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12月の火曜日「ナンバーナイン」

 娘の熱も無事に下がり、今週から元気に保育園に行っている。発熱したといってもいたって元気で食欲もあり、家で一緒に遊んでいたりしたのだけれど、不意に疲れた表情を見せたりと、やはり体力的には少しだけしんどそうでもあった。早めに寝ようといってもなかなか寝たがらずにいたものの、いざ布団に入ってしまえばバタンキュー、といった感じ。鼻が詰まって息が苦しそうだったので、鼻水が出やすくする薬を小児科で出してもらった。出やすくなったのは良いのだが、ずっとズルズルしていて、それはそれで辛そうだったので、妻がネットで手動の吸引機を購入。これが思いのほか当たりで、かなり重宝した。妻曰く、今年のベストバイだそうで、確かに気持ち良いくらい吸えた。ふと、僕のベストバイはなんだっただろう、と思い返すけれど別にそんなことはどうだっていい。

 8日はジョンレノンの命日だった。今年は『NOW AND THEN』がリリースされたからか、例年よりその手の記事や投稿なんかをネットで見ることが多かった気がする。例に漏れず、僕もジョン・レノンは好きで、というのも昔は主にUKロックライクな音楽を齧っていたので、ジョン・レノンといえば神様みたな存在だった。特に好きでほとんどの曲をコピーしていたオアシスのギャラガー兄弟なんかはジョン・レノンを崇拝していたので、その影響も少なからずある。ただ僕と同年代の人たちなんかだと、ギリギリ洋楽にそれほど詳しくない人でも、ジョンの名前くらいは知っている人はいたけれど、今の若い人たちは(それこそ音楽というかロックをあまり聞かない人たちは)、あまり知らないのかもしれない。

 世代で言うと当然リアルタイムではないのだけれど、中学生のころに『ビートルズ1』というベストアルバムが発売されて、それなりに話題になった。なぜか久米宏のニュースステーションという番組で連日、ミュージックビデオを流していたりした。僕も背伸びをして、テレビの前でビデオの録画ボタンに指を添えて流れるのを待っていた。オアシスを聞くようになってから、ジョン・レノンを聴き始めたわけではなく、日テレのドラマで『世紀末の詩』という竹野内豊と山崎努が主演のドラマがあり、主題歌と挿入歌が『Love』と『Stand by me(ベン・E・キングのカバー)』だった。ドラマと共に曲も気に入ってた僕は近所のツタヤにCDを買いに行った。どれを買えば良いのか判らなかったけれど、偶然『LENNON LEGEND』というベストアルバムを見つけて、それを買った。輸入盤だったので二千円もしなかったのも良い。確か買って帰ったあと、母にそれとなく伝えると、他人のカバーとかインスト(オルゴールアレンジ的な?)なんじゃない? と値段のこともあり言われて不安になったが、恐る恐るプレイヤーにセットして再生してみると、無事に本人の歌声が流れてきて安心した。しかし、安物の偽物かもしれない、とはどういう発想なのだろうと、子供心に思ったけれど、昔は高速のサービスエリアなどで、そういった一見すると本人のものだけど違うパチモンのテープが売られていたとのことで、良くも悪くも大らかな時代だったのだな、と中学生なりに思った。

 好きな曲を強いて挙げるならば、『ジェラス・ガイ』だ。ビートルズ時代なら、『ディア・プルーデンス』だろうか。やっぱり声が好きだ。個人的な感覚だけれど、コーラスとフランジャーを薄くかけたような。これはジョンが自身のボーカルをダブルでレコーディングしていたのもあると思うけれど。でも本人は自分の声にコンプレクスがあったとも言われている。

 ジョンの誕生日は10/9で本人も9という数字には思い入れがあったらしい。だからなのか、コアなファンの間ではジョンの命日は12/8ではなく12/9ということになっているとかいないとか。本当は判っているけれど、好んで使う間違いみたいなもの、わりと好きだったりもする。なんとなく『意志』みたいなものの存在が感じられるから。

 そういえば僕のモノモライもようやく良くなってきた。なんやかんやで十日くらいかかった。まだ少しだけ違和感があるものの、ほぼ治ったといっても良いだろう。良かった良かった。

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