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初手が敗着

日本語には相撲や将棋のメタファーがよく用いられます。絶体絶命のピンチを「土俵際」と言ったり、勝利目前の状況を「王手」と言ったりします。そこで今回は将棋のメタファーで受験勉強のお話をします。それは「初手が敗着」となることがあるということです。「初手」とはその名の通り最初の指し手、「敗着」とは敗因となった指し手のことを言います。

翌年の入試を目標とするときに、「基礎はほぼできているので実戦的な勉強をしたい」と考える受験生がいます。これが敗着です。「基礎はほぼできている」という見立てが疑問手です。「ほぼ」という言い方しかできないのは、「わかっていることとわかっていないこと」や「できることとできないこと」が見極められていないことを物語っています。実はこのわずかな未習得の部分が、多くの場合合否を分けます。

現時点で落ちることがほぼ確定している受験生がいるとすれば、それは基礎が身についていない受験生ではなく、基礎が身についていないことを認識できていない受験生です。このことは重要なので持田のnoteでも繰り返し言及しています。

そして、敗着がどこにあったかわからないまま、何年も感想戦をやっている受験生もいます。

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