【連載】お人好しのキツネ その4【短編童話】

 キツネがねっこ広場に到着すると、頭から湯気を立てているアライグマがいました。

「ぷんぷん。ぷんぷん。まったくクマのやつ。許さないぞ」

「アライグマくん。どうしたんだい」

 キツネがアライグマに尋ねます。

「どうしたもこうしたも、これを見てくれよ」

 アライグマはそう言って自分の足元を指さしました。

 見るとアライグマの右後ろ足に木の根っこが絡まっています。

「なにがあったんだい」

「俺は朝、寝起きが悪いことに怒ってたんだ。それであのおくびょうもののクマのやつが、『アライグマくん、怒っているのかい?』って俺に聞いてきたんだ。俺は怒っている時に怒っているのか聞かれるのが大きらいだから、怒ってないと答えたんだ。すると」

 アライグマは自分の足から木の根っこをはずそうとひっぱりました。

「俺は嘘をついたつもりもないのに根っこが勝手にからまってしまったんだ。これも全部クマのやつのせいなんだ」

 アライグマの怒りはおさまりません。

「わかったよ。僕がアライグマくんの足が抜けるようにどんぐり池にお願いをしてくるよ」

 キツネはそう言うと、自分の持っているどんぐりを見せました。

 アライグマの願いを叶えても、あと残り一つお願いができます。

「ほんとうかい! じゃあたのんだよ」

 アライグマに見送られて、キツネは再びどんぐり池に向かいました。

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