よのなかにはきけんがいっぱい

はじめに

「塩化ナトリウムを含まない塩」が話題になっていた。私はこれを見た時、単純にNaCl以外の塩(えん)の事を指しているのだと思った。だが一般人の反応を見て、間違っていたのかなと思った。調べた結果、何が正解なのかわからなかった。しかしいくつか面白い事を言っているものを見つけた。具体的に言うと「え、食塩ってNaClが入っているんですか!?Naは水に入れると爆発するし、Clは身体に毒なのに!!そんな危険なものが入っていたなんて!!」みたいな感じ。これを見た時、DHMOという化学物質の話(後述)を思い出した。初めて聞いたのは中学生の時で笑い話だったけれど、最近の事と合わせると結構深刻な話かもしれないと思われた。よって本稿ではよのなかにいっぱいあるきけんについて考えを述べる。

DHMOの話

まず具体例として、先に挙げたDHMOの話をする。有名な話なので知っている人も多いかもしれない。

DHMOというのは化学物質である。様々な点で使用が懸念されるべきであるが、多くの人はその事に気がついていない。DHMOの特徴は次のようなものがある。(Wikipediaより引用)

①水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。

②温室効果を引き起こす。

③重篤なやけどの原因となりうる。

④地形の侵食を引き起こす。

⑤多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。

⑥電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。

⑦末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

しかしDHMOはその危険性に反して頻繁に用いられる。例を挙げる。(Wikipediaより引用)

①工業用の溶媒、冷媒として用いられる。

②原子力発電所で用いられる。

③発泡スチロールの製造に用いられる。

④防火剤として用いられる。

⑤各種の残酷な動物実験に用いられる。

⑥防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。

⑦各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。

これらを踏まえた上で「この化学物質を規制するべきか」というアンケートを行った所、86%の人が賛成し、12%の人が回答を保留した。そして残りの2%の人は「DHMOが水である」という真実を見抜いたという。

DHMOというのはジヒドロゲンモノオキサイドの略で、H2O(水)の事である。上で挙げた特徴や使用例は全て真実であるが、多くの人がそれを元に規制するべきだとした。勿論それが水だとわかっていたならば、そんな馬鹿らしい事は考えなかっただろう。

一般化してみる

NaClの話もまあこれに似ていると思う。塩化ナトリウムには人体に有毒な物質が含まれる、みたいな。この話を一般化してみると、「よく知らない事柄に対して、一部の情報から勝手に推測して誤った判断をする」といったところだろうか。こういうのって悪い考え方の例として結構挙げられていると思う。Twitterなんかでもよく見かける。そして大体の人が賛同しているように思う。でも大体の人がそれを実践できているのかと言うと、そうじゃないんだろうなと思う。自分も勿論例外じゃないが、それをできるだけ回避しようとは努めている(それについてはまたいずれnoteに書くかもしれない)。

ちょっと具体例を挙げてみる。実際にあった事である。とある元アイドルが深夜のテレビ番組で、「好きな人と身体の関係はあるけれど、本命にされない」といった旨の発言があり、さらにその相手が先輩アイドルである事を匂わせた。匂わせというより、そうだろうと思わざるを得ないものだった。同番組で司会を務めていた芸人も「これはおっけーなのか?」といった表情になっていた。当時ネットでも話題になり、そのアイドルはかなり批判されていた。その中でも印象に残っているものは「お世話になった人に迷惑をかけるなんて」「仮に本当だったとしても夢を壊すのは元アイドルとしてどうなの」と言ったものである。これが一般的な反応なのか、と思った。

まあぶっちゃけその発言をしたのはまずかったと思う。実際に炎上したわけだし。しかしまず私が疑問に思ったのは、批判対象がそのアイドルに集中していた点である。そもそもこの番組は生放送ではない。まずそれで放送してもオッケーにしちゃったディレクターはどうなの、と思う(炎上がプラスなのかマイナスなのかは知らないが)。それにもし本当だったとしたら先輩アイドルの自己責任じゃないの、とも思った。ただこれは自分がアイドルというものへの理解が足りないのもあると思うし、若干論点がズレて立場の問題になるのかなとも思う。

