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28歳で15歳と10歳の女の子の父親になった話①

あまり人が経験しないことだけど私が経験したこととして、「28歳のときに15歳と10歳の女の子の父親になった」というのがある。2人の女の子を育てるシングルマザーと結婚したのでそうなったわけだが、まあ色々あった。結婚前も結婚後も。まあ22年経った今でも結婚生活は続いているし、娘も成長してくれたので結果オーライかな。

周囲の反対

15歳と10歳の子の親なので、当時妻は40歳くらい。私は28歳だったので、年の差10歳以上ということになる。当然かもしれないが私の両親は結婚に猛反対だった。「親子の縁を切る」「遺産はやらない(まだ当分は死にそうにないのに…)」などなど言われたが、好きになってしまったものは止められない。色恋は一度火がつきゃ消えぬ火事、だ。
一方で妻の両親もびっくり仰天。「娘は騙されているに違いない」ということで、長時間に及ぶ事情聴取を受けた。(とはいえこちらの方は何とか理解を得ることができた)
ということで、当時同居していた両親には黙って家を出ていき、妻の住む家に転がり込んだ。妻と娘との同居生活のスタートだ。

娘たちの反応

もちろん事前に2人の娘とは事前に顔を何度も合わせて、結婚の了解はもらっていた。とはいえ、特に長女は15歳という多感な時期ということもあり、思いは複雑だったようだ。
妻と前夫は、修復不可能なかたちで離別しているのだが、長女には前夫(実の父親)と暮らした思い出がある。辛かった思い出もあるだろうが、中には楽しかったこともあるから母親の再婚について複雑な気持ちになるのは当然だろう。そりゃ割り切れないよね。
私の呼び方も、「お父さん」とか「パパ」ではなく「〇〇さん」(〇〇は名字)だったけど、それでいいと思った。まだ28歳の男がえらそうに父親面する必要はないし、そんなふうに呼ばれたいとも考えなかった。露骨に私を拒否しないだけでも彼女は偉かったと思う。
一方次女には実の父親と一緒に暮らした記憶はあまりない。しっかりと物心がつく以前に離別してしまっているからだ。というわけで、次女も多少の複雑な気持ちを抱えながらも、新しい同居人が増えることは楽しみだったようだ。

「お馬さんになって!」

次女に関しては、同居をスタートする時点での忘れがたい思い出がある。「これから一緒に生活するからよろしくね」と伝えたときに、10歳の彼女は笑って「お馬さんになってほしい」と言った。私が文字通り四つん這いになって馬になり、彼女が私の背に乗っかりたいと言うのだ。「無邪気だなあ」と思い、馬になって遊んでやった。彼女も楽しそうだった。
でも、後になって妻が「あの子、ほんとはあんなこと言う子じゃないのよ。あの子なりにあなたを快く受け入れようと思って、和ませようと思って気を遣ったんだと思う。」と教えてくれた。
その健気さがかわいく、またまだ小さな子に気を遣わせたことに申し訳ないとも感じた。次女は、女の子というよりも、遊ぶのが大好きで、常にTシャツ短パンで、真っ黒に日焼けした、美容院ではなく近所の床屋さんで髪を切ってもらっている、男の子か女の子かわからない小さな子どもだった。
こんな感じで同居生活がスタートしたのだが、本当にいろんなことがあった。楽しいこと、良かったことはもちろん、辛かったこと、悲しかったことも多い。でも、このときこの決断をしてよかったなと、今は思うことができる。


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