全単射

ギタリスト。普段はエフェクター製作をしています。 大学では物性工学を専攻しています。エ…

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ギタリスト。普段はエフェクター製作をしています。 大学では物性工学を専攻しています。エフェクターやギターに関する技術的な内容を主に扱っています。

最近の記事

【ギター、ベース】軽音サークル、軽音部で必要な機材の選び方

はじめに 今年の4月から軽音サークル・軽音部に入ったという方の中には、「何を買ったらいいかわからない」と思ってる方も多いでしょう。普段とは毛並みを買えて今回は初心者、特に大学で軽音デビューする人向けに機材に選び方を紹介していきます。どれもあまり詳細には記してませんので気楽に読んでください。 大前提 ここでは、そこそこの頻度でライブやスタジオ練習を行う人を対象にしています。宅録やDTMメインという方とは選ぶ基準が異なりますので注意してください。 ギター、ベース本体 どうして

    • 非常に紛らわしいデシベル(dB, dBFS, dBu, dBv, dBV)という単位

      はじめに 音楽経験がそれなりにある人でもデシベルという単位に明るくない人は多いと思います。アンプやエフェクター製作をする人だけでなくPAやレコーディング、DTMをする人でもdB, dBFS, dBu, dBv, dBVの違いやそれらの定義、計算方法を理解していない人は多い印象です。  今回は定義からこれらの違いを理解し、機材の選定や運用、設計に役立てて頂ける内容になっておりますので最後まで是非お読みいただければと思います。 デシベルとは? デシベルは音楽分野では音圧や電圧の

      • エフェクターに付いているトリマーは触らない方がいいという話

        導入 売られているエフェクターの一部では、ユーザーがトリマーで調整できるようなものもあります。例えば以下のような製品ですね。Vemuramは製品のほとんどが筐体上部からトリマーにアクセス可能です。ディレイやモジュレーション系では素子が安定した動作点となるように調整されているものが多いです。また、ビンテージファズのコピーモデルを作っている場合は、トランジスタのバイアスを調整するために用いられていることもあります。今回はこの『トリマー』に焦点を当ててお話していきます。 そもそ

        • エフェクターを自作したい人向け、電気回路の勉強方法

          導入 私の周りでも「エフェクターを自作してみたい」、「電気回路を勉強したいがどこからてをつければいいかわからない」という方はぼちぼちいます。そういった人のために、私がどのように勉強したのか、どうすれば近道だったのかを簡単に紹介していければと思います。 勉強する上でのおおまかな流れ 現実問題として、基礎から応用まで系統的に勉強できるコンテンツは無いと言っていいかもしれません。なので複数の本やサイト、Youtube等を掻い摘んで勉強していくことになります。  ここではコンテン

        【ギター、ベース】軽音サークル、軽音部で必要な機材の選び方

          工学的アプローチのエフェクターボード構築。信頼性の観点から

          導入 ボード構築に関しては好きで、かなりスクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた方だと思うし、電気回路についてもある程度知識はあるので、その辺りの知見や、採用理由をメインにお話しします。質問はお気軽にコメントいただければと思います。可能な限り回答します。 大前提 とにかく信頼性、安定性を第一にボードを組んでます。イチかバチかで音が出るようじゃ話になりません。常に、どこでも最高を出せるポテンシャルをボードに持たせることを意識しています。おすすめの歪みや空間系など、システム

          工学的アプローチのエフェクターボード構築。信頼性の観点から

          パワーサプライ検証:高負荷時に何V出る?

          概要(ネタバレ) このnoteでは、手持ちの3機種のパワーサプライについて無負荷時と高負荷時(27.5 Ωの負荷抵抗接続時)の電圧出力を計測し、平均値から減衰率を求め、比較しました。最も減衰率が小さかったのはStrymonのOjaiで1%程度でした。 はじめに 最近、巷では9Vよりやや出力の高いパワーサプライが流行っているようです。そっちの方が新品の9V電池の電圧に近いからだそうです。多くのYouTubeやブログでは何も接続していない時の電圧を測定しているものが多くありま

          パワーサプライ検証:高負荷時に何V出る?

          高消費電流(500mA以上)のマルチエフェクターにおける電源の取り方について

          これが初投稿です。 マルチエフェクターの電源の取り方について悩む方は一定数いると思います。ボードをできるだけ小さくするためにはやはり電源にはそこまでスペースを取りたくないですし、かといって電源を蔑ろにするとノイズや故障の原因にもなりかねないのでそれも避けたいところです。 導入近年ではGT-1000COREやHX Stompをはじめとする小型高性能マルチが各社からリリースされています。しかし消費電力を見てみると であり、パワーサプライで駆動させるとなるとかなり重い消費電流

          高消費電流(500mA以上)のマルチエフェクターにおける電源の取り方について