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群馬のうどん・なぜか好きその4

前回の記事の追記にあたる。
故郷のうどん事情は前回ご案内したとおり、温かいつけ汁に対して冷やして締めた麺という、いわゆる「つけ麺」スタイルだ。

写真の麺は帰省の際にお土産として購入したもの。「実家の味」である。一把を茹でてこの量で、昼には少し足りず夜食にちょうど良いサイズ。
手前の汁は醤油ベースにネギと豚肉という、これも実家ではスタンダードであった汁で、鶏肉バージョンもある。もちろん火から下してそのままはこばれてきた熱々だ。

味付けは、顆粒かつお出汁に創味めんつゆ。ここにキレを作る意図で生醤油、さらに砂糖味醂を入れて甘さを強めに調整してある。
甘さ控えめ醤油強めのパターンも郷里の味だが、甘辛タイプが個人的な好み。実際この汁も、そのままでは結構喉にくるほど濃い。ここに冷えた麺が入ることで程よい加減になる食べ方だ。

自分はこの味で育ってきた。具無しの澄んだ、それでも醤油勝った味の熱々の汁に、茹でて冷やした茄子やホウレン草も良い。汁は冷めやすくなるが、冷えても濃いので食べ進められる。
天ぷらも良い。油が溶けるのでコクが深まる。醤油ベースの煮物も合うし、一部ではきんぴらごぼうを添えたり入れたりもするらしい。
具や麺の水分で汁はだんだんと薄まるが、各人二周お代わりできる量を作るので翌日に持ち越せる。残らないほうが珍しいくらいで、麺も同じく大量に茹でる。二日目の冷蔵庫でしっかり冷えてコシの抜けた麺もまた乙なもので、お味噌汁の具にしたりも。

これが自分の郷里のうどん事情である。帰省したことで、写真のように再現したくなる気持ちが芽生えてきた。家の味の継承を考え、ことあるごとに作る機会を設けようと思う。
家の味なので、レシピは無い。舌と記憶で作っている。

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