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仲介手数料で損をしたくない方必読!スマートに値切る5つのコツ

「仲介手数料は値切れるって聞いたことがあるけど、実際のところどうなの?」

賃貸契約を結ぶ際に、多くの方が感じる疑問ですよね。

賃貸へ引っ越すとなると、まず最初に大きな負担となるのが敷金、礼金などの初期費用。相場は家賃のおよそ5ヶ月分と言われています。

家賃5ヶ月分の初期費用に引越し代を合わせるとなると、かなりの出費です。できることなら、少しでも安く抑えたいですよね。

結論からいうと、仲介手数料を値下げしてもらうことは可能です。

ただし、むやみやたらと値切るだけでは、まず断られるでしょう。不動産会社もボランティアではありません。値下げをしてもらうためには、相手に納得してもらうだけの根拠が必要なのです。そして契約の時期や、交渉のタイミングによっては値下げが不可能な場合もあるので、事前にしっかりと下調べをする必要があります。

本記事では、引越しの初期費用を少しでも抑えたい方のために、仲介手数料を値切るタイミングや方法をわかりやすく解説しています。

さらには値段交渉をするのは恥ずかしい、という方に向けたアドバイスもありますので、賃貸契約を結ぶ前にぜひこの記事を読んで、値下げ交渉の参考にしてみてください。


監修者情報

印南和行(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者8万人、総視聴回数2100万回を超える(2022年7月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


1、値下げ交渉は入居申し込みの前におこなう

仲介手数料を値切るタイミングは、ズバリ『入居申し込みの前』です。

いったん不動産会社から提示された条件で申込書を提出してしまったら、その後の交渉に応じてもらえる可能性はほとんどないと思ってください。

なぜなら、入居申し込みをしたということは、相手が提示した条件での入居に同意したということだからです。一度納得してもらった条件からさらに値下げをするメリットが、不動産会社にはありません。

1-1、自分でできることはやっておく

しかし、いくらタイミングを見計らったところで、入居申し込みまでにいろいろと不動産会社にお世話になっていると、手間をかけた分手数料の値引きが難しくなることがあります。

はじめから値段交渉をしようと決めている方は、物件は自分で見つけてくるなど、不動産会社の仕事を減らすことで値下げを切り出しやすい状況を作っておくとよいでしょう。

1-2、交渉の前に予算の上限を提示する

「少しでも安くしたいので、とにかく値下げしてください」

多くの人の本音はこれでしょう。
しかし不動産会社からすると、いくら値下げすれば契約をしてくれるのか、そもそも本気で契約するつもりはあるのか分からないため、このままストレートに伝えても値引きが成功する可能性は低いです。

「予算の上限が◯万円なので、仲介手数料を半額にしてもらえたら絶対に契約します」

値切るのであればこのように、あらかじめ予算の上限を伝えましょう。
具体的な数字をあげた方が、不動産会社も値引きが可能かどうか回答しやすいため、スムーズな交渉ができます。

また、希望する物件では値引きが難しい場合でも、条件が近くて値引きができる別の物件を紹介してもらえることもあります。

1-3、契約する意思を伝える

さらに、本気で入居を検討していることを伝えるのも大切なポイントです。

あとひと押しがあれば契約をする、となれば、特に契約件数が少ない時期は融通をきかせてくれる可能性が高まります。

値下げをしてもらえたら必ず契約をするということも、併せてアピールしましょう。

1-4、引越し時期を選べるのであれば、閑散期が狙い目

多くの業種がそうであるように、不動産業界にも繁忙期と閑散期が存在します。

ではこの閑散期が具体的にいつかというと、ズバリ『6〜8月』です。
一般的に、6〜8月は梅雨から夏のもっとも暑い時期にあたるため、あまり引っ越しに向いていないと考えられています。

・6月の雨が多い時期に引っ越しをしたら、荷物が濡れてしまう。
・猛暑の中、引っ越し作業という重労働をおこなうのは辛い。

こういった理由から、1年の中でも特に6〜8月の引っ越しは避けられがちです。
そして引っ越し件数の減少に比例して、賃貸契約件数も同様に減る傾向にあります。

閑散期は物件に対する問い合わせ件数自体が減ってしまうため、この時期は1件でも多く契約をとりたいと考える不動産会社が多いです。また、春に契約が決まらなかった物件の空室を埋めてしまいたい、という事情もあります。

そのため、値段交渉にも比較的応じてもらいやすいのです。

・初期費用を少しでも安く抑えたい
・引っ越し時期の融通が利く

こんな方は、一般的には避けられることの多い6〜8月の閑散期を、ぜひ積極的に狙っていってください。

2、そもそも仲介手数料とは

そもそも、この仲介手数料とはいったいなんなのでしょうか。

仲介手数料とは、敷金・礼金などの大家さんに払うものとは違い、賃貸契約が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬です。その金額は宅地建物取引業法の第46条によると、国土交通大臣が定めることとなっています。

ここでいう『報酬』とは、仲介手数料のことです。
では、具体的にいくらなのでしょうか。

国土交通省の告示によると、下記の金額と定められています。

参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年10月23日建設省告示第1552号) 最終改正 令和元年8月30日国土交通省告示第493号

