第147回 パピ娘は宇宙幽霊の夢を見るか

まず、パピ娘というのは、わたしの娘のことです。

妻が口癖のようにいう「このアンポンタン娘!」が、自分の悪口だと気づいた娘は、言われると激しく怒り出すので、「パピ娘」という言葉を妻が考案しました。

しかも、夫婦で「パピ娘音頭」を歌いながら踊るので、娘はまだ「パピ娘」の意味を理解していません。

ちなみにわたしは「アンポンタン」と聞くたびに、頭の中で「メンタンピン」とか「キンコンカン」とかの言葉が反響しだします。

地震があってから、娘はよく怖い夢を見たというようになりました。

かなり不安そうな顔でわたしに報告してくれます。

それから「死」とか「離別」という、人生の悲しい出来事にも興味があるようです。

わたしは自分が子供の頃、死んだらあの世という宇宙のどこかに行くと思っていましたので、家族全員が死んだら、死後の永遠の時間を利用して父母と兄を宇宙のどこかから探し出し、また一緒に暮らそうと思っていました。

遠い昔の話ですが、今娘はその段階に来ているのだと理解しています。

愛の対象が全て家族に向けられている、それ以外の世間がない割と幸せな時期なんだと思います。

いずれ娘も外の世界を知るようになります。その時にあまり失望しないように、必ず味方はいるんだということを信じてほしいと、父は2番目の味方として思います。

1番目はもちろん母である、わたしの妻です。

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