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音野里たより(62)〜菜の花から意識へ〜

3月に入ってはや一週間。
寒の戻りと雨の日が続いている。

それでも、着々と季節は春に向かっている。

畑周辺にはツクシがけっこう立ち始めた。
先日採って食べてみた。ほろ苦い春の味。

春の草が次々に咲き出した。
ホトケノザ、ナズナ、ハコベ、ミミナグサ、オオイヌノフグリ、、

そして、畑もどんどん菜の花畑になってきた。
白菜も小松菜も青梗菜もカブも、みんな菜の花。
そして、まだたくさん残っている大根もとうとう塔が立ち始めた。

それにしても、植物の花芽形成につれて起こる姿の変化は劇的だ。

それまでは、できるだけ葉を大きく広げ自身の成長に努めているが、
「もう限界!次世代に託そう!」と決めてからは、成長はストップ。
全栄養を花芽形成に回すために、葉を小さくし、維管束を強化し、
塔を立て、つぼみを形成する。

無残にも人間の手によって、摘み取られてしまったら、二番手に栄養を
集中させる。それでもダメなら三番手に、と次々に花芽を作っていくのだ。
だから、大根に筋が入って中身がスカスカになっていく〜。

もう採ってしまわないといけない。
でも、毎日食べても、お隣さんに配っても追いつかない。

そこで、毎年この時期は切り干し大根を作っている。
小さく刻んで魚干し網に入れとくだけで、勝手に出来上がる。
売り物よりも味が濃くて美味しくなる。

さらに、今年はたくあんづくりに挑戦しようと思っている。
ただいま大根を干しているところ。
やったことないので、ネットを頼りに見よう見まねでやってみるつもり。

干し方もよく分からないけど、針金を伸ばして固定して、
そこにビニルひもで大根をしばって吊り下げてみた。
今のところ、ちゃんと機能しているみたいだ。

こういう手作業はあまり得意ではないが、やってみるとけっこう面白い。
頭の中でざっと設計図を作り、実際に手を動かしてみる。
思ったようにいかないので、あれこれ工夫する。

あまり意識しなくても、手が勝手に考えてくれるみたいなところがある。
試行錯誤を続けるうちに、だんだん慣れてきて効率よく作れるようになる。

これはいろんな分野について言えるように思う。
楽器の習得も同じだ。うまく弾けなくてもあれこれ試してるうちに、
だんだん手や足が慣れてきて、うまく弾けるようになってくる。

意識しているうちはまだまだダメで、そのうち勝手に体が動くようになると、
演奏がスムーズに進む。

日頃行っている日常茶飯事はそうやって体が勝手にやっているのだろう。
いちいち意識していたら何もできないだろう。

意識は氷山の一角に過ぎないらしい。
水面下ではいったい何が行われているんだろう。
昔から疑問だったけど、この歳になってもまったく分からない。

春の花の話のつもりだったのに、意識の話になってしまった。
書き進めるうちに意識が変わっていったんだろうかねえ〜。

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