不登校中のゲームは辞めさせるべき?

昼夜逆転に続き、不登校児にありがちな「問題」といえば、テレビ(スマホ)ゲームではないでしょうか。

子供がゲームばかりやっている。辞めさせたいけどどうしたらいいのか?とのお悩みはよく耳にします。

また
・無理にでも辞めさせた方がいいのか
・それとも放っておく方がいいのか
というところでも意見が分かれるところです。

なので今回は、子供がゲームに没頭する心理から解決方法まで、私なりにまとめてみました。

ゲームに没頭する心理

まず頭に入れて欲しいのは、ゲーム漬けになっている子供には

1)単純にゲームが好き。趣味として楽しんでいる
2)嫌な現実から目を背けるため、心を無にするためにやっている

という2パターンあるということ。
この2つは、同じ「ゲーム漬け」という状態ですが内面は真逆です。

結論から言ってしまえば、(1)の、好きでゲームをやっている場合にはあまり心配はいりません。趣味がたまたまゲームだったというだけであって、サッカーや野球、読書などに熱中している子と本質的には変わりません。

注意が必要なのは(2)の方で、現実逃避のためにゲームに没頭しているパターン。ゲーム自体に興味があってプレイしているという「ポジティブ」な状態ではなく、嫌なことを忘れるためという「ネガティブ」な状態である、というところが注意点です。

この場合には「ゲームばかりしている」ことではなく、「目を背けたくなるような嫌なことがある」という方が問題なのです。

具体的にいうと不登校児の場合、学校に行けていない状態や、それについて怒られることで罪悪感を感じてしまい、罪悪感から逃げるためにゲームなどに没頭しているのではないかと思います。

無理にゲームを辞めさせないで、「根本」に目を向ける

「目を背けたくなるような嫌なことがある」という状態が解決されないまま、ゲームだけを辞めさせるのは絶対にダメです!

「テトリスには不安とストレスを解消する効果がある」という研究結果もあるように、ゲームに没頭することによって一時的にではありますが、ストレスから解放されているのは事実。
https://gigazine.net/news/20181105-tetris-ease-anxious-mind/

なのでそれを取り上げてしまっては、辛い現実を直視することになるので、事態はますます悪化するでしょう。

ある程度の癒し・逃げの時間は大切です。

ちなみに子供にとってハマりやすいからなのか、テレビ(スマホ)ゲームに没頭することが多いと思いますが、ゲームに限らず違うもので逃避することもあります。

頭を使わない単純作業であれば、多分なんでもいいんだと思います。

ちなみに私の場合、(不登校時ではなくだいぶ大人になってからの話ではありますが)父親が色々あって逮捕された時にはなんだか悲しくって、ひたすらにビーズを編んだり刺繍をしたり、手芸に没頭していました。起きている時間はほぼずっと、睡眠時間さえも削ってひたすらにビーズを編み続けるという状態。

おかげでピアスなどのアクセサリーが山のように出来上がってしまい、minneやデザフェスなどで販売していましたが、いつの間にかビーズ編み衝動もおさまり、勢いに任せて立ち上げた「ブランド」はいまや廃墟同然ですが。(笑)

手芸というと、生産的なのでなんら問題はないように思えますが・・・その行為に至った精神状態をよく観察してみると、あまり健康的ではありません。

狂ったようにビーズを編んでいた日々はどうして収束を迎えたのか

多分飽きたんでしょう。
そして、出所してきた父親が思いのほか元気だったので「心配して損した」と拍子抜けした事も大きいと思います。

このように、問題が解決すればいつの間にか衝動は自然とおさまります。後には勢いで買い込んだ大量の手芸用品だけが残りました。

では、解決方法は?

好きでゲームを楽しんでいる子の場合には、一般的によくある

・ゲームは一日何時間まで!
・宿題しないとゲームやっちゃダメだよ!

のような対応で問題ないと思います。

対して、好きでやっているのではなく現実逃避をしているだけの子の場合は、正直一概には言えない難しいところ。

まずは問題の根本原因を突き止めることが大事です。ただそれを突き止めたところで、解決方法はその問題によります。なのでここでは言及を避けさせて下さい。

また子供自身が「根本原因」に目を向けられるようになる、「逃避しているんだ」という状態であることに気づけた時に、状況は大きく動くような気がします。(大抵は「逃避している状態」であることに気づいていません。無自覚です)

子供がゲームばかりやっていて心配かもしれませんが、まずは「根本原因」へのアプローチをしてみて下さい。

「好きなことは思い切りやらせよう」に対する注意点

よく、好きなことは思いっきりやらせたほうがいい!なのでゲームも禁止せず、好きなようにやらせてみては?という意見を耳にします。これは半分正解で、半分不正解です。

最初に述べた通り、好きでゲームをしている場合には当てはまりますが、現実逃避をしているだけの場合には当てはまりません。

「ゲーム=好きなこと」ではないからです。

まとめ

ゲームは辞めさせるべきかどうかについては、その子の内面次第でしょう。好きでゲームをしている子については、勉強や日常生活に支障がでるレベルならばある程度規制するなど、ご家庭ごとの判断で構わないと思います。

現実逃避をしている子については、まずは辛い現実を改善する方へ目を向けることが大切です。ゲームを無理に辞めさせるよりも、嫌なことをなくす、他に楽しいことを見つけられるようにする、
そうすれば自然とゲームから離れていくのではないかと思っています。

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