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中検準1級(一次)に合格した話

2年越しに中検準1級筆記試験に合格しました。
準1級にまでなるとテキストも受験体験記も少なく、手探りで勉強していたので今振り返ると非効率な期間もあった気がします。
少しでも、これから中検に臨む学習者の方の一助になるよう私の合格までの勉強法を残しておきます。


はじめに

私の中国語勉強法は完全フリースタイルです。やりたくないことはやらない。自分の得意と苦手にだけフォーカスしてやることを組み立てています。そのため全ての人に当てはまる方法ばかりではないかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いと思いながら筆を進めています。

1.克服する苦手分野を決める

これは2年前初受験のスコアです。
リスニングも筆記も3点差。あとちょっと勉強すれば合格できると思いましたが、この数点を克服するのに2年もかかるとは、この時は知りもしませんでした。笑

この時の大問別スコアとnoteやTwitterで数名の合格者のスコアを見比べて、注力することを決めました。課題は明確に2つだけ、听写(ディクテーション)とボキャビルです。

リスニングは听写の「音を漢字に素早くアウトプットする」「正確に漢字を書く」スキルが足りていませんでした。大問1の選択問題は十分取れてたので理解自体問題はなく、听写の練習をすれば得点は上がると考えてひたすら听写しました。

他方筆記は大問1~3 が課題です。合格者のスコアを見ると1~2は16点、3も12点前後多かった気がします。つまり、各大問2問程度しか落とせない。これでは前後の文脈からの類推だけでは限界があり、ボキャブラリービルド、つまり語彙を増やすことが必要になります。

2.听写

教材はみなさん御用達、合格奪取!トレーニングブックです。というかこれくらいしかテキストがないんですよね。

このリスニング問題をひたすら听写しました。ただ、慣れると気づきますが、この問題文は平易な地の文と数個の難しい成語等で構成されています。中検2級程度のシンプルな文章に突然難しい成語がでてきて、その成語は知っていて損はないけど听写でかける必要はないレベル(あくまで私の理解です)。ある程度听写に慣れたら別の教材を使いました。

次に使ったのは中検の過去問。これまたみなさん御用達の高電社の中検過去問webです。大問1も全文听写しました。
それから、試験問題だけだと飽きてくるので、一時期中国語ニュースも听写していました。これは結構楽しかったです。

CCTVのスクリプト付きの1分程度のニュース動画を選んでいました。ブラウザでは巻き戻しなどがやりづらいので、ニュース動画を画面録画してiPhoneの写真アプリでその動画を再生します。録画しながら一度全文聞き流し、听写中はコンマ秒単位で巻き戻せるので地味に便利です。

これらをやって半年後には過去問のスコアも安定してきました。リスニングの大問1が40点取れている場合、听写の量をこなせばすぐに慣れて得点上がると思います。量をこなすのが肝なので、試験問題やテキストにこだわらず、好きな素材を听写するのがおすすめです。
逆に大問1が足りない場合は聞いて理解する力が課題なので、別のアプローチがあるかもしれません。

3.ボキャビル

合格に2年要したのはこれがネックでした。同じような方は多い気がしますが私はボキャビルや暗記が大の苦手で、単語帳が3日続いたことがありません。笑
使ったテキストは同じく合格奪取!トレーニングブックと高電社の中検過去問webだけです。

つまり、過去問をひたすら繰り返しました。準1級レベルの成語や慣用句も日常会話で普通に出てくるんですよね。簡単な言葉で言い換えはできるけどバシッと言えるとかっこいい、それが準1級のボキャブラリーレベルだと感じます。試験のための勉強でなく、日常の中国語力の底上げのためと言い聞かせて勉強していました。

単語帳3日坊主常連の私は文明の利器を頼り、フラッシュカードアプリのAnkiに解けなかった問題を全て突っ込んでぶん回しました。どんなにいいアプリもやらなければ意味はないので最後は気合とパワーです。涙

単語帳苦手な私がAnkiになんとか向き合えた理由は2つあります。
ひとつめは、正誤と忘却曲線に合わせた頻度で出題してくれるから。覚えたものは低頻度で、間違えがちなものは頻繁に出題してくれるので、アナログな単語帳と比べて無駄なく記憶に定着する気がします。あくまで気持ちの問題です。
ふたつめは、出題可能性が高く、かつ苦手な問題だけが詰まっているから。フラッシュカード20枚もやるとしんどくなってしまうので、すでに覚えた単語や出なさそうな問題は極力やりたくない。「やりたくないことはやらない」学習スタイルと「やらないと合格しない」現実の妥協点です。笑

中検のデッキをひたすらぶん回していました

フラッシュカードを作るときネックになるのはカード作り、つまり問題と答えの入力ですが、Ankiは画像を貼り付けられるので間違えた問題とその答えを直接スクショしてぺたぺた貼り付けていました。テキストもPDF化しているので同じようにスクショを貼り付けられます。手間は0ではないものの手入力よりかなり楽。
ちなみにテキストのPDF化はスキャンビーを使ってます。安くて早くて対応も丁寧で鬼リピサービスです。

さいごにおまけ

最後に意外と助けられたテクニックをひとつ。私の筆記大問3は12点取れていましたが実は知っていたのは2問、残り6問は恥ずかしながら見たとも聞いたことない単語で、このテクニックと文脈からの推定で回答しました。(前章のボキャビルはなんだったのだ・・・という気もしますが、気にしない)
筆記大問3は選択肢の「名詞」と「修飾語」に分解して比較すると絞れることがよくあります。
試験では王道のテクニックなので知っている方も多いと思いますし、本質的な学習法ではなくラッキー正解の確率をちょっとあげるに過ぎないテクニックですが、この2点が合否を分け得ることもありますからね。

109回の過去問より

問題文は「私は彼女と話したいが拒絶されるのも怖く、”下不来台”になった」
台から“下不来”と可能補語なので降りたくても降りられない、にっちもさっちもいかない、そんな感じかな〜と想像しつつ、まず、選択肢の赤く四角で囲った名詞に注目します。①状況②(抽象的な)場所③関係④話。文脈から④ははずれます。③もちょっと怪しい。
つぎに赤下線の修飾語を見ると①気まずい状況②面倒くさい状況(そういう系という推測)③関係を構築する。ここで③も選択肢から外れ「状況系」の①と②に絞れてきます。
最後に青線動詞を見るとどちらも「抜けられない」の意味なので①気まずい状況②面倒くさい状況どちらが適切かを想像します。ここで改めて問題文に戻り文脈から①かな〜と回答を決めるわけです。
もちろん作問が綺麗でなくてこの方法が効かないケースも稀にありますが、こんな風に選択肢を品詞分解しそれぞれを機械的に比較検討することで、なんとなくぼんやり選択肢を眺めてひっかけに惑わされる失点を防ぎやすくなります。

長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。あなたの中検合格と素敵な中国語学習を応援しています!

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