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明るい色の服が着たくなる矛盾

ここ半年ほど、ずっと無難な色の服ばかり着ている。

トップスはだいたいアイボリーかチャコールグレー。ボトムは一番涼しくて透けなくて動きやすい、ジャージみたいな黒パンツ。スーパーもニトリも近所の病院も、ほとんどこれ。

あんなに服が好きだったのに、今の生活はハリがなく、比例しておしゃれの欠片もない。
自分にもっと似合うお気に入りの服は、本当は鮮やかなブルーやピンクだけれど、少し着ただけで洗濯して傷んでいくのがもったいなくて、ずっと着ていない。

でもそれより、無難な色を選ぶ一番の理由は、どこに行くにも「目立ちたくないから」だった。

これまで会社でたまに感じる程度で、私にはあまりなかった感覚。急にどうしたのか、自意識過剰なのか、さっぱりわからない。もしかしたら、ここが人が少ない町だからか。とにかく他人の視界に極力入りたくないのだ。


それなのに。
昨日の夜、本格的なネガティブの波がきてひとしきり落ちた後、ベッドの上でぼーっとしていたら、突然「派手な服が着たい」と思った。

ああ、これは、アレだ。

昔、心の中が真っ暗だったころ。私はよくカラフルでキラキラしたファッションをしていた。地味で無難な服なんて、見向きもしなかった。そんなんで精神科にもかかっていたのだから、今思えば目立ちすぎで恐ろしい。

だけど数年前、少なからず「うつの時は世界がモノクロに見えるから、派手なものを買いがち」とか「躁状態で着飾りたくなる」現象があることを知り、あぁそうだったのか!と合点がいった。(私の場合は元々の好みもある)

あまりにもネガティブだから見た目だけでも明るくしたい、という感覚はおかしい気もする。落ちている時こそひっそりと、人目を避けたいはずなのに。自分でもこれをうまく説明することができない。

そういえば映画「ガール」でも、どうした、何かあった時いつも派手になるよな、と主人公が言われるシーンがあった。私と一緒かもしれないと強烈に思った記憶がある。そういうタイプ、それでバランスを取ろうとしている、としか言いようがないのかも。

ちなみに、うつヌケの作者さんは、無難な色は探すのが面倒だからという理由だったそう。


うつヌケより



今日は無性に外にも出たくなって、着替えて日焼け止めまで塗ったけれど、結局やめた。お気に入りのカップに、スーパーで買った安いドリップコーヒーを淹れる。意外と美味しいなと思って、どこにも行かなくても今日はこれでいいや、と落ち着く。


明日はいくつか用事がある。
ピンクは無理でも、今の自分なりに派手な装いで出かけようか。楽しい気分になれますように。

#日記 #うつ病 #気分障害