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英語で日本のマンガが読めるアプリ “Langaku” がイイ!

マンガが好きです。英語で読むのも好きです。

読めなくても現地語のマンガを買ってくるのが好きです。

書棚にある外国語版のマンガの一部。英語を中心に中国語、韓国語、タイ語、マレー語、ポーランド語なども。

そんな私にブッ刺さるアプリを見つけました。

集英社のマンガを英語で読めるアプリ Langaku です。

Langaku - マンガで楽しく英語多読

アプリの提供元は集英社ではなく、「世界の言葉で、マンガを届ける」というミッションを掲げたマンガ専門の翻訳AI企業、mantra社です。日本で生まれる意義があるAI企業っぽくて良いですね。

(※なおこのnoteは一切お金をもらっていない自主的な紹介なので【PR】表示はつけませんが、記事の最後に無料で読めるマンガの数がお互いに増える紹介コードを載せています。一緒にマンガを読みましょう!)


Langakuの何が良いか?

読みたいマンガを読める!

マンガに限らず論説でも小説でも同じですが、その作品を読みたいと思う強い動機がないと取り組めませんし、続きません。日本語でさえ、つまらない作品を読み続けるのは苦痛です。ましてそれが外国語ともなれば、「この作品を英語で読んでみたい!」という強い動機がないと読み進めるのは無理です。

その点、何百万部をも売り上げたマンガというコンテンツは極めて有利で、しかも天下の集英社ともなればそのコンテンツはめちゃくちゃ強い。

このアプリでカバーされている作品はSPY×FAMILY、呪術廻戦、推しの子、僕のヒーローアカデミア、チェンソーマン、ONE PIECE、BLEACH、ゴールデンカムイ、約束のネバーランドなどで、連載中のものも含めて人気作品がずらり。

2023年末時点では40作品程度ですがまだまだ増える見込み。まだドラゴンボールがないですしね

マンガ好きであれば既にセリフやストーリーは知っている作品が多いでしょうから、読み進めやすい上に「あの有名なセリフは英語ではこう言うんだ!」という発見があります。

日本語で読むこともできるので、その場合は普通のマンガアプリと変わりません。それだけでもお得感があります。

英語の密度やレベルが多様

多くの作品があるということは、英文の量やレベルも多様ということ。名探偵コナン、DEATH NOTE、HUNTER✖️HUNTERなど「文字の中に挿し絵があるな」と思えるほど大量に文字がある作品は必然的に英語で読むハードルが上がりますし、逆にテニスの王子様などはセリフ自体がとても少ない。その差は作品間で5倍にも及びます。

作品によって単語密度が5倍も違う。テニスの王子様は平均343語、DEATH NOTEは1,637語

簡単な英文であっても実践ではとっさに出てこないことが多いもの。マンガであっても脳内で反芻する回数が多ければ多いほど、実際に似たシチュエーションになった時に同じ言い回しが出てきやすくなります。

テニスの王子様だとちょっとアレですが、『君に届け』とか『俺物語!』のような学園ものであれば学校生活の用語がそのまま使えるでしょう。

自分に合ったレベルと内容を選べるというところがとても良い。

タップするだけで日英が切り替わる

これ、日英で同じ作品を読み比べたかった人にとっては画期的なUXです。和英で同じ本を並べて読み比べするのは紙でも電子書籍でも結構煩わしいのですが、その問題が完全に解決されています。

紙のままこの問題を解決しようと試みたのが「バイリンガル版」という方法でして、コマの外に和訳を載せる方式です。これはこれで画期的なのですが、いかんせん視野に日本語があるだけでそちらをついつい読んでしまうという欠点があります。

バイリンガル版のマンガの例。吹き出しの外に和訳がある。こちらはドラマ『SHERLOCK』を日本でマンガ化されたものが再び英訳されるという逆輸入的な作品

Langakuの場合、タップするまでは日本語が読めず、しかし日本語を確認したくなったら一瞬で切り替えらえるという操作性が素晴らしい。長年読み比べに苦労した身としては感動的でした。

きちんと人が翻訳している

mantra社の会社紹介では「マンガに特化したAI翻訳」とあり、マンガの訳文が機械翻訳されているかのような印象を受けますが、少なくともLangakuを確認した限りでは今のところすべて人の手で翻訳された英文になっています。

中でも、今のAIでは絶対にできないであろう翻訳が、幽遊白書の異能戦、海藤との言語ゲーム。

これ、マンガ翻訳史上の金字塔だと思っているのですが、本当に翻訳のアイディアが感動的なんですよ。ひらがなの50音が「あ」から順番に言えなくなっていくというゲームを一体どうやって英語にするのか?

幽遊白書 13巻より。大好きなシーンの一つ。


翻訳者が編み出した答えは、「アルファベットがZから逆に1文字ずつ使えなくなっていく」というルールに書き換えることでした。

必然的に「45分」から「26分」に短縮されたゲームになっています

さすがにAから順に使えなくなるとキツい上に、オチとして海藤をびっくりさせる文字を使える必要がありますから、Zから順に消えるのは格好のルールです。

だんだん文字が使えなくなる中でのセリフは普段あまり見ない言い回しですが、こういう工夫を見るだけでも楽しい。きっと翻訳者の中でも脳汁がドバドバ出ていたに違いありません。

whereやyouなども全く使えないので略語が活躍

というわけで、本当に妥当なのかどうかわからないAI翻訳ではなく、文脈を踏まえた英文がちゃんと載っているというところがオススメです。こういう工夫を見つけるだけで楽しい。

もう一歩頑張ってほしいところ

一方で、まだ物足りない部分もあります。

集英社の作品しかない

いや当たり前なんですが、読みたいマンガは集英社の他にも多いので、集英社以外にも広がってほしい。例えばKADOKAWAのアプリBOOK WALKERはカドカワ以外の作品も読むことができるので、同じようなノリでLangakuも出版社を跨いで読めるようになってもらいたいところ。あるいは出版社別でもいいので類似のアプリがどんどん出てきてほしい。

前述のように、現状では学園ものの作品はあってもビジネスシーンで使えそうな舞台設定の作品は多くありません。青年マンガのラインナップが豊富になればまた違ってくるでしょう。

音声言語を選びたい

まず、セリフを音読してくれるという機能は素晴らしい。ここは認めねばなりません。

しかしながら、落ち着いた女性による読み上げの1通りしかないので、ほとんどのマンガのセリフにおいてかなり違和感があります。チェンソーマンのマキマさんならこの声でも合うでしょうが、煉獄さんにも同じ声とトーンで喋られても調子が狂います。

Chat-GPTに喋ってもらう時の音声は男性2通りと女性2通りから選ぶことができますし、こういうところこそAI企業の面目躍如ではないかと思ったりします。

単語帳がテキトー

翻訳はしっかりしていると前述したばかりですが、しかし「単語帳」機能については明らかにAIによる自動検出と翻訳です。「その文脈じゃその翻訳にならないよ」とツッコミたくなる単語が無数に出てきます。

例えばDEATH NOTEであればこんな感じ

そうはならんやろ

いや、Lの説明おかしいでしょw
なんやねん「50」って。そりゃギリシャ読みで50ですけど。そうじゃないやろと。しかも「五拾」に書き換える意味とは。
Nも同じやで。それ固有名詞だから。

もういいからワシに単語帳と解説を作らせろ、と言いたくなってしまいますが、まだまだベータ版のようなのできっとこれから改善すると期待しています。

紹介コード


というわけで、個人的にいまとてもお気に入りのアプリということもあってご紹介したくなったのでした。

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