました。
(この辺の話はオトモ所属ライターである市村さんがリアルサウンドテックに寄せた記事で非常に分かりやすくまとめられているので、未読の方は是非チェックしてみてくださいね。)

・このレポートで伝えたいこと

今回「ギターポップと渋谷系のライブイベント」を「音ゲー関係の話題を扱うメディア」で取り上げたのは、単純に音ゲーにゆかりのあるアーティストが多数参加するイベントだから、というだけではありません。
ライブイベントという「音ゲーから更に少しだけ足を伸ばした世界」に触れることによって、互いのルーツに触れるきっかけや、まだ知らない良い曲、アーティストとの出会いにつながるかもしれない、音ゲーをきっかけに新しい世界の楽しさが広がるかもしれない…と考えたからです。
この記事で私たちと一緒に、「音ゲーから更に少しだけ足を伸ばした世界」を覗いてみませんか?

前置きが長くなってしまいましたが、このライブレポートから少しでも楽しさが伝われば幸いです!

・10月14日(土)一日目、一般参加

文:矢澤 豆太郎

札幌から遠征での参加でした。地方に住んでいることもあり、ライブハウスに行くことやイベントへの現地参戦自体が久しぶり! 少しドキドキしていましたが、会場やお客さんの雰囲気が温かく「同じものを好きな人達が集まっている」という優しい空気を感じました。
一日目は特に音ゲーにゆかりの深いアーティストが大集合の日程でした。生歌、生演奏からしか感じられない迫力や空気の振動、演者の表情を味わえるのはまさに現地のライブならでは。私は特に、キーボード演奏でほぼ一日中(!)ご活躍されていたゆーじさんのキラキラ楽しそうな笑顔が印象に残りました。
この日は各アーティストのオリジナル曲やカバー楽曲など幅広い「ギターポップ、渋谷系」楽曲が披露されましたが、特に注目だったのが渋谷系コンピレーションアルバム「Pastelphonic」シリーズからの選曲です。
Pastelphonicシリーズはこの日の参加アーティストでもあるYu_Asahinaさんが中心になって制作を行っているコンピレーションCDで、特にpt.3はギターポップレストランとの共同制作だったこともあり複数のアーティストが収録楽曲を披露していました。 日常的にヘビロテしているアルバムからの選曲に私も大盛り上がりでした…!
Pastelphonicシリーズはオトモ読者の皆さまならきっとハマること間違い無しの名曲揃いなので要チェック。通販情報などはこちら(リンク先は「Pastelphonic pt.3」のページです)。

昼の部、夜の部の二部構成だったにも関わらずとにかくあっという間だった一日目。ラストを締めくくった藤野マナミさんの歌声に合わせてお客さんみんなでサイリウムを振った時間はとても多幸感に満ちていました。そして撤収の時間も市村さんのDJによるエクストラステージ(?)で最後までたっぷり大いに盛り上がりました。

・10月15日(日)二日目、一般参加

文:かりんとう

今回、二日目の昼の部・夜の部に参加しましたかりんとうです!
ギターポップレストランへは音楽ゲームに関連したアーティストの出演をきっかけに、ここ数年は毎度足を運んでいます。今回は諸事情で一日目を通すことが出来ないスケジュールとなっていましたので、二日目に全身全霊を注ごうと決めていました…!

今回は50回目を記念して二日間、全四部の長丁場と相成りましたが、二日目は主にギターポップの音楽シーンで活躍するアーティストが集合しています。中にはこのイベントがきっかけで始まったユニット、初登場した頃からメンバーやユニットの形を変えても出演を続けている方なども、いらっしゃるそう。
二日目のようなラインナップでの魅力はやはり、行き慣れた親しみある場(近年は同じライブハウスが会場なので、そういう意味でも通う度に親しみが湧きます)で、ライブ活動を生業に含むアーティストの洗練されたパフォーマンスを、当然間近で、幾つも体感できる事だと思っています。

「初めてライブを観に来た人にも優しく」をモットーに作り上げられた朗らかな雰囲気、そしてイベントコンセプトとして、ある程度統一された音楽性。これらの特徴は、まだ出会っていなかった曲や書き下ろしたての新曲にご対面しても、流れのままグルーヴに乗ることが出来る……そんな安心感を生み出しています。気に入った曲やバンドが見つけられたなら、ほぼその場(ライブスペースから扉一枚隔てたラウンジ)で、手渡し(タイミングが合えば出演者本人と交流しながら!)でCDやグッズを手に入れ直接応援でき、その様子はもはや眺めているだけで温かい気持ちになるほど。
勿論楽しみ方だって人それぞれ。この日私は、爽やかギターロックを浴びながらクラップしたり、ゆるりムーディなポップスに身を任せたり、DJをバックにお酒をあおったり…かなり自由気ままに楽しんでいました。

