狩る側のこころえ

薄暗い橙色の街灯がかろうじて照らしているのは、年老いた人間の前に立ちはだかる若者の姿。若者は右手に持つ棒状のもので、すかさず襲いかかる。

しかし、続けて繰り出す攻撃は、老人にかすりもしなかった。


「経験が違うのだよ、若者よ。」

「くそ!金だせよ。くそー!」

「無いよ。」

「うるせえ!金だせ!」

若者は持っていたものを放り、老人に掴みかかる。

「金を持ってる人間とそうじゃない人間の区別くらいつけてから襲え。どうせ襲う相手を人間とも思ってないんだろ。」

「黙れ!なんで一銭ももってねえんだよ!」

「お前がさっき全部持ってったからだよ。」



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