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みらい。

「たのむね」
「まかせたよ」

ボクが保育園から
帰るとき

その日は何故か
今は亡いおじいちゃまが
お迎えに来た

何故来たのか
バスで帰るはずなのに
そこは記憶にない

しかも
おじいちゃまは
自転車にも
車にも乗らず
歩いてきた

ボクの手をひいて

パコちゃん
歩けるかい?

手を繋ぐのは
嫌じゃないかな?

今日はね
どうしても
直接
お願いがあって
会いに来ましたよ

え?
おじいちゃま
毎日会ってるじゃん
どうしたの?

そうだったかな?
歳をとるとね
忘れてしまうこと
たくさんあります

だから
パコちゃんに
お願いがあるのです

なあに?
どうしたの?

わたしはあと
何年生きられるか
わかりません

なので
いちばん若い
パコちゃんに
家族のことを
お願いしたいのです

みんな
歳をとり
病気もするし
わからなく
なったりもします

パコちゃんには
辛いかもしれません

しかし
家族の未来が
決まるのは
パコちゃんで
決まるのです

なので
頭をさげて
お願いしにきました

わたしのことは
どうでもいいです
しかし
他の者たちは
大変苦労をしてきました
最期くらいは
ゆっくりして
欲しいのです
わたしには
どうしてあげようも
ないのです

どうかよろしく
お願いします
まかせたよ

たのむね


おじいちゃまは
その2日後亡くなった

家族の未来。

そのとき
ボクは
自分の助けられた
感謝をかえそうと
決めた

ちょうど童話で
恩返しを学び
感銘を受けた時期だ

ボクの中で
決めた
恩返しは
生涯の決めごとになって
今もなお
親族のひとりひとりの
最期を看取る

このひとたち
ひとりひとり
無ければ
ボクは死んでいた
かもしれない

この親族の未来を
ボクは生涯をかけ守る

みらいは
ボクで決まる

大切にする





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読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました