[2023/12/06]ベトナムの銀行業界に震撼!被害総額、約2兆5500億円の不正事件

こんにちは。ベトナム1,154日目の小澤です。

ベトナムでは個人間送金が銀行アプリで無料で行うことができたり、米ドルを基軸通貨として管理フロート制を採用することで、為替レートの変動を一定に保つ制度が取られたりと、金融については工夫を凝らしています。

ベトナムの高所得者に名を連ねる Ho Hung Anh氏もTechombankの会長です。そのような社会状況で、大規模な横領事件が発生し、話題になっています。

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大手銀行で不正事件

ベトナムの華人系不動産大手VTPグループとサイゴン商業銀行(SCB)に関する大規模な金融犯罪事件が発覚しました。この事件について、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)が捜査結果を公表しました。

中心人物は、VTPグループの会長であるチュオン・ミー・ラン容疑者(女・67歳)です。彼女はSCBを通じて不正な資金調達を行い、銀行に多額の被害をもたらしたとされています。この事件には、資産横領、銀行業務違反、収賄などの容疑で86人が関与していることが明らかになりました。

被害総額、約2兆5500億円!?

ラン容疑者は2011年にSCBの経営支配権を握り、その後、SCBの資本金を約610億円から約920億円に増加させました。彼女はSCB株の大部分を保有し、VTP系列企業に対して違法融資を行わせ、SCBは多額の不良債権を抱える結果となりました。この事件による被害総額は約2兆5500億円に上るとされています。

ベトナム国家銀行はSCBの全面調査を実施しましたが、調査隊は賄賂を受け取り、不正を見逃していました。特に、調査隊リーダーのドー・ティ・ニャン容疑者は約7億8000万円の賄賂を受け取ったとされ、これは過去最大額です。

SCBは2022年10月から特別監視措置を受けていますが、中央銀行によると、現在は状況が制御下にあり、徐々に安定しているとのことです。この事件は、ベトナムの金融業界における深刻な問題を浮き彫りにし、今後の改革と監督強化の必要性を示しています。

参照


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