日本は技術革新を起こせない国になるのか?


先日、定期購読しているまつひろさん(@Matsuhiro)のマガジンに興味深い記事が。

日本がオワコン化して欲しくない私としては、別の原因を考えてみました。

グローバル化によって容易にモノを調達できるようになったが、、

グローバル化が進んだ現在、われわれは安価に早くモノを買えるようになりました。

ビジネスでも製造メーカが他社で作られた製品を購入品として自社製品に組み込みこむ調達が主流です。

企画・開発・製造コストがかからないくて調達するまでのリードタイムが短い点にメリットがあります。

合理的ですよね。

しかし、購入品に関する自社技術のノウハウはゼロになる、製造元がコケると品質保証・転注先などの面でリスクがあります。

実際にあった話として、旧来の保守的な考えを持つ世代とグローバル化に慣れた世代間の現場で起きた主張の違いでも如実に感じました。

新しく装置を作る当たり、「業者から必要な技術を買おう」と主張する若手に対しベテランは「自分たちで作ろう」といってなかなか着地しなかったことがありました。

外部調達という考えは標準化と相性の良いグローバル化の進んだ結果と言えます。

製造拠点を海外工場移し過ぎた

日本国内で継続的に製造しないと、国内の製造プロセスで生まれるモノづくりのカン・コツが育ちません。いずれノウハウが尽きたタイミングで国内でのモノづくりができなくなります。

一方、じゃんじゃん製造する機会を得た国はモノづくりレベルがどんどんアップします。いずれ既存技術の組み合わせでオリジナルのモノづくりができるようになります。

かつて世界の工場と言われていた中国はいまではイノベーションをおこすまでの超大国に返り咲きました。

昔、小学校の時に社会の教科書に載っていた「産業の空洞化」と言われるものです。団塊の世代の引退により、ノウハウを豊富に持つ社員を失った製造現場は多いと思います。それ以降の世代がそれほどモノを作る経験が相対的に少ないのでノウハウもうまく継承できなかったことに原因があります。
実際にモノづくりを行っている現場でなければノウハウは育ちません。

国内製造の労働力を非正規社員のパーセンテージを上げすぎた

消費税がこの7年で5%から10%に変わりました。
社会保険料も以前と比較すると倍くらい上がっています。

これらの影響により、企業は利益確保のために正社員から非正規雇用社員へ労働力を切り替え、コストを下げます。

でも、非正規社員にはタイムリミット(派遣従業員で2年弱)があります。

現場目線での困った点としては、せっかく非正規社員に任せた仕事も、タイムリミットが来たらまた新しい人に任せる必要があります。

また教育して、タイムリミットになって、また教育して、、、の繰り返しです。
現場の人材が安定しないのに、現場サイドの教育を行う負担がずっと付きまといます。

長い目で見れば費用対効果は極めて小さいでしょう。この制度の先に企業の成長性があるようには思えません。
現場がついていけません。

しかも、会社にとってモノづくりのノウハウが蓄積される可能性もかぎりなく低いです。会社の価値向上は非正規社員にとって課題ではありません。

日本のデフレが長過ぎた

極めつけが、失われた30年。いわゆる、長期のデフレです。

私が小学生のころ、駄菓子屋さんで100円も出せば一度のお菓子はある程度買えました。今も当時とほとんど同じ感覚を持っています。

デフレ脱却のために必要なことは以下だと思います。政府にはぜひ進めてもらいたいです。


1.消費税の撤廃
消費税がなくなるとどうなります?
私たちは買い物をいっぱいするようになります。使えるお金が増えますから。消費が進むので企業さんサイドも生産活動を頑張ります。
たくさん売れればその分を作るために設備投資を行うのでお金の循環が良くなります。



2.公共事業の拡大
個人的に道路拡充・ダム建築・橋梁工事をドンドンやれば良いと思っています。
一時期税金の無駄遣いと揶揄されましたが、社会インフラを費用対効果で測ることがそもそも間違いです。道路も電気ガス水のインフラと同じです。あって当たり前。ないと死活問題。問題が起こってからでは遅いんです。
公共投資が進めば関連する資材・重機メーカなどへの売上アップによりお金が回ります。
しかも消費税がなくなればそこで働く従業員のお給料が消費に回るのでお金の循環が良くなります。

小さな政府から大きな政府へ転換して欲しいんです。

私が高校のとき、「不景気の時にニューディール政策公共投資を拡大し景気を回復させた」と社会の教科書に書いてありました。
なぜ日本政府は消費税を上げ続け、公共事業を削減するのでしょうか?

もう一度イノベーションを起こすには?

行政主導による景気の拡大が必要条件です。
そうすると、国民の消費が増え企業は生産性を上げる。

企業はモノづくりのノウハウを蓄積して体力をつけながら、開発費を増やす。この循環を早期に作らない限り、日本にイノベーションは起きません。

デフレ環境下では、試作回数がどうしても少なくなります。
試作回数を増やし、体力を増やすためにはまず景気の拡大(まずは消費税ゼロ)が急務であることを政治の無関心な層にも訴えていきたいです。

再び日本の製造現場には輝いて欲しいと思っています!



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