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【質問箱】他の診療科を紹介してくれない

私が代表を務める卵巣がん体験者の会スマイリーでは匿名で質問をしたい方のために「質問箱」を設置しています。
質問についての回答はスマイリーのTwitterやYouTubeチャンネルやnoteで回答していきます。
今日の質問と回答は以下のとおりです。

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回答します

はじめまして。
質問箱にご質問いただきありがとうございます。スマイリーの片木です。
まずはベバシズマブまで治療完遂お疲れ様でした!
パクリタキセルとカルボプラチン併用療法をしたあとにさらに1年のベバシズマブ単剤を続けるのは通院の負担や金銭的な負担、心理的な負担も大きいと思います。ましてやこのご時世に病院に頻繁にいかねばならないことは緊張も強いられます。
そんななかCTで胆石が見つかったこと。
それだけでもショックであったろうに自分で診療してくれる病院を見つけてなんて言われると突き放されたような気持ちになりますね。

いくつか考えられる原因はあります

今回は主治医の言葉足らずが悪いと私は思っています。
同じ石巻赤十字病院のなかに胆石の診療ができる医師も手術をする設備もあるのに他の病院を探すように指示するのであればその理由を説明するべきです。

例えば
・石巻赤十字病院のその専門の医師が毎日いるわけではないから、外の病院でまず手術が適当かどうかなどきっちりみてもらうほうがいいと思う。
・石巻赤十字病院での院内紹介はこういう条件があるため紹介することができないので一度よその病院を受診してもらいたい。
などです。

さらにいえば、よその病院を受診して欲しいとした際に質問者さんが対象となる病院を知らない・あてがないのであれば医療連携室などに主治医が繋いであげればいいのに・・・とこういう相談がくるたびに思います。
(つまりこういうご相談は質問者さんだけではありません)

「あぁ、そういうルールなら仕方がないな」と思えるかもしれませんし、病院の仕組みでならば院内の経営方針にイラッとしたとしても主治医への残念感は減るのになぁと思わずにはいられません。
これらの説明に30秒はかからないと思うのですがなぜ言わないのかといつもため息をつきます。

さて、私は都内の赤十字病院で卵巣がんの経過観察をしています。
2018年に婦人科で行った血液検査の結果で内分泌系の問題が多数見つかり内分泌科を受診したほうがよいとなりました。
私が住んでいる地域では3キロ圏内くらいに大きな大学病院もあるにはありますが、赤十字病院は大学病院よりも駅から近く地域の診療の中枢ですので多くの患者さんが受診しています。
今日血液検査の異常が見つかったからといって緊急的な要因がないのであればその日のうちに内分泌科の受診は難しいといわれました。

婦人科も基本的には予約制ですし内分泌科も同様です。
他の病院からの紹介も基本的には一度病院にお電話をしていただいたり、他の病院にある地域医療連携室から予約をとってもらう形での受診になります。
今回は血液検査はガッタガタだけどそれが原因で今日明日具合が悪くなるものでもないということで、婦人科の外来受付の事務員さんから内分泌科の事務員さんに電話してもらい予約をとってもらうということになりました。
結果、2週間ちょい空きがないということで時間はかかったけど内分泌科を受診することができました。

何が言いたいのかというと、院内紹介では時間がかかる可能性もあり主治医が外の病院を探すほうが良いと判断した可能性もあるのかなと。
でもそれなら事情を説明をしないといけませんよね。

あとは、主治医が院内紹介の仕方を知らない(さすがにそれはないと思いたい)、主治医が外科とあまり付き合いがないため紹介するのが嫌だった(地域のお医者さんからまた赤十字に紹介されたらバレるからそれもないと思いたい)・・・・ただ、一番考えられるのは、それほど胆石の状況が酷くないと判断して「よその病院のほうが早く治療できるんじゃないかな」と単純に思ったんじゃないかなと思うのです。
でもいずれにしても説明不足すぎます。
質問者さんが病院名を出してでも言いたい理由はわかります!

また手術のショック

卵巣がんの治療が終わっても(治療中でも)別の病気が見つかることは少なくありません。
スマイリーの相談でも胆石の相談を数件いただいています。
がんになって食事や運動を気をつけてくださっている方も多いのですが、食事で卵巣がんの再発を予防する方法はまだ見つかっていません(市販されている書籍にそのように書いてある本があると聞いていますがそう断言するならインチキだと思います)。

一方で、再発がないことを祈りますが、万が一にも再びがんと向き合わねばならないときに「(コントロールできない)糖尿」「(コントロールできない)高血圧」などが原因で治療の選択肢が狭まってしまう患者さんがおられます。
例えば局所再発で場合によっては手術ができるのに肥満や糖尿で手術ができないとか、抗がん剤治療でもアバスチンなどは降圧剤を飲んでも血圧のコントロールができない場合は使えないです。

さらにいえばがん治療は体力を消耗しますよね。
体力が削られれば気力も削られ治療を頑張る気持ちが折れてしまいます。
なのでバランスの良い食生活を心がけること、適度な運動をし体力を向上することは大切だと思うのでこれからも続けてください。

胆石が治療終了からの短い間に急激に大きくなったのか、治療前からあったのかはわかりませんが、卵巣がんで経過観察に通っていたから痛くなる前に見つかったと前向きに思える日がくると良いなと思います。
人間は長く生きていると思いも寄らない病気になることがあります。
もちろんその病気の一部は本人の不摂生なども関連してくることがありますが、残念ながらどんなに体調を気をつけていても避けることができない病気もあります。
そういうことはわかっていても落ち込みますよね。
私もいま治療をしている持病がわかったときにものすごく落ち込みましたからお気持ちがわかるような気がします。というか、また痛いのかと思うだけで嫌ですよね・・・私も太もも切って腎臓までカテーテル入れてどうのこうのって説明をうけたときに心の中は真っ暗でしたもの。

どうか胆石の手術があまり傷が大きくなく、そして順調に終了し回復されることを祈っています。

話は逸れますが

義母が石巻出身ということで震災前に石巻に住んでいる義祖母に会いにいくことがありました。日和山や祖母の家に近い駅前など散策しました。
震災以降はご縁があり石巻赤十字病院に何度かお仕事で伺わせていただいています。
腫瘍内科の先生や臨床試験コーディネーターのみなさん、看護師さんもとても熱心に講演を聞いてくださったし、病院の職員向けの勉強会ではありましたが患者さん達も何人か入ってくださり開かれた病院だなぁという印象を持ちました。
仙台からバスでイオン経由でいったことも、仙台からライナーのって蛇田駅から歩いたこともありますが、ちょっと遠い石巻赤十字病院。
実は祖母も病気の治療でお世話になりました。
(残念ながら祖母の家は震災で天井まで水があがり今は更地になっています。)

まとめ

別の病気が発見された時に他の診療科に回すことは可能である(と思う)。
ただし、緊急でない場合は予約が必要でありその日に診てもらうことや希望日に予約を入れることは難しいかもしれない。
病院の事情や医療背景により外部の医療機関をまず受診して欲しいと主治医が思ったのかもしれないが説明が足りずに不快感を産んでしまった。
場合によっては次の診察の時に「結局病院探してよそ行ったのに結果日赤で手術してって返されたんですけど」「それなら婦人科から回して貰えばよかったけどなんかよそにいかないといけない理由あったんですか?」と聞いてみてもいいかもしれません。

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