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手と目、口と耳を使うことばの学び

書かなければ書けない、読まなければ読めない、話さなければ話せない、聞かなければ聞けない。これは言語学習の基本です。文法を分析的に理解しながら学ぶのは、これを効果的に行う手段に過ぎません。実際、いわゆるセンスの良い学習者は教師に分析してもらわなくても、見たり聴いたりしたことばの断片からことばのしくみについての仮説を立て、それを検証するという過程を無自覚に実践しています。こういうセンスの良い人ばかりではありませんから、教師による文法解説があるわけです。

マークシート方式の試験が多く、また外国語学習の当面の目標がそうした試験の合格や高得点である場合、読み書き話し聞くといった実際にことばを使う学習が減り、選択肢の記号だけ書き出して問題を解くということが多くなりがちです。これは、試験の対策は試験問題(と似たもの)を解くことに尽きるという発想に基づくものです。しかし、これはことばを使う機会と絶対量が少なくなるので決して高い効果を上げる学習ではありません。特に、文法問題に関しては顕著です。

文法学習にこそ、手と目、口と耳を使った学習を積極的に取り入れるべきです。例文を筆写や音読で反復する。例文集の音源を活用してディクテーション、シャドーイング、リテンションを行う。対訳型例文集ならば、英文和訳や和文英訳を行う。こうした学習が必要です。文法問題集も全文を書き出したり、全文を声に出して口頭で解くといったやり方で取り組むべきです。問題集は必ずしも必要ではありません。独習であれば、音源の利用できる文法書を活用することから始めるべきです。独習が難しければ、持田がお手伝いいたします。


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