飯田線秘境駅巡り備忘録
忘れないうちに書こうと思ってたら2ヶ月経っちゃったよ、、、(現在10月)
秘境駅の宝庫、飯田線の秘境駅巡りに8月末に行ってきました。その備忘録です。
①事前準備
飯田線、愛知県豊橋市から長野県上伊那郡辰野町までを繋ぐ全長195kmに及ぶクソデカJR線です。
愛知から長野まで進みますので、途中で静岡まで挟み3県を移動することになります。
各所で住宅地が広がる地域を通るため、その地域の方にはとても大切な路線ではありますが、そんな地域はほんの少しです。
飯田線の多くの道は、山道をひたすら進んでいきます。1日乗車率5人以下の駅が大量にあります。
こんな飯田線、秘境駅と呼ばれるような駅には普通列車ですら止まらない場合もあり、秘境駅だけを巡っていくには分単位のスケジューリングが必要です。
これ、飯田線の秘境駅巡りスケジュールが、色んなパターン別に載ってるんです(神)
購入した時は別に飯田線のこと関係なく購入したのですが、そのスケジュールを見た時に「1泊2日でも割と行きたい秘境駅に行けるんじゃないか」と思い、実行に移すことになりました。
こちらに書いてあるスケジュールはダイヤ改前のものだった為、この本に乗ってるモデルコースから今のダイヤに照らし合わせて自分のコースを作成しました。
結果以下のようなコースになりました。
豊橋駅から始発で秘境駅7駅コース!(その日中に大阪に帰る!)
※後述しますが、ラストの田本駅は今回諦めて行きませんでしたので、無事行けたのは田本駅除いた6駅です。
時刻表が手元にある方は時刻表を持っていくのがいいですが、ない方は絶対メモにして持っていった方がいい。
万が一の時にスマホが使えないと詰むので、バッテリーを無駄に使えない+いっぱい写真を撮る、と考えると
無駄に色々スマホを使って時間を確認したり調べるのはあまり良くないです。手書きの自分のメモを見ながら移動するのがいいと思います。
②前泊(豊橋)
自分の考えたルートで行くためには、豊橋駅朝6時の始発にのらなければなりません。
大阪から当日行くなんて不可能なので、豊橋駅付近で前泊しました。
最初は、豊橋駅に到着したら青春18きっぷを購入して挑もうと考えていたのですが、
青春18きっぷの買い方を確認してる最中になんかとんでもない切符を見つけてしまったのでそっちを購入しました。
JR東海 青空フリーパスです。
これ、結構な東海エリアの普通列車を1日2620円で回れます。
飯田線巡回だけではなく、岐阜や三重など観光地で行くようなところも行きたい放題でなんなら滋賀県米原から乗れます。(土日限定)
この切符は年中使うことが出来るため、青春18きっぷ期間の人が多いタイミングを避けて使えるのもいいポイントです。
土日に飯田線回る方はコスパいいのでお勧めいたします。
切符を買い、ホテルチェックインしてから向かったのは
餃子で有名な赤のれん🥟
カウンター10席くらいしかなく、1人で黙々食べられている方や友達同僚と楽しんでる人と大賑わいでした。
ちなみにメニューは餃子と飲み物しかありません。注文したものは秒で出てきます。
この餃子、まじで皮がモチモチで唯一無二!!美味すぎる!!
そんで餃子に合わせるビールめっちゃ美味しい🍺 とにかく酒が進む進む〜!