ここでちょこっと話を広げてみる。よくある芸能人の不倫の話。自分はあまりこれに興味を持てないが、大体批判されているのは不倫した方だと思う。当たり前といえば当たり前なんだけど、じゃあこれも報道しなかったら夢を守れるのになぁ、と思う。

じゃあなんで某元アイドルの時にはそちらが批判されたのだろう。一つは法律的にセーフだから、もう一つは事実として報道されなかったからかなぁと思った。前者は仮に本当だったとしても法に触れない。一般的にはセフレとかって良くないとされているんだと思っているけれど、仮に本当でも法には触れないんだと思う、知らんけど。だから先輩アイドルの方は一応咎められる筋合いは無くて、それそのものは問題視されなかったんかなぁと。まあ芸能人の世界って裏の顔があるんだろうなぁというのは所々から推測されるけれど、バレなきゃセーフって感じなんかなぁ。後者はもし先輩が認めたらそれは同罪になるんだろうけれど、先輩は隠そうとしたけど証拠が見つけられた場合はどうなんだろ。先輩は夢を守ろうとしたけれど、それを周りがつついて暴いた場合。守りきれなかった先輩の実力不足もあるけれど、そもそも暴かなければ夢を守れたなら暴いた方も悪い気がする、知らんけど。結局長々と書いたけど、どうなんだろうなぁという結論に到着する。

次にバラしちゃった元アイドルの立場としてはどうなんだろうなぁと思う。バラしたらウケると思ったんだろうか、それとも苦しくて誰かに言いたかったんだろうか。どっちにしろ、嘘でない限りはアリなんじゃないかなぁと思ってしまう。前者の場合、利用しようとするのはタチ悪いかもしれんけれど、それを踏まえた上でのネタなら話題にはなるだろうし、というか実際になったか。後者の場合はそもそもその状況になった事情は知らんけれど、苦しくて言いたくなったのか、腹いせにバラしてやろうと思ったのか。どちらにせよそういう事実を作った先輩アイドルの方にも責任はある気がする。もし作り話だったら中々厳しい、公平な立場かわからんけれど嘘を擁護するのは苦手。まあどういう事情があったのかはわからんという結論に至る。

じゃあ元アイドルを批判する人たちはどういう気持ちやったんやろう。多分そんなに考えてないんだろうなと思う。例えばもしもその関係が事実で元アイドルが苦しんでいた事を話していた場合とか。事実確認も求めずに批判するのは自分の好きなアイドルを擁護する立場なんだろう。そういうやり方は嫌いじゃないけれど、結局それで別の立場を傷つけるかもしれないなら、それは自分本意だろうと思う。だから多分そういう人たちにこんな話を持ち出すのはお門違いであって、具体例間違えたなぁと今更になって思い始めた。

さて、この章の目的は一般化してみることである。もはや何の話か忘れてしまったので確認してみると、「よく知らない事柄に対して、一部の情報から勝手に推測して誤った判断をする」ということらしい。そしてこれには立場というものが絡むので、中々複雑な問題であることがわかった。今回は具体例を間違えたけれど、単純に決めつけによって誤った判断をしてしまう場面ってたくさんあると思う。「どうせこうなんやろ、ほんと腹立つわ」みたいな愚痴もよくあるし(それもまた一つの立場やし、そういう人に「そうであるとは言い切れないよ」とか言う人は嫌がられると思う)。ただ逆に考えると使い勝手の良いツールにもできる(あ、こっちを結論にしよと思いついた)。つまり何かがあった時に、もしかしたらこういう事情があったのかもしれない、と思う。例えば知らない人がぶつかって走り去って行った時、何か急がなければならない理由があったのかもしれない。酒で潰れた人は辛いことがあったのかもしれない。細かい事にイライラしている人は何かに追われていて辛いのかもしれない。この人のクソみたいな考えは環境のせいかもしれない。こういう風にして余裕を持つ癖をつけておくと、大体の人に対しては寛容になれる。もっと言えば慣れてくるとその作業が自然になって、そのうち「そういう人もいるよね」となる。ただここで自分がそれをするような人になりたいかは考えておいた方が良い気がする。「価値観の合わない人と一緒にいると、いつの間にかその価値観に慣れてしまう」というのは『阪急電車』のセリフのうろ覚えだが、確かになぁと思う。そういう人もいる、でも自分はそうなりたくない。その線引きを曖昧にしてしまうと、言い訳ばかりが上手くなっていく。話が脱線したので終わり。