そもギターポップとは、渋谷系とは…そのふわふわした言葉の雰囲気からは主にアコギを使って、柔らかなポップスを聞くのかな…なんて想像していたのも今は昔。実際会場に響く音色はバラエティに富んでおり、ソロでの弾き語りからギターの音ががしがしに歪んだバンドナンバーまで様々。
そんな中でこの日注目していたアーティストは、実は双方「渋谷系」の系譜に類していました。
直近登場した1stアルバムを持ち寄りつつライブでは二日目のはじまりを飾った、2019年結成のポスト渋谷系バンド、Capitan。
二日目、かつイベントの締めを務めた、ポップンをよく知る方にとってはお馴染みでもある95年結成、ネオ渋谷系としてもよく知られるバンド、rissete。 
ギターポップという大きな括りの中で広がる様々な音楽性を受け入れるこのライブの(一日の)幕開けと締めのチョイスに、若輩ながらも渋谷系シーンの歴史と未来を感じざるを得ませんでした。

満員御礼、老若男女を問わず集まった観客と盛り上がった時間は、音楽を通じてその場にいた全員と、世代を超えてこころをひとつにしていたような感覚は。今も思い返せば染み入ってしまう素敵な一時として、GPR50の記憶を特別なものにしています!

・10月14日(土)一日目、DJ出演&運営お手伝い

文:市村圭
市村圭です。一日目夜の部にDJとして出演、一部では運営スタッフとしても関わりました。

主催のなかむらさんとは十数年来の音楽友達。GPRの立ち上げから12年目を迎えたVol.48でついに初出演に至った経緯は、以前の月刊オトモ記事に綴りました。

1990年代に端を発し、20年以上にわたり相互に影響を及ぼしながら発展してきた、(ネオ、ポスト)渋谷系シーンと音楽ゲーム。今回のGPR Vol.50は、これら二つのシーンが交差する、一つの集大成となるイベントでした。

ポスト渋谷系の最前線とその周辺風景を一望できる、良質のコンピレーション・イベントとして。あるいはもっとシンプルに、多数の音楽ゲーム参加アーティストが出演して、物販でもCDやグッズを直接買える場として。

期待を胸に訪れたオーディエンスそれぞれの想いを肯定し、音楽の魅力と興奮で包み込む、価値ある特別な空間。私たちの手をそっと引いて、いつもの場所から半歩踏み出した、夢のような風景へと連れ出してくれる時間。

今回の参加でDJとして、そしてスタッフとして意識したのは、私がGPRと出演アーティスト/ユニットに対して抱いている、そのような思考を形にすることでした。

今回DJとして流した音楽のリストと選曲の意図は、以下の記事にまとめてあります。

二回目の出演とはいえ素性はライターであり、DJとしての純粋な技量や経験を誇るには至らない身。出演者の音楽をあらためて聴き込んで傾向を考慮し、iTunesの楽曲リストや過去に執筆したレビューともにらめっこ、持っていなかった音源を取り寄せ、楽曲との出会いのきっかけになればと現地用の紹介スライドを用意し……と、想像の限りを尽くして当日の現場に臨みました。

あの夜の大塚Hearts Nextに満ちた幸福の総和に少しでも貢献できたならば、これほど嬉しいことはありません。

ここぞというタイミングでUNDERTALEの曲を流してもよく、しかも大きな反響を得られるギターポップのイベントが実在するらしいです。もっとも「Hopes and Dreams」はギターロックなので、マッカチン企画の次の転換で流れても何もおかしくはない。(?)

密かに嬉しかったのは、一日目夜の部のDJ担当を分け合ったchiepommeさんとの共演です。

二日目に出演されたポプリのれいなさんと共に女児アイドル体験VRゲーム「ハッピーおしゃれタイム」を制作し、2016年にはYamato Kasai(Mili)が主宰するレーベル・さいはてレコーズから、Miliに続く第二弾アーティストとしてアルバム「star-go-round」をリリースした経歴も持つchiepommeさん。Corniche Camomile、もちうつね、Sucretteとツボを突く選曲に唸ったり、ルーツ音楽の話を直接伺えたり……。

またスタッフとしては、主に物販を担当していました。

このイベントのために、はるか韓国や米国から海を渡った来場者までいらしたとか。入場されるなり物販のラインナップに目を輝かせる方々を目にして、ああ、この場はなんて特別なのだと、この目と肌で感じて震えていたのをよく覚えています。

事情から現地では観ることのできなかった二日目も、本稿では語りきれないほどに思い入れのあるアーティストが盛りだくさん。近々に予定されている機会も含めて、まだまだ覚めない夢の中を歩いていけそうです。

・最後に

ライブレポートはいかがだったでしょうか?
「ちょっと興味が湧いたかも、でも今回の公演は終わっちゃったんだよね…?」というそこのあなたに朗報です。
来週12月9日(土)、10日(日)の二日間にかけて、今回のライブの配信があります! チケットはまだ購入可能ですので是非チェックしてみてくださいね。詳細は公式サイトにて。

~おわり~


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次回の更新は1月6日(土)「私の初めての音ゲー自我 ~キミはぷよぷよの音ゲーを知っているか~ /矢澤 豆太郎」の予定です。お楽しみに!