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【19.楽典のこと✏️】スラー・タイ・スタッカート・テヌート

学生の頃、音楽の期末試験で音楽記号が出るよと言われて一生懸命に覚えた「あれ」を今回学習いたします。みんな呪文のように
スラー・・・滑らかに
タイ・・・・その音を繋いで
スタッカート・短く切って
テヌート・・その音を保って
あの頃の嫌な思い出が蘇って来ますでしょうか?
皆さんが学生の頃覚えさせられた音楽記号は楽器を演奏しようとする場合必ず覚えなければならないものですが、意味もわからず、しかも一覧表になっている箇所が試験範囲になっていたというだけで授業で説明もないままになっていたものではないでしょうか。

子供の頃からピアノを習っていた方にとっては意味もわからないまま使い続けているうちに何となくそうするもんなんだなという経験で後から教科書できちんとした言葉で意味を知るということもあったと思います。

そんな一覧表が教則本の中にも申し訳程度に書かれていますが、実際にご自分で勉強されるということはないかと思われますので、今回スラー、タイ、スタッカート、テヌートを取り上げました。しばらく一覧表の中の音楽記号を取り上げていきますね。


音楽記号スラー・タイ・スタッカート・テヌート


今回の記事では以下のメロディを使用して説明します。

基本のメロディ

まずは基本のメロディを見てみましょう。
この曲はト音記号、4/4拍子、2小節の曲です。
リズムを見てみましょう。
タン タン タン タン  タン タン ターアー(二分音符の歌い方)
このリズムに音を並べます。
ド レ ミ ファ  ソ ミ ドー

この基本のメロディには何の記号も付いていません。これを弾く時にはどのように弾いたら良いでしょうか?自分勝手に弾いていって良いのでしょうか?何か決まり事があるでしょうか?いろいろ考えてしまいますね。私の考えでは、この基本のメロディを弾くときには楽譜の通り何の記号もないまま弾けば良いと思います。それが何の記号もつけなかった作曲者の意図だと思うからです。では何かしらの記号があった場合はどうでしょうか?もちろんそれが作曲者の意図なのですから、忠実に再現する必要があると思います。ではそんな作曲者の意図とは何でしょうか?「このメロディは滑らかに弾いてほしい」また「このメロディは弾んだように弾いてほしい」など言葉には表されていませんが、記号に託して表現されています。
「滑らかに」=「音と音を切れ目なく繋いで弾いてください」=「スラー」
「弾んだように」=「音と音を繋がずボールが跳ねるように」=スタッカート
という具合に楽器を演奏しながら瞬時に理解できるように記号化したものが音楽記号だと考えるとただ一覧表になって試験範囲だからという理由で意味もなく覚えさせられたという音楽記号にも意味を見出せるでしょう。
またスラーは作曲者からのメッセージということの他にも、音楽のまとまりを作るという意味においても使用されます。
例えば日本語の文章で
すもももももももものうち
という文章は非常にわかりにくく読みにくいですね。それを
すもも も もも も もものうち
という具合に単語に分けて表すと少し読みやすくなります。
季も 桃も 桃のうち
とすれば意味まで瞬時に理解できます。
音楽を奏でるときにもこのように音楽のまとまりを考えながら演奏することが大切になってきます。作曲者の意図を汲んで尚且つおかしなまとまりにならないようにする為にもスラーは大事な役割を果たしています。


スラー・タイ・スタッカート・テヌートの練習用楽譜

①②③⑤は上記の基本のメロディと同様のメロディです。
④はタイの練習の為に少しメロディが変化していますが、ほぼ同じです。

①〜⑤の楽譜の解説をします。
①ドレミファまで弧線で繋がっていますのでここまでは切れ目なしに繋いで弾きます。次にソミドーも弧線で繋がっているのでここも切れ目なしに繋いで弾きます。しかし、ファとソは弧線で繋がっていませんので、ここは繋いで弾いてはいけません。注意するべき箇所です。
②ドレミまでが弧線で繋がっているのでここまでは切れ目なしに繋いで弾きます。その後のファには・がついています。スタッカートで弾くということですので、ファの音は短く切って弾きます。ソミ2つだけ繋いで弾いた後ミとドを繋がず弾きます。ミとドはスラーで繋がっていませんので繋ぎません。
③ドレ ミファ ソミと2つずつ繋いで弾きます。最後のソミドは②の場合と同様です。
④①②③と同じ弧線に見えますが、④の弧線はタイになります。タイはスラーと意味が違いますので注意しましょう。初めの説明図でも解説した通り、タイは必ず同じ高さの2つの音を繋いで弾くという意味ですので、ここでは四分音符2つを繋ぐのですから、合計2拍分伸ばして弾くことになります。またソミはそれぞれスタッカートがついていますので短く切って弾きます。よって
ドーオー ミーイー ソッ ミッ ドーオー
となります。
⑤ドレミファまでの各音には短い線がついています。これはテヌートです。テヌートはその音が伸ばせる限界まで(ギリギリまで)保って弾くということになりますのでよく音を聴いて保って弾いてください。これは少々難しいかも知れませんので、ある程度上達してからチャレンジでも大丈夫でしょう。

練習用の音源を録音してみましたのでスラーやタイ、スタッカート、テヌートのついた曲の演奏方法を学習してみてください。私もテヌートは少々怪しい感じがしております😅

※音源説明
⓪   0:00    何の記号も付いていない基本のメロディ
① 29:00    
② 57:00
③ 1:24:00
④ 1:52:06
⑤ 2:20:00
2小節のカウントの後各2回ずつ演奏しています。ノンストップになりますので
注意してください。


今回の記事はいかがだったでしょうか?ここ最近の記事では楽典を扱っておりますが、何か質問等ございましたらお気軽にコメント欄にお願い致します。私が分かる範囲で全力で回答させて頂きます💪今回も最後までお読みくださりありがとうございます😊次回の記事もよろしくお願いします🙇‍♀️


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