見出し画像

Yezda Urfa / Sacred Baboon (聖なる野獣)

■Yezda Urfa / Sacred Baboon (聖なる野獣)
■収録曲 1.Side 1 -1.Give 'em Some Rawhide Chewies(3:50), 2.Cancer of the Band(6:48), 3.Tota in the Moya(10:14)
Side 2 - 1.Boris and his Three Verses(2:50), 2.Flow Guides Aren't My Bag(4:45) , 3.(My Doc Told Me I Had) Doggie Head(5:02), 4. "3, Almost 4, 6 Yea"(8:39)
■パーソネル:Rick Rodenbaugh (vo), Phil Kimbrough(key, mandolin, flute, soprano & tenor recorders, vo), Mark Tippins(g,vo), Marc Miller(b, cello, marimba, vibraphone, vo), Brad Christoff(dr)
■リリース:1975年
■カバー・アート:Don Tarr

上下続いているけどシングルジャケの表裏です!

イエツダ・ウルファの幻のファースト・アルバムにBorisというのがありまして、それはもう本当に凄い自主制作盤なのですが、これは次の機会に置いといて、そのアルバムを踏まえて録音されたのが、このアルバムSacred Baboon 、邦題「聖なる野獣」です。ジャケットはお猿ジャケと、この
Yesの南の空が燃えてる感じのとがあります。昔持っていたCDはお猿でしたが、LPで買い直しました。

この音源の録音は1976年なのですが、何とリリースされず、1989年にアメリカのSyn-Phonicにより音源が発掘されてようやく発売に至りました。写真のレコードは、その輸入盤にマーキーが帯一体型解説をつけて販売しているというものです。前に載せたカテドラルと同じ売り方ですね。

イエツダ・ウルファは1973年に結成されたアメリカのバンドです。イエツダはイラン、ウルファはトルコの地名。彼らは、当時、どのレコード会社からも相手にされず、埋もれてしまったのですが、今、彼らの音を聴けば、メジャーとは言わなくても、どこからも契約を獲得できなかったとは思えないくらい、「凄まじい」という単細胞的な言葉しか出てこないくらい超絶技巧曲の数々で目が眩みます。

こんな人たちだったんですね!

クラシカルなフレーズあり、ELPを彷彿とさせるハイスピードのカントリーあり、ドリームシアターかと思うようなドラムの連打あり、急激な場面転換多々あり、ジェントルジャイアントばりの捻くれたコーラスだらけと、凡そ考えられる限りのプログレッシヴロックの断片がこれでもかと言わんばかりにギュウギュウに詰め込まれています。メンバーの当時の気合がちょっと聴いただけでビシビシ伝わってきます。

1976年というと、クイーンのボヘミアン・ラプソディ、ベイシティーローラーズのサタデイナイト、ジグソーのスカイハイの翌年です。メジャーなところでは、レインボウのライジング、ボストンの1st、カンサスの永遠の序曲、イーグルスのホテルカリフォルニア、スコーピオンズのヴァージンキラーの年ですね。これらのアルバムは、確かにメジャーで長年聞き継がれるだけの素養にあふれたものですが、逆に言えば、こんなゆる〜い音楽が作られていた時代に、ここまでタイトでヘヴィーで目一杯音が詰め込まれていて、しかもシンフォな音が存在したこと自体が信じがたいところ。

唯一弱いのがボーカルなのですが、その弱さが気にならない、ヤバいばかりの超絶技巧です。というわけで、とにかく「凄い」という単細胞的な感想しか口から出てきません!

・・・それほどの完成度です!ぜひご賞味ください!

#イエツダウルファ #プログレ #音楽 #洋楽 #音楽レビュー #アルバムレビュー #超絶技巧 #シンフォニック #発掘音源 #レコード #1970年代  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?