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「BREAKING DOWN」をみながら食う寿司は美味いか?


「BREAKING DOWN」をみながら食う寿司は美味いか?

 年末年始は両親の実家に帰省している。年末は、母方の一人暮らししている祖母(祖父は入院しているがまだ存命中である。初孫なので…)の家でおばあちゃんがはりきって作ったご馳走を食べた後に落ち着いて紅白をみながら年越しを迎える。一方年始は父方の家に行くのだが、祖父母と父の弟の家族の二世帯で住んでいるので、よくいえば生活感があって元気な、悪くいえってしまうとなんとも落ち着かないお正月を過ごしている。
 その中でも、本当に落ち着かないのが、10才年下のいとこが夕飯の最中に「BREAKING DOWN」の動画をテレビで流すことである。しかも、両親も何も咎めず一緒に笑ってみているので、多分日常の風景だと推測される。(誤解されるかもしれないので注釈すると、その家族はバリバリヤンキーとかではなく、おじさんはむしろとんでもなく優しく気が回るかたである。)自分は「BREAKING DOWN」を見ながら夕食をとることを昨年位から経験しているのだが、まっっったくごはんに集中することができない。今年は寿司を注文してくれていたのだが、リビングと酢飯と半グレの乱闘は絶望的に相性が悪く、寿司のおいしさってこんなもんだったか…?と疑ってしまった。食事という行為を楽しむために、なんとかして番組を変えてくれとは思うのが、郷に入っては郷に従えともいうし、たった数日の辛抱ならいいじゃないかと黙ってみている。ちなみに自分の父は案外楽しんでおり、1分間位なら自分でもできるんじゃないかと豪語していた。(金網の中で60秒間マウントをとられ続ける父はみたくない。)その一方で母親はちゃんと引いている。
 元々「BREAKING DOWN」は全くみたことがなく、チャンスの時間の「BREAKING ヤンチャ」というパロディを見て知った位だ。本家を初めてみたとき、パロディで何度も繰り返される「緊張と緩和」の笑いはここが元なのか…と感心した。基本、ヤンキー・半グレが爪痕を残そうとして繰り出す自己紹介ボケなんて寒すぎてまともにみれないが、たまに現場の空気と奇妙に混ざり合ってシュールな笑いを生むこともある。
 「BREAKING DOWN」が好きになれないのは、自分がヤンキー・半グレが大嫌いだからというそのまんま過ぎる理由がある。自分が子供の頃住んでいた地域は、治安がよく不良なんてほとんどいない環境であったが、学校にほんの小数いる不良をずっと嫌悪していた。(別に実害あったわけではないのに)大人になったら大企業の幹部まで昇進して、不良君の職場ごとつぶして路頭に迷わせる妄想をよくしていたし、今でもたまにする。何がこんなに嫌なのだろう。どんなに社会ステータスが上回っていたとしても、一発ぶん殴られたら全て覆される「理不尽な暴力」に怯えているのだろうか。暴力というステータスは自分には決して伸ばすことができないものである。

「BREAKING DOWN」をみながら食うカレーうどんは美味い

 この記事を書くにあたって、動画を何本か視聴してみた。昨日の残りで作ったカレーうどん(カレーは夕食、次の日、朝食と昼食、夕食にカレーうどんで食べることで四食ぶんまかなえるし、最後をうどんのスープにすることで洗い物が楽になるので便利です。)を食べながらみたのだが、一人で「BREAKING DOWN」をみながら食うカレーうどんは意外と美味かった。
 一人で見ていて色々気づいたこともある。年始にみていたときは、なぜこんなにオーディションに時間をかけて肝心の試合は少ししか流さないのかと思っていたが、そもそもYoutubeの動画は対戦カードを決めるという「前座」に過ぎず、本戦はまた別の動画にあったそうだ。
 オーディションもよくみると、社会人の就職面接と大差ないようにみえる。格闘技の経歴があるものはどっしりと構えて対戦相手をゆっくり品定めするが、経歴がない人は少しでも爪痕を残すために格上に噛みつく。履歴がない人ほど虚勢を張らなければいけないのはどの面接でも同じであるが、暴力が蔓延する社会ではその虚勢の張り方も命がけで大変である。彼らも彼らで頑張っていると考えると、犯罪に手を染めていないのなら応援してもいいのかな。
 後、オーディション中に何度も乱闘が始まるが、毎回しっかりボディガードによる仲裁が入る。仲裁が入るのが前提でボコボコにはされないという安心があるから、格上に向かっていけるのではないか?と考えてしまった。この前提が常に成立するなら自分でも喧嘩を売りにいけるのでは…?また、「オーディションに出場し格上に喧嘩を吹っ掛けるも、ボディーガードが一向に来ずボコボコにされる」という設定のコントを思いついた。これでキングオブコントの天下を獲りたい。

ここまで読んでくれてありがとう。なんやかんやで親戚と過ごせて楽しいお正月だった。地震と羽田空港の事故については触れなかったけど、なんとか平穏に暮らしに戻れるよう祈っていきたい。

AI生成による状況再現

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