ビールおかわりしながら黙々と1人で餃子を食べるまじで最高な夜でした。
明日は頑張って起きるぞーーとパワーを貯めてしっかり寝ました。
③豊橋駅出発
朝5時、寝坊することなく起床🌞
あんまり寝れなかったけど、まあ電車の中でいっぱい寝れるでしょう。
秘境駅巡りの身だしなみですが、フジファブリックのグッズTとジーパン、NIKEAIRみたいなどこのフェスコーデ?で行ってしまいました。
そこまで山奥ではない秘境駅や、1個か2個くらいしか秘境駅巡らない場合はこんなラフ格好でいいです。
飯田線みたいな、秘境駅何個も行くような人間はもっともっといい服着てください。軽登山みたいな。
私は大丈夫だったけど、ヒルに噛まれてる観光客も見ました。ちゃんと肌は覆い隠そう。
そして持ち物は以下の通り⬇️
○タオル
(夏場なら絶対大事)
○帽子
(絶対いる。屋根ないとこいっぱい歩く)
○アームカバー
(虫刺され防止で必須)
○500mlの水2本
(飲料用と怪我など緊急用)
○菓子パン・ウィダー
(常温保管でき、ゴミの少ない食物)
○ルートを書いた手書きメモ
(これないと詰む)
○本
(移動が長すぎるのでその間の暇つぶし)
あとは手持ちの扇風機とかモバイルバッテリー、財布など常識的な荷物を入れていきました。
そして出発です。
中井侍駅、まずは約2時間の電車旅です。
途中までは豊橋駅付近のため、人の乗り降りが結構多く、学生や会社員など色んな方が出入りしていました。
しかし、山に入っていくと雰囲気が随分変わってきます。
普段使いしている人はあまり見かけなくなり、登山やハイキングの方、温泉地を目指している観光客、飯田線完全走破を目指す鉄オタ(片道約7時間かかります)、、、そんな感じの車内のため、外の景色でいい所があればみんな席を移動して写真を撮ったり、有名な駅があればみんなザワザワし始めます。
飯田線は車掌さんの動きがとても面白かったです。ほとんどの駅が無人駅のため、電車内できっぷ購入などの手続きをする必要があります。
しかし、駅間の時間が短いため、車内を巡回することもままならず、駅到着後ホームをダッシュして降りられる方にお声がけしたりきっぷの手続きをしておられます。
めちゃくちゃ大変そうでした。
④中井侍駅(長野県下伊那郡天龍村)
着きました。中井侍駅です。
隣が小和田駅で、小和田駅があまりにも秘境駅で有名なため影に隠れがちな駅ですが、秘境駅ランキング10位という全国的に見てもかなりレベルが高い秘境駅のようです。
YouTubeで小和田駅から中井侍駅まで徒歩で行った動画を見ましたが、あれは凡人には真似できません。
私と一緒に降りたのが1組居ましたが、既に鉄オタ?秘境駅好き?が1人来ていました。みんな観光目的のようです。
(というか始発で乗ったのに既に人がいるってどういうこと、、、?反対方向から来た方が早かったのか、、、はたまた駅泊?)
2件のお家以外何もない場所ですが、頑張って頑張って車の通れない坂道を登るとやっと茶畑の集落が見えます。
ここの茶畑で作られているお茶は高級ブランドやぶきた茶だそうです。ここに住んでる人はどうやって生活してるんだろう?
とりあえず晴れててよかった。
⑤小和田駅(浜松市天竜区)
中井侍駅から電車で5分。短い旅でした。
小和田駅、これを抜きにして飯田線は語れません。
秘境中の秘境。車で到達は不可能で、唯一の登山道も橋が落ちた結果、今では歩いて向かうことも出来ません。
近くに家がありますが、全て空き家で人の気配が感じられません。
といっても秘境駅として有名になってしまい、観光地化して割と人がいます。普段使いしてる人は居ないでしょうけど、、、
私と一緒におりたのは中井侍駅に既に居た1人でした。
そして既に登山の格好で探索していた夫婦が居ました。
秘境駅には必ずといって良いほど置いてある駅ノート、小和田駅にももちろんあります。
ただ、めっちゃ冊数多い!
