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リニアモーターカーは、1990年から営業運転してる?

2022年は、日本初の鉄道が開業してから150年の節目を迎える年。それはさておき、リニアモーターカーというと、JR東海が建設中の「リニア中央新幹線」や、2005年に開催された「愛・地球博」の会場アクセス路線として建設された「愛知高速交通・東部丘陵線(リニモ)」など、車両が浮上して走行する鉄道のイメージが強いが、リニアメトロは浮上走行をしない。

1990年3月20日に、「国際花と緑の博覧会」の会場アクセスを担うため、京橋~鶴見緑地間に大阪市営地下鉄・鶴見緑地線が開業。1996年の京橋~心斎橋間延伸開業にあわせて、長堀鶴見緑地線に改称。2018年4月1日に、大阪市交通局は民営化し、地下鉄事業は大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)へ移管された。大阪メトロ長堀鶴見緑地線は、日本で初めてとなるリニアモーターカーの技術を用いた地下鉄(リニアメトロ)。車体の支持と、走行のガイドに使用するための車輪はあるが、通常の電車のように車輪を回転させるモーターはついていない。レールの間に設置したリアクションプレートと呼ばれる金属板と、車両に搭載した電磁石を反応させた力によって動く。リニアモーターを用いた駆動システムの採用で、車両の高さを通常よりも約1メートル低い3.15メートルに抑えている。通常の地下鉄のトンネルが半径約7メートルなのに対し、リニアメトロは半径約5メートルと断面が半分になる。リニアメトロは、車輪とレールの摩擦力ではなく、車体そのものにかかる力を利用しているため、急な坂でも走行することができ、台車にモーターがついていないので、レールに沿って車軸の向きを変えることが可能で、急カーブを曲がることができる。通常の地下鉄よりもルートの自由度が高く、道路下の浅い箇所にトンネルを設置でき、建設費を約25~30%低減できる。走行に必要な消費電力が通常の地下鉄よりも2割程度大きくなるが、トンネルを浅くすることで換気設備やエスカレーター、エレベーター等の消費電力を節約できるため、電気代に大差はないという。

鶴見緑地線が開業した翌年の1991年12月には、光が丘~練馬間に都営地下鉄・大江戸線(当時は12号線)が、2001年に神戸市営地下鉄・海岸線、2005年に福岡市地下鉄・七隈線、2006年に大阪メトロ今里筋線、2008年に横浜市営地下鉄グリーンライン、2015年に仙台市地下鉄東西線と相次いでリニアメトロが開業した。現在、北は仙台から南は福岡まで、5都市7路線で運行されている。福岡市地下鉄・七隈線では、天神南駅~博多駅間が延伸され、2023年3月27日の開業が予定されている。延伸工事中の2016年11月8日には、博多駅近くの市道で大規模な陥没事故が起きた。ニュースは瞬く間に世界を駆けめぐり、復旧に半年はかかるだろうなどと言わたが、1週間で何もなかったかのように元の道路に戻り、衝撃的な事故映像が放送されただけに、復旧の早さも大きな話題になった。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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