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「総合英語」って何?

高校生向けの参考書の売り場に行くと、「総合英語」という名のついた参考書があります。これは、簡易版の文法書です。「英文法」と名のついた本と比べると全体の分量が少なめになっています。頻度の低い文法現象はには触れていないことが多いですし、解説も少なめです。それでも研究者や教師ではない普通の学習者が当面の学習で使用するには十分な内容です。

「総合英語」の参考書を使う目的はただひとつ、英語の文法をおおまかに知ることです。あくまでも「おおまか」ですし、「学ぶ」というよりは「知る」にとどまるものかもしれません。「総合英語」の参考書を読んで、疑問に思うところが出てくると、そこから学びが始まるともいえます。

英語以外のこともいろいろ学んできた、10代後半以上の大人が、日本語を母語とし、日本語しか使わなくても生活できる環境で、日本語とかけ離れた英語を学ぼうとしているのですから、疑問や謎が頭の中に次々と湧いてくるのは当然のことです。したがって、読み手に疑問を抱かせることは決して「総合英語」の参考書の欠陥ではありません。

もちろん、最初から内容がより充実した「英文法」の参考書(問題集ではない!)を使うのもひとつの方法です。ただし「英文法」の参考書の良し悪しを学習者が自分で判断するのは難しいものです。「総合英語」が一般の店員さんからでも買える第三種医薬品のようなものだとすると、「英文法」は薬剤師にもとでしか買えない第一種医薬品のようなもので、後者の参考書には使い方や内容によってはそれくらい有害なものもあります。(でも店員さんに良し悪しを聞くのは店員さんを困らせるだけです。)

もっとも、このように書いている時点で、英文法の独習が意外に難しいものであるということを露呈しているということでもあります。やはり信頼の置ける師の存在は大切と言えます。

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