それだけ多くの人がやってくる、愛されてる駅なんだな〜と感じることが出来ます。
駅ノート見るの好きで、色んな人のコメントを電車待ってる間に眺めています。
何故かこれは、(小和田駅限らず)駅ノートあるあるだと思うんですが、割とどのページも変なコメント多くて治安悪めです。
ただ、その中でも「この人こんなルートで来たんだ!凄いなー」とか「この人何回来てんの?」みたいな面白い人もいて結構これが楽しいです。
もっと下っていくと空き家があり、以降は山道につづいていきます。
道自体はコンクリで固められているため歩きやすいですが、徐々に駅から遠ざかると小枝や枯葉の落下が多くて、スニーカーで歩いてると滑るんじゃないかという不安が押し寄せてきます。
細い道で私より前に来ていた夫婦とすれ違いの挨拶をして暫く歩いてましたが、流石の道にスニーカーはマズいと思い、途中で引き返しました。
あと、まじでこの駅、ヒルがいるから気をつけた方がいい!私みたいな軽装でよく噛まれなかったなと思ってます。
⑥相月駅(浜松市天竜区)
電車に揺られて22分。相月駅に着きました。
遂にここで駅に降り立った人も既にいる人も0人となりました!たった1人の秘境駅です。
実は参考にした本を読むまで、相月駅の存在を知りませんでした。秘境駅といっても、普通に人が住んでる家もチラホラあるし、駅の目の前を通る県道は割と交通量多めです。バスでも行けます。
しかし一日の乗車人数は約7人しかいません。駅自体もトンネルとトンネルに挟まれ、ホームから線路を眺めると、ほんとに次の電車が来るのか不安になります。
駅から県道に繋がる長い階段を降りたら、公衆トイレがあります。
ネット情報曰く、結構綺麗なトイレと言われていたので、せっかくなら使おうと思ってましたが、虫が多そうで断念しました。
この相月駅で10時を超えてきたので、段々暑くなって汗が凄いことになってきてた。
⑦千代駅(長野県飯田市)
相月駅から1時間くらいかけて北上し、また長野県に入ってきました。
千代駅。秘境駅ランキング20位で、結構ちゃんと秘境駅です。ここでも降りたのは私1人だけでした。
ちなみに、今回のルートでは1番この駅が豊橋駅から遠い駅でした。それ以外のこれから回る駅は全て車窓からの様子は確認しました。
駅の近くの家は1件しかないですが、駅裏の坂を登っていくとちゃんとした住宅地があります。
これまでの駅では私以外にも降りられる人がいたり、遠くから車の音や工事の音が聞こえたりしていたのですが、ここに来て「虫の鳴く音」と「自分の手持ち扇風機」の音のみになりました。とても整備されて綺麗な駅なのに人の気配が感じられない、日々の生活からは全く離れた場に来てしまったんだな、、、と実感しました。
駅から二手に道が分かれています。
1個は車で通れない道幅の坂道(私有地のため通れない)、もう一個はギリ車で通れるけど側道が壊れてて車で行くにはだいぶ恐ろしい道です。
ただこの駅、ほかの秘境駅とは違い、10分程度歩いていくと普通の集落があります。
近くに高速道路のインターがあり、車での移動も容易にできそうな様子です。
「駅近いけど、電車は2時間に1本しか来ないし高速も近いから車で過ごそう〜🚗」となった結果、秘境駅と呼ばれるくらい誰も使わない駅となってしまったのでは無いかと思います。
千代駅の近くの集落をぶらぶらしてると、しっかりお2人その町で暮らしてる方にお会いしました。私的には「秘境駅沿いで地元の人に会うなんて!」というびっくりの気持ちでしたが、地元の方も「駅からやってくる人がいるなんて!」という感じだったのかもしれません。
⑧為栗駅(長野県下伊那郡天龍村)
為栗駅到着しました。千代駅から25分です。
難読駅名の一つです。降りたのは私1人だけでした。
これは公道から為栗駅に繋がる唯一の橋、天竜橋です。しかし、2輪以外の自動車通行止めのため、実質車で向かうのは不可能な駅です。
大熱唱しながら橋に向かって歩いている時に、天竜橋で写真を撮ってた観光客に気が付きました。凄い恥ずかしかったです。
橋を渡った先には、車も通りやすそうな道が続いていますが、ほんとに車が通ってる場所や飲食店がある場所まで移動しようと思うと駅から20分くらい歩かなければなりません。
