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改装

 いきなりほとんどの記事、SNS、連絡先が消えて驚いた方もいらっしゃるかもしれません。千崎叶野です。

 精神的に不安定なところをお見せすることもあったので今回もそれかと思われたかもしれませんが、実は今回はいい話です。

 春からの進路が決まり、きちんと芸術にも学問にも真面目に取り組むために、一旦過去を清算して今年一年を頑張ろうと思いました。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、2023年末には「小説家になろう」サイトを閉じ、1月末には「livedoor」のブログを閉じました。いちばん思い出深いnoteは悩みに悩んで再公開や再投稿を繰り返しては考えていましたが、この度ふたつの記事を除いて非公開にしました(ひとつはわたしの好きな画家さんへの追悼の手紙、もうひとつは企画物なのでご容赦を)。ひな祭りのお祭り気分が終わる頃、非公開になったはずです。

 わたしの書くものには親友や親、先生や弟、付き合った人などの価値観が多く反映されています。

 先日、わたしの人生の多くを変えてしまった、素敵な人とお会いしました。その人をテーマに短編を書いたことがあります。その話をすると、人生でいちばんと言ってもいいほど褒めていただけて、少し拍子抜けしました。今まで頑張ってきたことではあまり評価をして貰えていなかったので、こういうものが刺さるのか、と驚きました。誰よりも認めて欲しかった相手に認められるのはこんなタイミングなのかと少し呆れてしまったくらいです。同時に、こういう可能性を秘めた文章というのがやっぱりわたしには大切なものだと再確認しました。

 これもまたわたしがよく触れる友人ですが、彼女と話した時、彼女が美に目覚めた時の話をしてくれました。高校の通学路、ほんとうはスマホをいじり音楽を聴くことを許されていなかったのに音楽を聴いて帰った。なんでもないことのはずだった。それでも突然、美はやってきた。行きはなんとも思わなかったのに、帰りに聴いた時にはとてつもないそれに圧倒されたと。

 わたしにとっても、美とは、芸術とは、そういう奇跡の出会いです。

 いちばん大切にしていて、文学賞にも提出した小説をこちらに掲載していましたが、高校の先生や同期、尊敬する人、予備校でお世話になった先生にも、読んでいただきひとつの役目を終えたような気がします。読んでくださいと出す前に読み終えてくださっていたときには、しつこいようですが巡り合わせ、運命、奇跡、そのようなことを思ってしまいました。その他の読者の方々もありがとうございました。小説を読むという機会が減っている中でわたしのような素人の文章に目を通してくださる方、そしてそれに感想をくださる方のありがたさを痛感しております。誰よりも伝えたかった人や、それに共感してくださる方々に届いたので、満足しています。

 少し意外だったのが、尊敬する彼の同僚数人に読んでもらったところ、わたしの尊敬するひとについて書いていると分からないと言われたことです。確かに文学賞間に合わせで仕上げましたが、近しい人にはわかると思っていたので驚きです。そして、まだまだ技術を磨かねばと熱い思いが出てきました。

 何もかもが中途半端な自分が嫌で、それを打破するために書きなぐったのがnoteの始まりで、それもいい思い出です。実際にどうにかできないものを昇華するために、願いを込めて書きました。「帰る家がほんとうはどこにもない」といった内容の文章を書いたことがありますが、たびたび引用した大切な本心です。家庭環境が最悪な時に、なんのベールも被せずに若いわたしが本心を述べていて、今では出せない勢いがこもっています。

 それらをいい思い出にするために、一度仕切り直しにして、本気で良いと思えたものを、然るべきタイミングで出していこうと思います。惰性で続けるものでも、永遠にしたいものでもないので。

 今年の文学賞にも一作出しました。今回は自分の内省を込めて、一人称視点のものに挑戦してみました。どんな結果になろうと冬には公開する(公開される)つもりなので、とりあえずはその更新を待ってくださると嬉しいです。冬でなくてはならない、冬のお話なので。夢の夢ですが、『小指を切る』は出版できるよう頑張ります。大切なものなので。無理なら、そうですね、春に出します。実はこれは直ぐに、わたしの思う「春」になれば出すのでご安心を。

 新年の挨拶にしてへ遅いですが、皆さんも満足できる1年を!

本になって、私の血となり肉となります