視点を変えてみる

え、まだあるの?といった感じである。でも一つの事だけ考えて終わりなんて面白くないじゃない。浮気だとか不倫だとかの話が長々とあったけれど、元々はNaClの話でした。そしてナトリウムこわい、塩素こわい、お水こわい、という話でした。これって笑い話だけれど、全部真実っていうのは注目するべきところだと思う。これが笑い話になるのはみんなが食塩や水を安全に使っているからだと思う。あとはNaClはNaとClに突然きっちり分かれて爆発したり有毒になったりしないとわかっているから、というのは間違いだと思う。わかっている人なんてどれほどいるんだろう。経験的に知っている人はたくさんいる、これもどうだろう。経験的にそう思っている、これがしっくりくる。学問よりの数学ってこんな感じなんじゃないかなぁと勝手に思っている。「0は存在するのか」とか「1+1=2の証明」とか。例えば酸素について考えてみる。これって有害なイメージがない人が多いと思う。でもこれだって集めて燃やしたらこわいし、そもそも酸素が生物に必要なものっていうのは元々異常なはずである。生物は海から誕生したと言われているらしいけど、陸に中々上がれなかったのは酸素のせいだって生物の先生が言っていた。これを可能にしたのがミトコンドリアで、それまでは呼吸なんていう手法は無かったらしい。そう言われてみると当たり前で、酸素って金属すらボロボロにするし、恐ろしい物質だと言える。けれどそれは人間が生きるのに必要だから、人間は酸素が良いものだと思っている、みたいな。

ここで何が言いたいかっていうと、こういうのも日常に結構あるんじゃないかなぁということ。例えばインターネット、みんなが当たり前のように使っているからみんな安心して使っている。いやいや自分は危ないサイトとかにいかないように気をつけている、という人もいるかもしれない。でもじゃあインターネットの仕組みを知っていますか、というとどのくらいの人が答えられるんだろうか。さらに例えばスマホの内カメラ、この映像って他の人から割と簡単に見れるらしい。自分は詳しく知らないから真偽は知らんけど、もし本当ならお風呂でスマホをいじる人は覗かれる可能性があるという事になる。まあその程度別に構わへんわって人も多いかもしれんけど、そういう事がもっと色々あるよっていう話。さらにさらに例えば、最近思いついたのでいうとルートキットとか。これも詳しくは知らんのやけど、もし上手い事いけば全国のパソコンが乗っ取られる事になる。まあ流石にその辺りの対策はされてるんやろうけど、もしされてなかったら恐ろしい事だなぁっていう。例を挙げ出したらキリがないけれど、世界規模で見ると自分の知らない何かがどこかで戦っているんだろうなぁという気持ちになる、知らんけど。

何の話だったかなと思って確認すると、経験的に安全だと思っていると危ないなっていう話だった(経験則は大事だと思っているし、むしろ自分はそっち優先派)。全部が全部警戒していたらキリがないようには思う。でもみんながこうだ!と思って何かしたら結果こうだった、みたいになってからでは遅い。良い例思いついた、『ワンピース』のアラバスタ。クロコダイルに騙されないように気をつけよう。まあ無理な気がするけれど。

おわりに

書いている間にもう一つ思いついたけれど、書いている間に忘れてしまった。今回は長かったなぁと思うので読んだ人はなぜ読んだのか教えてほしい。

おわりに何か言うとすれば、色々考える余地があるから決めつけは憚られる。でも全部疑いだしたらキリがない。その辺りの折り合いは考える余地があるんじゃないかなぁと思う。まあ考えられる時間って有限だから、出来る限り考えてその結果の最善を尽くすのがいいんじゃないでしょうか、知らんけど。


〈参考〉

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/DHMO

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