血圧測定の革命が目前に迫っている理由。腕を通す血圧計は10年後には時代遅れ・・・かも?
ハイライト
・血圧測定はスマホでやる時代がすぐそこに来ている。
・腕を通す必要はなくなるかも。
血圧測定のたびに腕を差し出す必要はもうなくなるでしょう。
病院に行く度に測られる血圧。その度に腕まくりをして、腕を差し出して・・・そんな面倒なことをする時代は終わりを迎えようとしています。
血圧測定は、なぜそんなにも重要視されるのか?
健康診断などで病院に行くと必ずと言っていいほど測られるのが血圧。血液の循環は、私たちにとって生命線です。酸素と栄養素を心臓から各臓器に贈ることが出来なければ、私たちは死んでしまいます。
血圧が低ければ、循環が滞り、ショックや立ち眩みの原因となります。
逆に、血圧が高すぎれば、血管にダメージが蓄積し、最終的には血管が破れます。大動脈解離や脳卒中、心筋梗塞や狭心症、認知症など、本当にたくさんの病気の原因になります。
血圧コントロールの重要性が判明し、最初の高血圧治療薬レセルピンが発売された1954年から現在に至るまで、様々な治療薬が開発・使用されてきました。
それによって1950年代からは、日本人の死因1位だった、脳血管疾患による死亡率はぐんぐんと下がっていきました。
血圧コントロールは、日本人の死亡を防ぐ為に最重要の検査値なのです。
したがって病院に行ったら、まず血圧を測られるというのは当然です。重要なので。
普通の血圧計ってこんな感じのやつじゃない?
家で測るタイプの血圧計と言ったら、腕に巻いてスイッチを押すだけの、このタイプがポピュラーですよね。病院で測るときは据え置き式の、腕を通すタイプが多いかと思います。あとは、聴診器みたいなのを当てて、医師が直接音を聞くタイプのものもあります。
どの血圧計も仕組みはだいたい同じです。
https://www.igaku.co.jp/pdf/1402_heart-03.pdfより引用
血流をいったん止めて、血流が再開した時に発生する音と、音の消失を読み取るというのが、基本的な血圧系の仕組みです。
今回紹介する、革命的な血圧系は全く違うシステムを使います。
腕にいちいち巻いたり、音がどうこうなんて、全く関係ないんです。
革命的な血圧測定法とは?
画像を見てもらうと、一番イメージが湧くと思います。
これ、何をやってるかというと
・スマホのカメラを使って顔の血流変化を読み取る
・血圧が分かる
という、言葉にするとめっちゃシンプルな機能を持ったシステム。でも、一体どうやってそんなん分かるんだ???というと、今話題のAIを使った画像解析のたまものなのです。
新しい血圧測定の、優れた血圧測定率とは!?
この研究を発表したのは杭州師範大学という中国の大学研究チーム。アリババの創業者:ジャック・マーの出身校としても有名な大学です。
チームが2019年8月6日に発表した論文によると、
”腕にごちゃごちゃ巻くのはジャマ。ナンセンスでしょ。”
”スマホで測れたら便利でしょ”
彼らは、単純だけど難しそうな課題にディープラーニングを用いたAI学習によって切り込みました。
・1328人の血圧と顔の映像データを組み合わせて収集
・データセットの70%を学習に利用
・15%を性能テストに利用
・15%をモデルのパフォーマンス検証に利用
これらのデータと学習によって得られたソフトにより、血圧を極めて正確に測定することが出来ました。その正確性は、臨床的な基準(5±8mmHg)に十分適合するレベルです。
ただし、今回の研究の被験者は正常血圧のヒトだけだったので、これからは高血圧・低血圧も高い精度で測定できるのかをテストしていくという事でした。
とはいえ、
”スマホだけで臨床基準を満たす血圧測定がもうできるようになっている”という事実は余りにも強力です。低血圧や高血圧の被験者を集めるのは大変でしょうから、今回の研究ではテストできなかったようですが、スマホのカメラは進化していくでしょうし、回線の問題も5Gによりどんどん改善していくでしょう。
おそらく、血圧はスマホで測る時代が目前に迫っています。だって便利ですから。スマホは誰でも持っていますし、わざわざ腕に余計なものを巻いたりする必要もないですし、いつでもどこでも測定が可能です。
近い未来、血圧測定の時に腕に余計な物を巻く時代は終焉を迎えるでしょう。
----- おしまい -----
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引用
Luo, Hong, et al. "Smartphone-based blood pressure measurement using transdermal optical imaging technology." Circulation: Cardiovascular Imaging 12.8 (2019): e008857.
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