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オオトパンの持続可能なパン屋づくり②たっくさんのパンが並ぶパン屋では勝負できない

主婦の手作りパンから始まり、イベント販売、カフェでの間借りパン屋を経て2021年12月にオープンした「パンとドーナツの店 オオトパン」。オープンして半年で30代女性特有の病気が見つかり手術をすることになり、ピンチ!
体力勝負で朝が早く労働時間が長い、などが普通とされているパン屋経営ですが、それではお店は続けられない。
持続可能なパン屋づくりを試行錯誤しながら目指します。

パンとドーナツの製造工程が複雑すぎる

今までは自分がほぼ製造を担っていたパンづくり。
主な工程は、

生地をこねる
発酵させる
成形する
さらに発酵させる
焼く

これだけ書くとシンプルだけど、生地の種類は

食パン生地
フォカッチャ生地
豆乳パン生地
ふすまともち麦生地
ブリオッシュ生地
ドーナツ生地
シナモンロール生地
ホットドッグ生地

この8種類にレーズンやチーズ、胡麻など具材を混ぜたり、焼くときにフィリングを包んだりすることで数種類のパンを作り、全体としては数十種類のパンを作ることをしていた。

さらに飽きられないように季節ごとの新作を作ったりするモンだから、パンの全貌は全て私の頭の中に、状態。
これでは他のスタッフに伝えるにも、ごちゃごちゃしすぎて覚えることも多すぎて難しい。

「たくさんの種類のパンが並ぶのがパン屋」というお客さんの描くパン屋像

そもそも、日本のパン屋さんの提供しているエンターテイメントというものが、「たっくさんのパンが並んでいて、その中から悩みながら選ぶ楽しみ」みたいなものを提供していると思う。
オオトパンに来るお客さんも、「これしかないの?いつだったら揃ってる?」と聞かれる方も多い。100種類以上のパンを焼くパン屋さんもザラだから。そのイメージからしたらオオトパンは、種類は少ないパン屋の部類になると思う。

しかし、種類を増やす=仕込み時間が増える 
人件費も機材費もかかる。廃棄も増える。という現実。とてもじゃないけど私のパン屋の規模では戦えない。

どの業界でもそうだろうけど、極小店舗は、品揃えでの勝負はできない。「ここでしか買えない」というもので勝負しないといけないのだ。

でも、神様は「これで勝負しなさい!」なんて正解を教えてくれない。
唯一教えてくれるのは、足繁く通ってくださるお客さん。「ここのパンとドーナツが好き!」と言ってくれるお客さんの声を聞くしかない。

そして現代文明のありがたさ。レジが売上の統計データを瞬時に出してくれるから、何がどのくらい売れているかを見ることができる。そのデータと睨めっこしながら、自分の店が提供する価値をもっと明確にしていく。

続く。

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