愛する人と手をつなぐと、痛みを減殺できるという話。
恋人と手をつないだ時。
お母さんと手をつないだ時。
子どもと手をつないだ時。
温もりが伝わって、なんだかホッとした気持ちになります。子どもが何かに成功したとき、転んでしまったとき、温もりを求めてタッチをするのは、多くの家族が経験する体験です。
実際、手と手のぬくもりはなんだか優しくて、気持ちを楽にしてくれますよね。
それを”愛のチカラ”とか言ってしまうと、何の根拠もない、薄っぺらな妄言だと思うと思います。
でも、”愛する人に触れることで、私たちの気持ちが救われる”ということが、すでに神経科学・心理学的に示されています。
今、科学は愛情のこもった触れ合いが、感情だけでなく、身体的な癒しのチカラを本当に持っているかもしれないということが示されつつあるのです。
今回は、私らしく研究をベースにした上で、愛する人に触れることが私たちをどう変えるのか?ということを検証してみたいと思います。
愛する人と手を繋ぐと、痛みが減殺される。
2016年のJournal of Pain誌にて発表された研究ではある研究が行われました。
1.女性をAとBのグループに分け、痛みを与えます。
2.Aグループには恋人に手を握っていてもらいます。
3.Bグループには見知らぬ男性に手を握ってもらいます。
4.痛みのレベルを測定します。
すると、恋人が手を握っていたAグループの人達は、Bグループの人たちに比べて、痛みが軽減したのです。
さらに、Aグループの人の中でも、パートナーと女性の共感レベルが高い人ほど痛みを抑える効果が高いことがわかっています。誤解を恐れずシンプルに言うと、”心が繋がっているカップルほど、痛みが軽減される”ということです。
このように、実験的にも手を繋ぐことは無意味ではないことが示されています。もっと詳しく調べた研究もあります。
愛する人と手を繋ぐと、脳がコネクトされる!?
2018年にイスラエルのハイファ大学のチームにより行われた研究では、愛するカップルに手を繋いでもらった上で、1人に痛みを与えると、もう1人の脳にどのような変化を及ぼすのか?がテストされました。
一見残酷な実験だなぁ...と私も思うのですが、その結果興味深いことがわかっています。
痛みを与えた人の脳波と、手を繋いだだけのパートナーの脳波がシンクロして、同じ場所・同じパターンで興奮していたのです。
先ほどの実験と同じように、2人の脳のシンクロニシティが高ければ高いほど、痛みが軽減していることが示されています。
この結果は、手を繋ぐだけで、私たちの感情が共有されるということを強く示しています。感覚的ではなく、脳波というごまかせない数値で、それが証明されているのがこの研究の素晴らしい点です。
私たちはひとりじゃない。
私たちは”個人”だ。と主張してくるニュースや著名人の本はたくさんあります。他人を助けてもいいことはない。自分だけが良ければ...そんな意見は珍しいものではなくなりました。
でも、私たちは、自分の好きな人と幸せになれるようになっています。たぶん、昔から。
自分とほかの人との区切りは、物理的な区切りよりももっとあいまいなのかもしれません。だって、手を繋ぐだけで痛みをシェアして、減らすことができるのですから。
自分の大切なヒトと、幸せに生きる。その、ごく自然なことが私たちを支える最も大切なコトなのかな・・・?と思いました。
さぁ、手を、つなぎましょう。
カサカサの手じゃなくて、しっとりした手で!(笑)
ーーーーー おしまい ーーーーー
このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。
それ、もう根拠あるよ?
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引用
Goldstein, Pavel, et al. "Empathy predicts an experimental pain reduction during touch." The Journal of Pain 17.10 (2016): 1049-1057.
Goldstein, Pavel, et al. "Brain-to-brain coupling during handholding is associated with pain reduction." Proceedings of the national academy of sciences 115.11 (2018): E2528-E2537.
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