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「金持ち父さん貧乏父さん」を、マルチ商法を推奨する本だと思いこんでいた

前々から気になっていたこの本を読んだ。

実は昔マルチ商法の勧誘を受けた時、やたらこの本をオススメされた経緯があり、ずっと敬遠していた。

お金のことをちゃんと勉強しようと思って色々見いくと、やはりこの本は読んでおいた方がよさそうだということで購入して読んでみた。

「マルチ商法を推奨する本じゃないやん」
ということが分かった。

「金持ち父さん貧乏父さん」で言っていること

この本では一貫して「自分のビジネスを持て」と言っている。
サラリーマンのように雇われて働くことを「社長を金持ちにする為」と言い、稼ぎの中から税金を取られる前に必要な出費を経費として計上できる「経営者」になることを推奨している。
その中で、「ネットワークビジネスをやってみるといい」という一文は存在する。
これは、自分を売り込むセールススキルを身に着ける為という意味合いに加えて、ネットワークビジネス(マルチ商法)の販売員は、起業やフランチャイズ契約よりもリスクが低いため、自由になるための第一歩として推奨されている。

ネットワークビジネス(マルチ商法)について言及しているのはほんの1文のみ

ずいぶんながながと推奨しているかと思ったら、本全体で「ネットワークビジネス」という単語が登場するのはこの1文のみだ。
ネットワークビジネスさえやれば誰でも金持ち父さんのようにやれるとは書いていないし、金持ち父さんも著者のキヨサキさんもネットワークビジネスをやっていたとは書かれていない。

マルチ商法販売員のバイブルのようになっている

にもかからずに、マルチ商法販売員のバイブルのようになっている。
みな金持ち父さんになるのを夢見て営業活動に精を出している。
それを否定はしないが大変だなぁと見ている。

「金持ち父さん貧乏父さん」は非常に素晴らしい本だ

しかしこの本はひっじょうに素晴らしい本だ。
この本の特徴として金持ちマインドを物語に沿って紹介している。
いわゆる最近のビジネス本のように要点がまとめられていないので本自体が長くなっているが、それゆえに読みやすくなっている。
しかも中の密度が濃い。
とにかくお金について真面目に考えてみようと思い始めた人はまず読んでみることをお勧めする。

とはいえ、令和の日本で通用するのか

ここに書かれているお金に関する考え方は非常に為になるが、同時に危険でもある。
ここにあるような不動産の売買で富を築くのはやはり相当の勉強が必要で、軽い気持ちで手を出すと大損するリスクが高い。
今よく言われている分散投資ではなく一極集中投資を推奨しているのもそうだ。それ相応の知識がなければ非常に危ない。
ここに書かれていることをうのみにして誰もが金持ち父さんのようになれるんだと思って色々なことに手を出すのは危険だという認識は必要そうだ。
やはり現在において有益なのはこの辺りでだろう。


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