つまり、賃貸契約が成立した場合、不動産会社は依頼者の双方(大家さんと入居者)合わせて、合計で『最大家賃1ヶ月分(税抜)』を仲介手数料として受け取れるということになっています。

そして上限は家賃1ヶ月分(税抜)ですが、下限は決まっていません。そのため、仲介手数料は交渉次第で値下げが可能なのです。

2-1、仲介手数料が家賃1ヶ月分の場合は交渉の余地あり

仲介手数料の上限は大家さんと入居者双方合わせて、家賃1ヶ月分(税抜)と国土交通省の告示にありました。
実は、告示の後半にさらに重要なことが書かれていましたが、お気づきでしょうか。

『依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、(中略)借賃の1月分の0.55倍に相当する金額以内とする。』

ということはつまり、本来仲介手数料は大家さん・入居者それぞれ0.5ヵ月分(税抜)ずつが支払いの上限金額なのです。

ところが多くの場合、仲介手数料として契約時に家賃の1ヶ月分丸々請求されます。それはなぜかというと、仲介手数料は全額入居者が負担する。というのが通例となっているためです。

しかし0.5ヵ月分(税抜)を超える請求をする場合は、必ず相手の承諾が必要となります。

つまり、入居者の同意なしに、仲介手数料を家賃1ヶ月分(税抜)に値上げして請求することは違法ということです。ここに、交渉の余地が生まれますね。

仲介手数料として家賃0.5ヶ月分(税抜)以上の請求をされたら、まずは先ほどご紹介した国土交通省の告示を根拠に、値下げの交渉をしてみましょう。

ただし、入居者が家賃1ヶ月分(税抜)の仲介手数料の支払いを拒むことができるように、不動産会社も同意を得られない場合は契約を拒む権利があります。

繁忙期など契約件数の多い時期は、「じゃあ貸しません」と契約を断られてしまう場合もあるため、必ずしも希望が通るわけではないということは覚えておきましょう。

3、1〜3月と9〜10月を避けるべき理由

先述のとおり、6〜8月は不動産会社の閑散期のため、値段交渉のオススメ時期です。

しかし1〜3月と9〜10月は、まず間違いなく交渉の余地はないので、この時期に引っ越し先を決めないといけないという方は、仲介手数料の値下げは諦めましょう。

なぜ交渉の余地がないのかというと、1〜3月は進学や就職に向けて、9〜10月は転勤の辞令をうけて引っ越しをする人が増加する、不動産会社の繁忙期だからです。

この時期は入居者募集の物件数が増えるため、条件に合う物件を探しやすいというメリットはあります。
しかし一方で物件の需要も増加するので、初期費用を値上げしても入居者がすぐに決まっていく時期でもあります。

そのため、仲介手数料も通常の倍に値上がりしていたりと、なにかと高くつくので初期費用を抑えたい場合は避けた方がよいでしょう。

3-1、値段交渉が苦手な人は、初めから仲介手数料が安い物件を選ぶ方法も

とはいえ、なにかを値切ることなんて、普通に生活をしているとなかなかないですよね。

どんなに適切なタイミングや言い方を学んでも、勇気がなくて言い出せそうにない、という方もいるでしょう。

値引き交渉が苦手な方は、初めから仲介手数料が家賃の0.5ヶ月分だったり、無料の物件を選ぶのも一つの手です。

・大家さんが仲介手数料を負担してくれる
・不動産会社が所有している自社物件のため、仲介手数料が不要
・不動産会社が管理もおこなう管理物件で、大家さんから支払われる管理手数料など、仲介手数料以外の収入がある

このような物件は、仲介手数料が0円であったり、半額キャンペーンとして家賃の0.5ヶ月分で募集がかけられています。

はじめから仲介手数料が安い分、問題物件であるということではないのでご安心ください。地域によって変わりますが、全国各地の不動産会社で仲介手数料無料の物件を扱っています。

『ご希望の地域名+仲介手数料無料』などで出てくるので、まずは検索してみてください。ただし、中には仲介手数料を無料にする代わりに、敷金・礼金など他の項目を値上げしてマイナスを補填しているケースもありますので、見積もりの詳細は必ずチェックしましょう。

4、まとめ

このように、入居申し込みの時期や交渉を切り出すタイミング、交渉の仕方によっては仲介手数料を値切ることは可能です。

しかし不動産会社の方も同じ人間。
どんなに上手なタイミングで交渉を持ちかけようとも、高圧的であったり失礼な態度をとる人に値引きをしようとは思いません。

仲介手数料が安くなるということは、入居者が支払うはずだった分を大家さんが代わりに負担をするか、不動産会社が受け取る成功報酬を減額してマイナスを補填するというケースがほとんどです。

基本的に仲介手数料を値引きするということは、不動産会社にとってデメリットになるということを念頭におくべきです。

なんとか初期費用を安く抑えたいという思いが強すぎて、強引に値切るというのは逆効果になります。

目先の利益にばかりとらわれずにマナーを守り、相手が不快にならないよう丁寧な交渉を心がけましょう。


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