流石に往復40分出来るほどの滞在時間を設けて無かったので、そこまでは行けませんでしたが、天竜川と天竜橋のとても綺麗な景色が見れたのでとても楽しかったです。
⑨金野駅(長野県飯田市)
為栗駅から22分で金野駅に到着しました。
千代駅のお隣の駅まで戻ってきました。
ちなみに金野駅の駅名標に触れると金運がアップするそうですが、その情報を知らなかった私は触ることなく立ち去ってしまいました。残念
金野駅も飯田線の代表する秘境駅の一つです。小和田駅同様、駅の近くに一切家がありません。
小和田駅が人が歩けるレベルの道しか繋がってなかったですが、金野駅は軽自動車が走れるくらいの車道が繋がってるので、一応車での到達も可能です(ガードレールないところがあるので、運転技術に自信のある方しか難しいです)
駅のすぐ隣には開けた土地があります。以前は駐輪場があったそうですが取り壊され、ただ無の空間が広がっています。
その空間を通り過ぎると、一応車道が続いています。金野駅滞在は1時間以上になる予定だったため、行けるところまで車道を進むことにしました。
緑が綺麗な道をずっと進んでいきますが、暫く歩いても人がいる気配が全くしません。時間は14時半、リュックを持って一生懸命歩いていましたが、流石に体力の限界が見えてきました。
この辺で、次行く予定だった田本駅の断念を決意しました。凄く行きたい駅でしたが、田本駅では1時間半くらいの滞在時間が発生するため、私の今の体力じゃもう無理だと思いました。
とりあえず今ある体力で金野駅周辺を探索していくことにしました。
歩いて見えたのがキャンプ場でした。ここまで来てやっと、人気のある建物にたどり着くことが出来ました。
また、そこから進んでいくと、いくつかお家も見えてきます。ちゃんと人が住んでおり生活しています。
軽自動車しか通らない道で、駅までの道のりも過酷な中、この土地に住む・この土地でキャンプ場を経営するということは、私がちょっと来ただけでは分からない金野の魅力があるからなのかもしれないです。
金野駅を立ち去った後、直ぐに土砂降りの雨となりました。これは田本駅行かなくて良かった〜と本気で思いました。
3時間かけて、遂に豊橋駅まで戻ってきました。
その後新幹線に乗って大阪まで帰りました。
新幹線の中では味噌カツの駅弁を食べながら一番搾り飲んでました。よく動いた後のビールはやっぱり最高です。
私がビール飲み始めてしばらくした後、隣の席に座っていたお兄さんが車内販売で一番搾り買ってました。なんかすみません、、、
⑩飯田線秘境駅巡りを終えて
飯田線、始発から夜18時頃まで乗り通しましたが、それだけでは足りないくらい楽しかったです!
私がまだまだ見れてなかったり断念した秘境駅、秘境駅じゃなくても温泉街や山奥ならではの街並みまで、どんな駅で降りても楽しかったように思います。
なぜ、そもそも飯田線がこんなに秘境駅が多いかというと、大きく2つ理由があります。
まず1個目、多くの住民の移動経路として作られた鉄道のため、駅の量が膨大になった為です。JRや国鉄はそんなに駅を作っても管理が難しいため、膨大に駅を作ることはありません。
しかし、以前は複数の私鉄が飯田線エリアを管理していました。私鉄だと管理する範囲がそもそも少ないため、駅をいっぱい増やしても管理が容易だったのです。
駅がいっぱいあるということは、必然的に駅1つにあたり使用する人が少なくなってしまいます。
2つ目、ダムの建設です。以前は飯田線の秘境駅エリアも多くの人が住んでいました。
しかし平岡ダム建設にあたり、多くの集落が水没したため、住民は飯田線沿いの地域から離れることになりました。
そのため、飯田線の駅だけが残り、人がいない、道がない、誰が使うか分からない秘境駅が出来てしまいました。
走ってる便も少ない中、一日で全部回るにはかなり過酷な旅でしたが、どの駅を魅力的でもっかい行きたいな〜と思わされるばかりでした!
また、飯田線旅再チャレンジしてきます✋
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