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6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない#1

表題はアインシュタインの有名な名言。最近気づいたのだが、ニュースを眺めているだけで、理解できている人が何人いるのか不安になってしまった。ので、日常生活に出てくる「確率」とか「平均値」「偏差」とかいろいろな測度について説明したい。目指すのは、6歳の子供でも理解できるように、だ。

コロナ感染者数、陽性率

今日は何人、感染者がでました、と報道されている。たとえば、1000人とか。その1000という数に意味はあるのか?について考えたい。1日に500人しか検査しなければ、最大でも(つまり全員感染しているということ)500人の感染者数にしかならない。東京で2万人検査して、感染者が1000人だとして、他の県、たとえば、茨城県で1000人検査して、感染者が800人だとする。茨城県のほうが少ないね、とおもっていいのか?
つまり、「感染者数」という数だけ注目してもなんの意味もない。全くない。全然ない。くだらない。
宝くじに当たった数、で考えてみよう。銀座のある宝くじ売り場では1等が3人でた、とする。茨城の田舎の宝くじ売り場では1等が1人だとする。じゃあ、銀座で買おう、ということになり、行列ができる。本当か?銀座の場合、たとえば、宝くじの販売枚数が100万枚だったとする。そのうち3人が当選。一方、茨城ではたったの1000枚が販売されただけで、そのうち1人が当選。「当選確率」からすると茨城の販売店のほうが断然高い。
再度、感染者数の話に戻る。結局のところ、何人検査して何人が陽性だったのか、がわからない限り何の意味もない、ということにつきる。「陽性率」なんてムズカシイ言葉を使う必要はなく、ただ、感染者数だけ知ってもどれだけ感染が拡がっているかがわからないので、何人中何人が陽性、という「割合」で比較しなければならない。
東京:1000/20000 = 0.05 
茨城:800/1000 = 0.8 (東京の16倍)
ということになる。宝くじでも同じで、当選人数を何枚販売されたか、で割った値が重要。ニュースで感染者数しか発表していないのは、視聴者がバカにされているのだと自覚せよ。

天気予報:降水確率20%とは

「今日の午前中の降水確率は20%です」ときいて、みなさんはどうおもうか。午前中がたとえば、6時間ぐらいだとして、その1/5ぐらい、1時間ぐらいは雨が降って、4時間ぐらいは晴れている、ぐらいに思っているのかもしれない。
「確率」は何かを何かで割った値(実際には100をかけて%にする)だということを知らなければいけない。降水確率とは、その気象条件に対して1ミリ以上の雨が降る確率、のこと。気象条件とは、気温、湿度、気圧、風向き、その他いろいろな条件のことであり、20%とは、そういった気象条件が100回同じだったとしたら、そのうち20回は1ミリ以上の雨が降ります、ということだ。何時間とか何分間雨が降る、という意味ではない。
※1ミリの降水量とは、1メートル×1メートルの大きさの容器にたまった水の深さが1mmという意味。1000ml=1リットルの量。ギリギリ傘が必要なぐらいとのこと。

平均値、標準偏差

なんで「標準偏差」とかわけわからんものを覚えなくてはいけないのか、とおもっている方も多いかと。そう覚える必要は全くない。感じればいいだけ。
宇宙人が100人地球にきたとする。平均身長が2mだとする。「平均」2メートル、ときけば、180cm, 190cm, 210cmとか2メートル前後の身長の宇宙人を想像するかもしれない。はっはっは、宇宙人に笑われるぞ!
「平均」とは全員の身長を全部足して、人数で割った値になる。それが「平均」という数(測度)。その意味は、ただの平均値だ(あたり前だが)。平均が200cm、という場合、50cmの人と350cmの人がいても「平均」は200cmだ( (50+350)/2 = 200)。バレーとかバスケの選手みたいに2mクラスの人が何人もいる状況と、スターウォーズのようにおっきいやつとちっこいやつが適当に混ざって、平均として2mという状況もある。
この違った状況を区別したいので「偏差」という量を考える。偏差とは、すなわち、平均値からのずれ、だ。バレー、バスケの選手たちはほぼ2mクラスが揃っていて偏差が小さい(つまり平均値から、みんなそれほど大きく差がない身長)。逆にスターウォーズ集団はバラバラで、偏差が大きい(平均値からのずれが大きい)。バラバラ具合を知りたいときには、平均値からのずれを計算すればよく、それをエラそうに「標準偏差」とか「分散」とかいってるだけ。必要になったら感じればいいだけ。

速度、加速度

自転車でどこかへ出掛ける。都内で車道を走っていると、ほぼクルマと同じぐらいで走っている(25km/時とか)。自転車とクルマは同じ性能なのか?赤信号で止まっていて、動き出すときわかる。クルマはびゅっと発進していく。当然、チャリは人力なのでゆっくりスタートとなる。一旦、一定の速さで車道を走っているときの速さは「速度」(等速運動)といい、動き出しのとき、速度がどれぐらいの速さで速くなるか、を「加速度」(ふつうは等加速度運動)という。これはまともに「物理」のことなので、速度と加速度の違いは、体感できるだろう。

いろいろな測度

いろいろな数をみてきたが、たとえば、温度について考えたとき、25℃+25℃は50℃にはならない。りんごとかミカンとか普通に足せるものと足せないものがある。これらについては以前、書いたのでそちらを参考に。




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