あんこ

ちょうどよく、生きる。

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最近の記事

何者にもなれない29歳だから。

最近言語化することを本当にしてなくて、これじゃダメだなとソウルでみたアーティストの感想を書こうとネットで検索した。そうしたら中高の同級生のnoteが出てきた。学生の時からその子は、なんというか手が届かない天才という印象で、努力では到達できないところにいる人だった。 そのnoteを読んで、知識量も意味付け力も、体系化する力も凄すぎてため息。なんだか少し落ち込む。 そのタイミングで大好きな友達2人からそろそろ電話しようと連絡が来て、元気になる。 私にとって大切なものが半径2m

    • 金沢21世期美術館へ

      金沢21世期美術館に、初めて行った。 金沢旅行のテーマは建築を巡る旅。 SANAAのつくったこの美術館は、その場所自体へいくのも楽しみだったし、展覧会もとても楽しみだった。 (企画展「未来の地図を描くために」: https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1780) まず、入り口へ行くと、ここはディズニーランドか?と思うほどの長蛇の列。 並ばずに入れる時間はないか、係員に聞いてみたものの、どの時間帯もあまり変わらない

      • 軽井沢千住博美術館

        金木犀の木々が鳴る頃、初めて軽井沢に行った。 千住博という美術作家の美術館がある。 SANAAという建築ユニットの一人である西沢立衛さんが設計したこの美術館。写真撮影は禁止。 美術館で写真を撮ることに、ずっととても関心がある。その行為に制約をかけた美術館は最近だと珍しいけど、ここは本当にそうするべきところだったなぁと思う。 美術館に入って最初に広がる景色。このどこまで続くか見通せない曲線美に囲まれた光差し込む空間で、鑑賞者は軽井沢の森を巡るかのように作品を見て回る。

        • STARS展

          森美術館で開催されているSTARS展(https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/stars/)はずっと楽しみにしていた展示だった。 美術に関して、巨匠たちの云々を出来事ベースで知っている程度で、評論家のように体系的に語れるわけではないが、とにかく好きなものは好きで心動くものは動く。 今回の展示でもっとも好きだったのは李禹煥(リ・ウーファン)だった。 展示室に入った途端に感じた衝撃を受け取りたいと思った。ここに置かれているもの、

        何者にもなれない29歳だから。

          クリスチャン・ボルタンスキー

          国立新美術館で開催中のボルタンスキー展。 やっと行ってきた。 私が一番好きだった作品は『黄金の海』。 海をイメージした黄金のブランケットの上で揺れ動く電球。 照らされたブランケットはその度ごとに表情を変え、まるで海をのさざなみを思わせる。 これ以上ないくらい単純な仕掛け・要素で構成されているこの作品を、それでも眺めているだけで、目頭が熱くなってそこから離れることができなくなった。 ここが美術館であるという現実。他の鑑賞者の目線。目の前に用意された海に、そういうもの

          クリスチャン・ボルタンスキー

          映画『愛と法』

          2019年。 新年、そして平成最後の年。 去年の映画納めになったタイトル『愛と法』。 これもまさに初期衝動を思い出させてくれた作品。 この映画はドキュメンタリーで、主に登場するのは男性同士のパートナーカズくんとフミくんという二人の弁護士。 その二人の日常と、ちょっと世間を賑わせた「ろくでなし子」さんの裁判のシーンで成り立っている。 この映画が面白いなと思ったのは、彼らが二つの社会的抑圧と闘っているのを描いているところ。 一つはセクシャルマイノリティであるという部

          映画『愛と法』