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南弘明先生と南道子先生

昨年五月、山口県の佐合島にお住まいの南弘明先生の元を訪れた。東京藝術大学作曲科在籍中の恩師である(作曲科の教授でいらした)。私が3年生になる時に退官となり、その後しばらく東京と島を行き来されていたようだが今はすっかり島の住人だ。いつか先生のもとを訪ねてみたいという気持ちを持ちつつなかなか実行に移せなかったが、昨年「あ、行こう」と思い立った。

訪問の希望をお伝えすると、先生は乗るべき電車の時間をお知らせくださり、最寄りの駅まで車で迎えに来てくださった。

カッコいいくるま
船を待つ小屋
船で数分、佐合島!

ご自宅で奥様の道子先生(ドイツ語の教授でいらした)にもお会いでき、その日は泊まらせていただいた。どんな話をしたかなぁ。とにかく88歳のお二人の、高潔な空気……を私だけが享受しているのが不思議な感覚だった。道子先生が用意してくださった夕食。鯛を焼いてくださって。「葡萄酒も飲みましょう」と出してくださり、私は禁酒してたのですが……解禁しました。断ることなんて、できない……!!!!

私が大学一年の時、学校に提出した作品が不可となった(留年決定)のですが、そのような話題となり、弘明先生「あれは可哀想だったなぁ」と。当時の先生は「藝大風じゃないけど茜が楽しそうで止められなかった」とおっしゃっていた。ウケる。「止めてくれ…学費が一年分かさむ……」と思ったこともあったけど、それを「止めない」ことこそが、南先生の、凄さだと思う。道子先生が「あら、藝大じゃ不可を貰うくらいじゃないと大物にならないって言うでしょ」とおっしゃった。(お優しい…)。ちなみに近藤譲先生も南先生のもとで不可がついたそうだ。

道子先生のシルクのパジャマ(きもちいい!)をお借りして眠る。

朝。勧められて散歩に行く。熊が出ることがある、と、クマを避けるための音が出る銃のようなものをお借りした。(使わなかった)(試しに鳴らしてみる、だけでも怖かった)

佐合八幡宮。
ベートーヴェンが生きてた頃からいる狛犬
山登り。
山の上から。船が見える。
波の音と鳥の声と自分の足音のみが聴こえる

この日にご用意くださったお昼ご飯も美味しかったなぁ。ドイツのパンと、ローストビーフとサラダと……。恥もなくバクバク食べた……

道子先生のご提案で、島から近い(本土にある)上関シーサイドホテルに3人で泊まる。(その後閉館となったそう)。部屋でのんびりして、温泉に入って。夕食を3人でいただいた。ここでも、なんの話をしただろうなぁ。対話の中身より、空気を共有していることの静かな喜びがあった。源平合戦で平家はこんなところまで落ち延びてきたのだという話だとか。お二人とも元は大学教授でいらして、話題豊富で、聞かせていただくお話が全て面白く興味深いものだった。お二人がドイツに国費留学される時には既にご結婚されていて、ドイツでお子さんが産まれて…近所の方が子守してくれた……などの話はとてもワクワクした。風邪をひいたときに「飲みなさい」と渡された強〜いお酒、の話とか。(飲んだら治ったそうです。)

それぞれの部屋で眠って起きて。
朝食もご一緒して。

そしたらさよならの時間で駅まで車で送ってくださって。
お土産に栗饅頭を持たせてくださって。
見送ってくださいました。

後ろに見えてるのが佐合島


はー、なんであんなに良くしてくださったのだろう!!
私が、まともな、ちゃんとした、
……あのような扱いを受けるほどの価値があるのだと、そう思えるような、そんな……
そんな2泊3日でした。

その後、お礼状をお送りしたり、メールをいただいたり。

メールにて「奔放で個性的なのがあかねのいいところ。大いにやってください」と激励してくださった。

奔放、個性的、
南先生が私を評する時に出してくださる言葉です。


そ、そうなんだ〜!!!!


大いに!

やります♪♪


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そして。
そんなことをTwitterでちらほら書いたりしてた。
そしたらそれを見つけて「南先生と連絡とりたい」とご連絡くださった方がいて。
昨日ご返信して、南先生にご連絡してお返事いただいて。繋がりそう!!!!

ここ、noteはTwitterが不安定になったときに「あんまTwitterで喋ると良くないかな…」と思って書き始めたんだけど……

Twitterに書くのも、いいのかも。

ちょと、様子見ながら。
どちらも、適した感じに、
居られるといいな。


自由で奔放な私が。


最後に、カッコいい道子先生、
見て!!!!

弘明先生の船で。

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