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ちぐはぐな会話#21

メタバース

「なあ、メタバースって知ってる?」
「前はセカンドライフとかいってたよね。ネットの仮想空間みたいな。アバターでいろいろ出掛けたりする。」
「今度は、仮想は仮想でも、仮想空間内に現実に存在するもの、建物とか自然とか、そういった世界を構築するらしいよ。いわば、ミラーワールドみたいな感じかな。」
「どんどん進化するね。それならいっそのこと、こんなのはどうだい。国同士が国境を越えて侵攻して戦争するのではなく、そのメタバース内に精密な戦力を反映させた部隊を展開して、”仮想の戦争”をして、負けたほうが条件をのむ、というルール。これなら現実の人は誰も死なずに済む。」

メタバース2

「メタバース内でアルバイトして実際にお金を稼ぐ、ということもできるらしいよ。」
「へえ、そうなんだ」
「インセプションという映画みたいに、メタバース内に、さらにメタバースを作ってその中でゲームしたり、どっかでかけたり、メタメタバースみたいなのも考えられるよね。」
「そうなってとてつもなく深いとこに潜ってしまったら抜け出せなくなるよね。深く沈んでいるのか、はたまた、並列宇宙のように横に分岐しまくって、よくわからなくなっているのか。仮想空間の次元の概念も拡張しないと。」

メタバース3

「メタバース内の通貨って結局、仮想通貨というか暗号資産というかブロックチェーン技術のコインが主流なんだよね。」
「そうだろうね。」
「そうなると、現実社会のお金持ちがやはりメタバースでもお金持ちで、現実社会の底辺の人はどこにいてもやはり底辺貧乏生活になるのか。」
「メタバースではいわゆる”肩書き”は関係ないから、仮想空間内で自分の個性というかブランドを高く売れるようなことをすればお金を稼げるんじゃないの。全員、イケメンになれるし、全員、女優並みの顔やスタイルにもなれるし。」

メタバース4

「メタバース内でもいろんな犯罪があるんだろうね。詐欺とか死傷事件とか。」
「取り締まる警察みたいな存在も出てくるのかな。というか警察って何の役にも立たないんじゃないの。武器を携帯しててもダメだろうし、権力をふるおうにもそういった組織体制がそもそもないだろうし。」
「仮想空間だから殺人というのは意味が違うね。コンピュータ上でデータを無理やり消去させられてしまう、というのが殺人にあたるのかな。詐欺だったら、暗号資産を増やせますよ~とかいって架空の投資話しをしてコインを奪うとか。現実とほとんど変わらないや。」

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