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【読書からの贈り物】『夜は短し歩けよ乙女』の登場人物を振り返ってみた!

おはようございます。金木犀川かおりです。

先日、「夜は短し歩けよ乙女」を読み終えました。
ファンタジーのような、現実の恋物語のようなお話で、すてきな時間をすごくことができました。

この本を読んでいた時に少し困ったのが、登場人物が覚えられない、ということでした。
とにかく全員が個性豊かなので、一人一人の描写、説明が気になってしまい、以前出てきた人物が再び出てくると、「これ、誰だっけ?」となってしまいました。

なので、今、あらためて振り返ってみて、どんな登場人物がいたのか、見てみたいと思います。


1、主な登場人物がまとまったウェブページはある?

ちょうどいいサイトがあったので、ご紹介したいと思います。
原作特設サイトが、KADOKAWAのホームページにありました。

KADOKAWA公式ホームページ原作特設サイトより

このページで、こんなふうに登場人物の紹介があります。

もう少しイメージを膨らませたい場合は、こんなウェブページもありました。
2017年に公開された、アニメーション映画のウェブページです。

アニメーション映画夜は短し歩けよ乙女公式ホームページより
アニメーション映画夜は短し歩けよ乙女公式ホームページより

ここでも、こんな感じにキャラクター紹介がありました。
私はイメージが膨らんで面白かったので、こちらで見ても、面白いかと思います。

※ここから先は、ストーリーについて直接触れたり紹介したりはしていませんが、登場人物を説明する時に、やむを得ずストーリーの一部に触れています。内容を知りたくない方は、これ以降は見ないでください。

2、主な登場人物

1、黒髪の乙女

この本の主人公、黒髪の乙女です。
表紙にもなっています。
原作で初めて出てくるのは、4ページ。

これは私のお話ではなく、彼女のお話である。

夜は短し歩けよ乙女より

この彼女が、この黒髪の乙女です。
黒髪の乙女、という言葉自体は、調べてみると、
第2章「深海魚たち」の66ページで出てきました。

古本市の前日、その黒髪の乙女が、「明日は古本市に行くのです」と言ったとのこと。

夜は短し歩けよ乙女より

原作特設サイトでは、こんなふうに紹介されています。

天然キャラの女子大生。魅惑の大人世界に憧れて、夜の木屋街に繰り出すほどの好奇心の持ち主。他人には優しいが、とことんマイペース。底なしの酒量を誇る。「先輩」の想いには気づかず、待ち伏せはすべて奇遇だと思い込んでいる。得意技は、万能のおまじない「なむなむ!」と、姉から授かった「おともだちパンチ」。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

2、先輩(私)

この本のもう一人の主人公、「私」です。
この本は、片方はこの「私」の視点で、もう片方は、乙女の視点で書かれるのが、最大の特徴であり、面白さですよね。
そのリンクがたまりません。

さて、私については、原作特設サイトでは、こんなふうに説明されていました。

京都の某国立大学に通う、偏屈で妄想癖のある大学生。クラブの後輩「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せるが、思考ばかりが先走りがちで行動がともなわない。本人いわく「彼女という城の外堀を埋め続ける日々」。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

3、羽貫(はぬき)さん

羽貫さんは、原作の第1章で登場する女性です。
乙女が東堂さんに絡まれた時に、助けてくれたのが、この羽貫さんで、21ページあたりで登場してきます。

東堂さんを追い払った女性が私の傍らに腰かけました。「大丈夫?」と優しく声をかけてくれるその顔をまじまじ見つめてみると、まことに眉もききりとした凛々しい顔かたち。見惚れている私を尻目に彼女は威勢のいい声を響かせて麦酒を注文しました。
(中略)
こうして私は、羽貫さんと樋口さんというお二方と知り合ったのです。

夜は短し歩けよ乙女より

最後に登場するのは、第4章「魔風邪恋風邪」で、
風邪をひいた羽貫さんを乙女がお見舞いに行くシーンと、その後、乙女に樋口君が風邪をひいたことを告げて、2人で幽水荘を訪ねるシーンが描かれます。

羽貫さんと樋口さんに見送られて、私は下鴨神社の参道へ向かいました。

夜は短し歩けよ乙女より

という記述が、羽貫さんの最後の登場です。

特設サイトでは、

鯨飲という言葉がもっともよく似合う、大酒飲みの美女。職業は歯科衛生士。得意技は、宴会にまぎれこんでタダ酒を飲むこと。酔っぱらうと人の顔を舐める。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

と紹介されています。

4、樋口さん

次に出てくるのは、樋口さん。
先ほどの羽貫さんの初登場シーンで、樋口さんも一緒に出てきます。
そのシーンで、乙女と一緒にお酒を飲むのですが、22ページで

羽貫さんの職業は歯科衛生士ということですが、樋口さんの職業は分かりません。
「天狗をやっております」と彼は不思議なことを言いました。
「まあ、それに近いわよね!」
羽貫さんも敢えて否定はされません。

夜は短し歩けよ乙女より

という記述があり、くすっと笑えます。

特設サイトでも、

「天狗」を自称する正体不明の若い男。なぜかいつも浴衣を着ている。
地に足のつかない想像をすると宙に浮かぶという「樋口式飛行術」を会得している。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

と説明されていました。

5、東堂さん

東堂さんは、第1章で、乙女が「月面歩行」というバーで飲んでいた時に、初めて出会います。
錦鯉センターを営んでいる男性です。

「ねえ、君、なにか悩みごとでもあるんじゃないの。そうだろう」
私はとっさに言い返す言葉もありません。なぜなら悩みがないからです。
私が黙っていると、その人物は、「悩みがあるならミーに言うてみい」と言いました。たいへん匠な洒落を言う方だなあと私は感服しました。
その人は東堂さんといいました。痩せてひょろひょろしており、長い顔に無精髭がのびて、胡瓜の尻尾のへ砂鉄をまぶしたようです。

