私はまだその舞台に立てない
先輩たちの集大成が集い、評価される場を入学当時からよく見ていた。
1年の頃から卒業設計をお手伝いすることが多かった。自分にできるのだろうか、そう思う日々が続き、2.3年とどんどん歳を重ねた。
卒業設計が間近に見えた頃、私は留年をしてしまった。
留年をし、迎えた同級生の卒業設計講評会。
当たり前だが、その場に自分のスペースはなく、あるのは皆が1年間頑張ってきた作品の数々。
私は何をしていたんだろう。
その感情と皆のプレゼンを聞きたい気持ちが入り混じったまま、審査は始まった。
1年間頑張ってきたのだから気合が設計課題の際とは大違いで、設計を1年離れていた身からすると少し圧倒されるような。知っている人たちじゃなくなっているような虚無感にも襲われた。
僕が進む研究室は6/10が佳作以上に入っており、頑張っていたことも知っているからこそ目から溢れ出しそうになった。
やはり思う。
僕は何をしていたんだろう。
どうして評価の対象にすら入れていないのだろう
何度も自分の頭の中で自分の声が聞こえる
悔やんだって仕方ない。来年こそは…。
そういう意志を持ち、結果の出た製図室を後にするも、雨が降る夜道を歩く時、ふと思ったことは、
私はまだその舞台に立てない。
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