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不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

2024年3月11日。私には忘れられない日になりました。

カナダはホームドクター制です。
がん告知は、毎年お世話になっている女医さんからの電話でした。

本当にいい先生で、いつも結果が出れば、良くも悪くもすぐに電話をくれます。ほかのドクターによくあるのは、結果が悪くて再診が必要な場合だけ連絡、患者が知りたければ、別途の電話予約で教えてもらいます。

私は1ヶ月前に胸のしこりに気がつきました。すぐ電話したその翌日に緊急で診てくださり(通常の診察は1,2週間後のところ)、超音波エコーもマンモグラフィー検査も最速で予約してくださり(ここからは専門医)。

さらに大学病院での生検も迅速。この検査の結果が出るのは7〜10日後のはずが、電話は5日後の月曜日の朝イチでした。

信頼関係があるからこそ、電話で出来ると思いました。

英語が堪能でない私のために、下の子どもが通訳として一緒に聞いてくれました。

「Unlikely……」と女医さんは明らかに言い淀んでおられて、子どもが「それで結果は?」と促して、初めて「悪性」だと口にされました。

まるで昔のドラマのようながん告知。患者の頭は真っ白、顔は真っ青、お先も真っ暗と言ったところでしょうか。

ここからは外科医が診てくれること、何かあればいつでも相談に乗れること、自分の患者で、寛解までいった人がいるから……(私にも希望を持てと言いたかったようです)。

また、私の初潮や閉経、母乳育児の期間についての質問がありました。女性ホルモンの影響をどれだけ受けていたかの確認ですが、私には今ここでそれを聞かれる意味がわからなかったです。

女医さん:「あなたの気持ちに寄り添いたいと思っているけど、言葉の壁があって……。何か質問はない?」
私:「今はありません……」←思考停止。いつもは女医さんの英語が大体わかるのに、この日のリスニング力は最低レベル。

その後、子どもが私の代わりに感謝を述べて、電話は終了。
漠然とした不安ばかりがつのりました。

下の子どもが私を励まそうとして「癌になってガーン」、「私は蟹座の『キャンサー』だけど、癌の『キャンサー』じゃない……」と即興のネタを披露してくれました。

私の母と祖母はどちらも、乳房切除術を受けています。ただし二人とも良性腫瘍。だから私も、ある程度の覚悟はありましたが、現実はそれ以上でした。おかげで娘の特製ギャグにも笑い返してあげられなかった。

失意のまま日課のニワトリの世話を終えて、私が帰ってくると、上の子どもに説明したときに感情が溢れたのか、下の子どもが泣いていました。

普段はしっかりした子ですが、若干21歳の年齢で私と女医さんの間に立たせて、悪いことをしちゃいました。でも、泣いてくれる家族がいるって、幸せことです。

とにかく急遽、生活の立て直しが必要になりました。赤身の肉に代表される動物性タンパク質は、がん細胞にもタンパク質を供給してしまうそうですね。魚と豆と野菜、玄米食で低塩。ヨガと気分転換の散歩なども始めました。でも、体のあちこちがチクチクと痛む瞬間、転移が始まっているのでないかと疑い、ネットで調べて予後のこと、苦痛を伴う治療のこと、お金のこと……。

自分のがんのタイプもステージも、女医さんからは教えてもらえなかった。外科医と面談は2週間後になりました。

不眠。
告知されても熟睡できる人なんて、そうそういないと思いますが、布団の中で、どうしてもっと早く気がつけなかったのか、そういえば、前から背中に鈍い痛みがあったじゃないかと。それをぎっくり腰とぎっくり背中の後遺症みたいに思っていて、私バカ〜。

でも、診断がついたのが今この時期でよかったです。上の子どもは10代半ばから虚弱体質でしたが、10年近く経ったこのほど、自分で治療法を見つけ実践し、かなり改善しました。だから私は、子どもを心配することなく、自分の治療に専念できます。

それにしても、乳がんの手術は早くしたほうが予後がいいそうですね。それで「早く」という不安にとらわれないように、マインドフルネス瞑想も始めました。

話は変わり、告知の電話から3日後。
自分の検査結果が『ヘルス・ゲートウエイ(政府のe-保険証のアプリ)』に反映されているのを見ました。

エコーとマンモグラフィーの結果。
1.5×1.4×1.0cm。トゲ様突起のある腫瘍。
その周囲に微細なカルシウムによる石灰化。
腋窩(脇の下)への転移は見えない。
これだー、私が知りたかったのは!

生検の結果はまだ反映されていないし、遠隔転移の検査や血液検査すらまだです。しかし、サイズと腋窩の情報が判れば、気持ちはかなり楽です。

ホームドクターの女医さんも、この結果をご存知のはずなのに、何であんなにドラマチックな告知をされたのでしょうね。

とにかく自分のがんを知り、向き合い、がんを中心に生きていく心の準備はできました。それは家族の協力があってこそ。本当にありがたいです。ペーパードライバーになってしまった私の通院のために、夫は融通のきく仕事に転職してくれるそうですし、子ども二人に家事を任せることもできます。

私も手術に備えて、術後しばらく腕が上がらなくなる前に、やりたい事も多いので、いったんノートは休みます。

皆さんもご自身の健康管理と体が発する大事な声を無視なさらないようにしてください。くれぐれもご自愛のほどを。

もし、私のように先の見えない不安に苛まれる人がこれを読んだときの参考までに。

アキ・ソラーノさんのマインドフルネス瞑想は、坐禅不要、空き時間や歩きながらでもオッケーという考え方です。さすが肺がんで余命宣告されたご主人さんのために開発されたのだそうで、治療中で体調不良のときも、いつでもできるというのが良いところ。私の不眠と便通改善に即効果がありました。また、全身のチクチク痛も気にならなくなりました。

がんになった原因を悩んだり後悔するのでなく、大事なのは今現在の自分を丸ごと愛せるか、だそうですよ。いくらでも変わる未来に不安を感じる必要もなく、今ここで出来ることを精一杯。

がんでなくても、悩みや不安があったら、マインドフルネスで解消できるかもしれません。

アキ・ソラーノさんの教えで、緑の光に包まれたような
イメージで瞑想するのが好きです。チクチク痛みがある時は自分なりに、患部に苔を貼ったようなイメージも追加しています。苔は花言葉で「母の愛」。ふかふかで、ひんやりしたイメージがあるので、応急手当になるようで落ち着きます。


いずれまた、ノートで。

そうそう、冒頭の写真、何の花だかわかりますか?
ピンクリボンにちなんでピンクの花にしましたが、
正解はシクラメンです。
撮影しやすいように広げて潰しましたが、自分でやっていて、マンモグラフィーで何度も潰されたことを思いだしましたwww。検査時「息を止めてください」と言われますが、そもそも私は息を吸うことも吐くことも出来ません〜。経験者の皆さんは、いかがだったでしょうか?



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