夜は短し歩けよ乙女より

最後に登場するのは、第4章で、東堂さんが風邪をひいたところで登場してきます。

原作特設サイトでも、こんなふうに紹介されています。

「東堂錦鯉センター」の経営者。厄介事がたび重なったうえ、最愛の鯉たちを竜巻にさらわれて落ち込んでいるところに「乙女」と出会う。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

6、李白さん

李白さんは、第1章で、月面歩行のバーで初めて出てきます。

東堂さんは李白という老人から偽電気ブランを教わりました。錦鯉センター維持のための資金を借りたのがきっかけで知り合ったそうです。
李白さんは木屋町先斗町界隈では有名な人物で、底抜けにお酒を飲み、送迎専用車で乗りつけてくるオカネモチであるということでした。彼は人々に偽電気ブランを振るまいながら、果てしなく遊んでいるのです。

夜は短し歩けよ乙女より

という登場シーンでした。

第4章でこの李白さんが風邪をひき、風邪の神様にとりつかれることになります。
そして、こんな記述で李白さんが登場する最後となります。

先輩から電話があり、李白さんの快気祝いに行く前に、喫茶店で珈琲を飲もうと誘われたのです。

夜は短し歩けよ乙女より

特設サイトでは、

先斗町界隈では有名な超お金持ちで、謎の老人。自家用三階建て電車に乗っている。本業は金貸しらしいが、古書売り立て会を主催したり、偽電気ブランの元締めを務めたりもする。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

と紹介されています。

7、学園祭事務局長

事務局長は、第3章「御都合主義者かく語りき」で登場します。

初登場は136ページで、先輩側の視点で出てきます。

「偉くなったな、事務局長殿」
私が声をかけると、男がこちらを向き、「なんだ、君か」と言った。
彼と私は同じ学部に所属し、一回生の頃からの知り合いである。多彩な男で、その才能の発揮しどころは、学園祭事務局の雑務、軽音サークル、趣味の落語から女装に及ぶ。わけても男にはもったいない美貌を駆使した彼の女装は有名であり、戯れに顔を出した「女装喫茶」で多くの男たちを不毛な恋路へ誘ったことは悪名高い。

夜は短し歩けよ乙女より

というところで出てきます。

最後は、第4章の274ページに出てきて、

私が彼女と二人で出かける約束をしたと言うと、事務局長は「よくやった」と私の努力を讃えた。

夜は短し歩けよ乙女より

という記述が、最後の登場になります。

原作特設サイトでは、

男にしておくにはもったいないほどの美貌の持ち主で、趣味は落語と女装。学園祭で起こる様々なトラブルへの対応に忙しい。「先輩」の数少ない友人の一人で、彼が秘めた想いにも気づいており、ときにはからかい、ときには励ます。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

と紹介されています。

8、パンツ総番長

パンツ総番長は、第3章で初めて登場します。
樋口さんに登場される形で、145ページに登場するのが、最初になります。

「ああ、そうだ。紹介が遅れて悪かった。こちらはパンツ総番長」
樋口さんは傍らに座っている男性を指して言いました。その「パンツ総番長」は、樋口さんに倣ったのか、やはり古い浴衣を着ています。不屈の闘志に眉間をギュッと封じたような骨のある顔つきで、体躯もご立派、背筋を伸ばして堂々としています。

夜は短し歩けよ乙女より

最後の登場は第4章で、先輩側の視点で出てくるのですが、

一人で寝込んでいた私は知らなかったが、パンツ総番長や詭弁論部の連中など、関係者は軒並み倒れていたと聞いた。

夜は短し歩けよ乙女より

という記述が最後になっています。

原作特設サイトでは、

失恋をきっかけに、願いごとが叶うまでパンツを穿き替えないと誓った大学生。歴代の記録を塗り替えて「パンツ総番長」の称号を手にした。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

と紹介されています。
最後に願いがかなった時には、嬉しいのと安堵感を感じてしまうキャラクターでしたよね。

9、その他のキャラクター 千歳屋、古本市の神様、偏屈王、須田紀子さん

その他のキャラクターについては、まとめて原作特設サイトの紹介を載せたいと思います。

千歳屋
京料理「千歳屋」の若旦那。文化遺産の保護を口実に、春画の蒐集を趣味としている好事家で、「閨房調査団」の一員。

古本市の神様
あらゆる本についての知識を持っていて、神をないがしろにした蒐集家の書庫から本をさらうといわれている。
かわいい外見に似合わず、少々性格が悪い。

偏屈王
学園祭でゲリラ演劇「偏屈王」を首謀している人物。大学構内のどこかで脚本を書いているらしいが、その正体は不明。

須田紀子さん
学園祭で本物そっくりの「象の尻」を出し物にしている女子学生。好きなものは、小さくて丸い達磨。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」原作特設サイト | KADOKAWA

という紹介でした。

こうやって見てみると、本当に個性豊か、豊か過ぎる登場人物なのが分かります。
それぞれ、1から3章の間で出会うのですが、ちゃんと4章のラストに向けて登場してくるあたり、本当に物語の構成が本当にすごいなと思います。

こんなふうに登場人物一人一人を思い出しながら、主人公2人のことも思い出すことができました。
いろんなキャラクターたちとの会話、絡みが本当に楽しい、すてきな本に出会えました。

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