見出し画像

憧れた日。

昨日、仕事帰りにハンドクリームを買おうって思って、薬局に寄ったんです。

で、買いたい物を手にとって、レジに並んでいたら、前に並んでいたおっちゃんが振り返って俺の方を見てきたので、なんだ?って思ったんですけど、そしたら、なんか紙を手に持っていて、それをおもむろに俺に突き出してきて、「にいちゃん、これ使いな」とか言ってきたんです。

で、なんだろうと思い、よく見てみると、その薬局の20%オフ券で、「いやぁ、おっちゃんも一枚持ってるから、にいちゃんも一枚使いな」とか言って、超優しいんだわ。

で、俺も「いいんですか?助かります!有難う御座います!」とか言って、感謝を告げて、で、買うものが少なかった俺のほうが先に会計が済んでしまって、店を出たんですけど、ちゃんとお礼言ったほうがいいよなーって思って、出口の少し離れたところで待ってたんです。

そんで、少し待っていると、おっちゃんが出てきたんですけど、帰る方向が逆だったみたいで、俺に気付かずに行ってしまいそうになってしまって、どうしようって思ったら、一瞬おっちゃんが後ろを振り返り、俺がまだいることを確認すると、そのまま何も言わずに背中越しに手だけ振って帰っていったんです。

そして、俺はその背中に向かって深々とお辞儀をしたという。なんかすげぇ恰好いい状況だったんですよ。いやぁ、凄くないですか?薬局の20%オフ券一枚くらいで、この状況。

例えば俺が悪い奴に襲われて、そこを颯爽と現れたおっちゃんが助けに飛んできて、窮地を救い、何も言わずに背中越しに手を振って帰っていく。俺はその背中に向かって深々とお辞儀をする、みたいな状況と全く同じ状況が、薬局の20%オフ券一枚で起こり得たんですよ。

薬局の20%オフ券一枚で、俺にはあの背中を他人に対し見せることは出来ないし、背中越しに手を振るなんて大それた事、自然に出来るわけがありません。それを成し遂げた、あのおっちゃんの恰好良さと優しさに、今、凄く感謝をしています。

色々と良い経験させていただきました。有難う御座いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?