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「発音・アクセント」の話

ことばを学ぶときには、どんなところもセンスが良くて感覚的に捉えていける学習者と、それができずに原理的な理解を経てようやく感覚が研ぎ澄まされていく学習者が両極にいます。このことは以前からこのnoteでも指摘していますが、今回問題視したのは後者の極にいる学習者が英語の語強勢を学ぶときのリソースがこれまで少なすぎだったということです。

英語にたくさん触れていれば大丈夫だろうと思われるかもしれません。たしかに英語の音声・音韻を身につけるには英語を聞き、話すことが必要です。口で慣らし、耳で確認しなければ音声や音韻は学べません。しかし、英語を話す学習は日常的な場面から始めていくことが多く、1音節や2音節の短い語を使うことで済んでしまうことが多く、語のアクセントを意識することがあまりなかったりします。洋楽など、英語の歌詞には押韻のためにやや難しめの語が使われることもありますが、曲の中で用いられているため、音の高低と強弱の区別ができていなければ、その語の正しいアクセントの位置を捉えることは難しいでしょう。

こう考えると、すべての英語学習者が無意識に英語の語強勢を的確に捉えることを期待するのには無理があります。捉えきれないところは文法学習と同じように原理的な理解が必要になります。この原理的な理解に必要な「原理」が学習者向けに整備されていないと考え、今回のプリントの改訂に至りました。このプリント自体は1998年あたりから使用していて、2004年に1回目の大改訂、2013年に小改訂、そして2014年に2回目の大改訂を行いました。これで救われる生徒さんもいるはずだと思い、当時はふだんあまり大がかりな原稿仕事をしなかった平日の深夜早朝に作業して仕上げました。

当時作成したものを有料ではございますが、公開します。


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