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映画感想 レザボアドッグス

好きなバンドのMVの元ネタということで鑑賞。
ネタバレありです。

ざっくりあらすじ。
お互いに素性を知らない男たちが集まり、宝石店に強盗に入ることになる。
本名じゃなくて、オレンジ、とか、ホワイト、とか色の名前で呼び合うの。

で、いざ盗みに行くと、警察に計画がバレてたみたいで、みんな命からがら逃げるんですよ。

これは、仲間うちに裏切り者がいるに違いない、とみんな疑心暗鬼になっちゃうんですよね。

冒頭、レストランで男たちが喋ってるシーンから始まる。
「ライクアバージン」のお下品な解釈や、ウェイトレスにチップを払うかどうか、という特段意味のない会話が続くようにみえる。

でも、映画を観終わった今、ここでのシーンが結末を暗示しているようにも思う。

強盗メンバーのひとり、ピンクという男が会計のときにチップの支払いを嫌がる。
それを他の男たちが「ウェイトレスだって、安い金で働いてるんだから」って、たしなめてたシーンがあったように思うんだけどさ。

ピンクは「安月給とか関係ない」ってごねるんですよ。いい仕事したなら払うけど、そうじゃないからヤダって。

その後のシーンでも、宝石を奪ったけど見つからない場所に隠すとか、他のメンバーに本名を教えた男に怒ってるとことかありました。

彼は仕事はきっちりやるけど、それだけ。
他のメンバーのことも、信用してるわけじゃないと思うんですよね。
悪党としては正しいと思うし、そういう割り切ったタイプだから、一人生き残ったんじゃないかな。

そんな彼に対して、情が厚いせいで失敗するのがホワイトという男。

彼は、銃で撃たれて瀕死の状態のオレンジという男と一緒に逃げるんです。
で、あろうことか、オレンジに自分の本名を教えちゃうんですよ。

物語の途中で、わたしたちには、そのオレンジこそが裏切り者だとわかるの。
だけど、ホワイトは最後までオレンジのこと信じて、他のメンバーから疑われた彼をかばうんですよ。

だからこそ、ラストシーンはほんとにつらい。
発砲する瞬間、ホワイトは何を思っていたんだろうか。
オレンジに裏切られたからだと思っていたけど、ケジメをつけるためだったようにも思うんですよね。

そして、オレンジ。
この男は、多分ホワイトが自分をかばって撃たれるまでは、強盗犯の演技をして職務を全うする予定だったんじゃないかな。

多分、ホワイトに名前を聞いたのも、病院に連れてってくれ、って頼んだのも、生きて帰って、手柄をあげるためだったと思うの。

でも、最後の最後で、自分をかばってくれたホワイトに「裏切り者は自分だ」って告白するんですよ。

ホワイトがかわいそうじゃん、黙っててあげればよかったのに、って思ったんですけど、オレンジなりのケジメというか、筋を通したかったのかもしれないですね。

本名を教えるって、捕まるリスクもあります。
だけど、ホワイトは自分を信用して教えてくれたし、命がけでかばってくれたわけです。

自分が警察の人間だと告白すれば、任務は失敗だし、最悪命を落としますよね。
でも、本当のことを言うことで、自分を信じてくれたホワイトに謝って筋を通したかったんじゃないかしら。うまく言えないけど。

他のメンバーも、結局、情を捨てきれなかったことによって命を落としたように思うんです。

ホワイトと撃ち合いになったボスとその息子だって、信用していた部下をオレンジに殺されたことに腹を立てて、それによって撃たれたわけだし。

でもね、やってることは悪いことだけど、わたしが彼らを嫌なやつだと思えないのは、その義理人情の部分が見えるからじゃないかな、とも思うんですよね。

結構、流血や暴力的なシーンもあるので、苦手な人にはおすすめしにくいですが、わたしは結末をわかった上で、もう一回観てみるのも面白いかな、と感じました。


以下、余談なんですけど。
MVの冒頭のドリカムの話は、「ライクアバージン」のシーンから来てたんですね。
映画のあとみて、ちょっとニヤっとしました。

大阪loversのデタラメ解釈。
ドリカムのファンの方には怒られそうだけど笑っちゃう。



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