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杉下右京とモノマネと南米の鳥

 有名になると時にいろんな人からいじられるようになります。よくあるいじりのひとつがモノマネです。

 2022年7月1日に放送された「ネタパレ」ではハリウッドザコシショウさんとなだぎ武さん、それから次長課長の河本さんのユニットが登場しました。3人ともタイプは全然違えどモノマネが得意……と言っていいのかどうか分かりませんが、少なくともモノマネを武器にのし上がってきた方々です。

 さて、この時のネタもまたモノマネを用いたコントであり、ザコシショウさんとなだぎさんが人気ドラマ「相棒」の主人公「杉下右京」のモノマネをするという内容でした。と申しましてもこのふたり、いかにオリジナルを模写するよりもいかに観客を笑わせるかに重きを置くタイプのモノマネが得意なんです。

 相棒の杉下右京といえば「仕事ぶりは優秀だし知識量が半端なく言動はスマートだけど変わり者」という特徴があり、彼のこのようなキャラクターがドラマの人気を牽引してきた一因であることは間違いないでしょう。しかし、杉下さんは変わり者であり、しかも今や有名人。いじられる下地は既に出来上がっていたんです。

 そして、いじるのがザコシショウさんとなだぎさんです。まあ、ひどいモノマネなんです。手で顔をペタペタ触るレベルのライトないじりではありません。肛門から身体の奥の奥をめがけて腕をグリグリ突っ込むレベルのヘビーないじりです。

 中でも印象深かったいじりがあります。相棒の杉下さんは刑事ドラマという性質上、犯人を叱ることが非常によくあります。普段は冷静な杉下さんが感情をあらわにさせる数少ない場面で、視聴者の印象に残りやすい。と同時に、変わり者設定のせいか、叱り方が特徴的なんです。急に声を荒げて頬をプルプル震わせたりする。こんな特徴、いじりのターゲットにされないわけがありません。ザコシショウさんもなだぎさんも頬をプルプルどころか、頭をブルンブルン振り回しておりました。

 そう言えば、相棒はその知名度ゆえに小説化もされています。私は未読なんですが、読んだことがある人に話を聞きますと、杉下さんは小説でも割とドラマのまんまなんだそうです。当然、犯人を叱る場面も出てくるんです。そこではこんな表現になっていたと聞きました。

「伸びあがって、頬を震わせる」

 なんだか南米の鳥の求愛行動でも説明しているかのような表現ですね。そして、毎回頬をプルプル震わせてるなあと思っていたのはやっぱり私だけじゃなかったんですね。しかも、オフィシャルの小説がそう書いてるんですから、これはもう相棒サイドが公式に認めたと言っていいでしょう。

 皆さんもお分かりの通り、私も結局、杉下さんをいじってしまいました。

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