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【26.楽典のこと✏️】リピート・オクターブ

今回は繰り返し記号・オクターブ記号についてお話しします。きちんと説明もしないまま記事の中で使用しておりましたので、この記事で詳しく解説したいと思います。

繰り返し記号の譜例
繰り返し記号の譜例


繰り返し記号には、①②に使用されているリピート記号や③で使用されているカッコの中に数字が書いてある記号、④⑤⑥で使用されている文字や特殊な記号による指示というようにいくつかの種類があります。①から⑥までの繰り返しのパターンが一般的ですが、まだいくつかありますので興味のある方は学習してみてください。今回は①から⑥のパターンを詳しく見ていきます。

①曲の最後にリピート記号をつけて繰り返すパターン
このパターンが1番簡単な繰り返しの方法です。曲の最後まで演奏した後、曲の最初に戻りまた曲の最後まで演奏して終わります。
A-B-C-D-A-B-C-D
②曲の途中にリピート記号があり、曲の最後のリピート記号と小節を挟みあって、その部分を繰り返すパターン
譜例では曲の途中から曲の最後までをリピート記号で挟みあっている譜例になっていますが、これだけでなく曲の途中から少し進んで曲の途中までをリピート記号で挟みあっている場合もあります。記号で挟みあっている部分を繰り返して演奏します。
A-B-C-D-C-D
③カッコの中を演奏して繰り返すパターン
この記号の場合最初から順に演奏していき、まず1番カッコを演奏します。そこでリピート記号がありますので、最初に戻りまた順に演奏していきますが、1番カッコはすでに演奏済みですので1番カッコ部分を省略して2番カッコに進み順に演奏していきます。カッコがついている繰り返しですが、譜例の1番カッコの部分に
1. 2. 3. 、そして2番カッコの部分に4.と書かれているものもあります。この場合は3回繰り返して4回目にはじめのカッコ部分を省略して4番カッコに進んでいくことになります。
A-B-C-A-B-D-E
④文字による指示のパターン
このパターンはまず最初から順に演奏していき、D.C.(ダ・カーポ)までいきましたら、曲の最初に戻ります。戻りましたらまた順に演奏し、Fine(フィーネ)のところで曲を終えます。
D.C.(ダ・カーポ)・・・曲のはじめに戻る
Fine(フィーネ)・・・・曲の終わりを表す
A-B-C-D-A-B
⑤④の発展形のパターン
④のパターンではダ・カーポによって曲のはじめに戻って演奏することになっていましたが、⑤のパターンは曲のはじめではなく指示された場所に戻って演奏することになります。その指示された場所というのがセーニョ記号です。セーニョ記号に戻ることを指示するのがD.S.(ダルセーニョ)です。ですから譜例では曲の最後のD.S.で曲の途中に書いてあるセーニョ記号のところまで戻り、Fineの書かれてある場所で曲を終えます。
D.S.(ダルセーニョ)・・・セーニョ記号まで戻る
セーニョ(譜例⑤のAとBの小節の間にある米印に似た記号)・・ここまで戻り順に演奏する
A-B-C-D-B-C
⑥コーダ記号を使用して繰り返すパターン
コーダ記号によってより複雑になっていきますが、ポップスなどの楽譜ではよく見られるものですので演奏順序をよく学習しておきましょう。
この譜例ではD.S.と合わせ技のようになっていますが、このような使用が一般的です。まず、曲のはじめから順に演奏していき、D.S.でセーニョ記号まで戻り、その後トゥー・コーダの部分からコーダ記号にワープしてそのまま最後まで演奏します。
トゥー・コーダ・・・コーダマーク、codaのあるところまで戻る
コーダマーク(譜例⑥のIのト音記号のところに書かれているマーク)
A-B-C-D-E-F-G-H-C-D-E-F-I-J-K-L



オクターブ記号と鍵盤図

オクターブ記号には上記のような書き方をするものがあります。ト音記号の音符につけられているオクターブ記号は全て、五線上に書かれている音符よりも1つ上の同じ音を弾くことになります。またヘ音記号の音符につけられているオクターブ記号は全て、五線上に書かれている音符よりも1つ下の同じ音を弾くことになります。ト音記号の最初のソの音はオクターブ記号が書かれていない場合、鍵盤上のG4を弾きますが、オクターブ記号がつけられているので実際の音は1つ上の同じ音、G5を弾きます。ヘ音記号の最初の音もソですが、オクターブ記号がつけられていなければ、G3の位置になりますが、オクターブ記号がつけられているので実際に弾く音はG2の音になります。ですからト音記号のソの音は全てG5、ヘ音記号のソの音は全てG2になります。
G2からG3、G3からG4、G4からG5までは全て1オクターブの関係です。この関係は1オクターブというだけではなくG2からG5は3オクターブということになります。
オクターブ記号は1小節分だけでなく数小節に及ぶこともありますし、その音のみにつくこともあります。小節単位でつくわけではありませんので、小節の途中からついていくこともあります。五線の上下に加線をつけて表現される音が大変読みにくい場合などにオクターブ記号をつけて譜読みしやすくしたりします。慣れないうちは見落としやすいので注意が必要です。



最後までお読みいただきありがとうございます😊今回は繰り返し記号とオクターブ記号を解説いたしました。実際の楽譜の中でわかりにくい印象をお持ちの方も多いと思われます。曲が長くなってくると繰り返し記号がどこにあって、どこにワープすれば良いのかが分かりにくくなるからです。譜例のように曲を短く省略した形にしてしまえば本来の繰り返しの奏法が理解しやすくなりますので、ゆっくりと楽譜を眺めて演奏順序を確認してください。では次回もよろしくお願いします🙇‍♀️


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